海上自衛隊 呉地方総監部 見学 2015年

海上自衛隊 呉地方総監部  見学 2015年 kuret_1

この記事では呉地方総監部(昔の呉鎮守府)とその見学方法などを簡単にですがまとめていきます。

2015年3月に、広島県呉市にある海上自衛隊 呉地方総監部の見学に行ってきました。ここは昔の呉鎮守府庁舎であり、今でも鎮守府時代の建物を基本的にそのまま使用しています。見学は3月時点では予約等不要でしたが、この4月からは電話とFAXによる事前予約が必要になっています。

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総監部の見学は、単純に言えば赤レンガの建物の周りをぐるっと一周見てまわるだけです。おおよそ15分ほどで終了します。見学は毎週日曜日の10:30~11:30と13:00~14:00に行われていて、基本的にどなたでも1名からでも予約ができます。建物内は少し覗ける程度で入って見ることはできません。
予約用紙の入手、場所の確認はこちらの呉地方隊のHPを見てください。
呉地方隊 イベント情報のページ (別ウィンドゥで開きます)
ではとりあえず、これから行く人向けの情報を適当に挙げていきます。

・受付とか
ともかく事前予約をしておきます、してない場合は入れません。当日は各自の身分証明書を持って入り口の門のところに行きます。行くのは公開開始時間の直前~ちょい後ぐらいに到着すれば十分です、皆さん日本人らしく門の前で並んでますが、特に並ぶ意味はありません。係の人が身分証を確認するのは一応順番にしますが、見学自体はざっくりと分けて纏まって動くし一周15分程度なので、特に並んでないと待ち時間が長くなるってことはないです。

・行き方
公式HPの地図で目印が入っているまさにその場所に行ってください。門があって隊員さんが立っているはずです。間違えてる人がかなり多い(と思う)場所が庁舎のすぐ北のR487が直角に曲がる交差点で、ここにも基地へのゲートがあり隊員さんが立っています。呉駅や大和ミュージアムから来ると先にこっちに着くのでここで「入り口ここ?」と聞いている人をよく見るんですが、そこは一般用ではないので入れません。ここの当番の隊員の方は多分うんざりするくらい聞かれてると思いますので、事前にちゃんと地図で見て行くようにしてあげましょう。

・自転車と車
2015年10月から、見学目的の一般車両の乗り入れは禁止になりました。
自転車は以前は門のわきの辺りに適当に止めるように言われました。開門を待つ間は歩道で待機。車禁止に変更後は駐輪OKなのかわかりませんが、電話予約する際に聞いておくと良いです、多分OKだと思います。護衛艦見学のほうも基地内に止められるので、レンタサイクルはけっこうオススメです。

車両乗り入れが禁止になったのはこの理由らしいです↓
以前の状態[車の場合も同じ門から入って基地内の駐車場に止められます。門には車止めがあって入れなさそうですが、道路から頭を突っ込んで見学の旨を伝えれば車止めをどかしてくれます。ただし、歩道で待っている人が多くて割と危ないので車で行くのは極力避けてもらいたい所です。また、呉駅側(北側)から来た場合交差点を右折して進入することになりますが、交通量が多く右折なんて信号が切れないと無理ですし右折車はほぼいない(右折後は基地の門しかない)場所なのでここで右折待ちされるとものすご~~く迷惑なのでやめましょう。面倒でも一旦通り過ぎてから戻って来るか、付近の駐車場に止めて歩きましょう。少なくとも、コインパーキングに止めて大和ミュージアムを見てきたついでなら、車を止めたまま徒歩で来たほうが良いです。]

・案内は?
広報担当の隊員の方がガイドをしてくれて、その方に付いて回ります。1回の集団がMAX40人くらいでやってるみたいなので、ちゃんと引っ付いていかないと声が聞こえづらいです。個人行動は禁止ですが、止まって写真とったりする程度は構いません。

・混むの?
昔は1回の見学で5人とかでガラガラだったらしい(自分も行列なんて見たことない)のですが、昨今の自衛隊人気で見学者が増えていたところに、更にゲーム「艦これ」で呉鎮守府の名前が出て、挙句ダメ押しでアニメでここを元にした場面が出ちゃったもんだから完全に「聖地」に認定されてしまい、見学者がかなり増えているそうです。普通の日曜の午後に行って70人くらい来てました。待つってほど待つもんではないので特に困らないですが、落ち着いて見られるってほどではなくなっています。観光施設では無く現役の自衛隊施設ですので、はしゃぐのはほどほどに。

・よくあると思う間違い
ちょっと脱線しますが、広島県人やミリオタでも勘違いしてることが多そうなことを説明しておきます。ここで紹介している建物が昔の「呉鎮守府」で、昔のいわゆる「海軍兵学校」は別物です。昔の「海軍兵学校」は現在の「第一術科学校」で、これは呉の西方の江田島にあり、そっちはそっちで見学できます。この二つを混同している場合が結構あるように思いますので間違えないように。ついでに「地方総監部(の庁舎)」と「艦艇一般公開」では入り口の場所が別ですので、こっちも混同しないように注意です。公式HPの地図はちゃんと二つ掲載されていて、それぞれ目印が入ってるので確認してから行きましょう。

・建物の概略
上の写真はメインの庁舎で空襲によりてっぺんのドームが焼け落ちるなどしましたが、他はそれほど致命的な被害を受けることなく終戦を迎えて、しばらくしてから海自の庁舎として現役復帰しました。ドーム部分は平成に入ってから復元されたものです。このへんの歴史については現地の説明看板が詳しいので行ったら見てみるとよいです。入り口のスロープは別にバリアフリーとかの為ではなくって馬車が通れる様にしたもので、柱の下部には馬車を留めるための金具があります。庁舎のレンガは以前は江田島の術科学校と同じイギリス製と言われていましたが、現在では国内で作ったレンガだと判明しています。
この入り口は開いているので外から中を覗いて見ることが一応できますが、見える範囲はごく狭いです。玄関前には国旗や将旗が掲揚されていて、風があればイイ感じに撮影できるはずですがこの日は無風でした。

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こんどは建物の裏側です。海軍では海側を正面として扱うそうで、道路からだと裏になるこっち側も綺麗に作られています。右写真の右はじに少し見えてるのはちょっとした日本庭園です。

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海側の斜面にある階段です。式典に天皇陛下をお迎えするためにわざわざ大きく豪華に作ったものの、結局はスロープのほうから馬車で上がられたので無駄になっちゃったといういわくつき。ここからは呉湾が見えていて右写真の右端のあたりがもう呉港です。ちらっと見えているのが呉港務隊の船舶で、呉港とは隣接しています。

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敷地内の他の建物です。白いのが一時期は庁舎として使っていたもので、小さいレンガの建物は警務隊の建物です、こっちも戦前からのもの。

以上で見学できるところは全部です。えぇ、少ないけれどもこれで全部なんです。「聖地巡礼」に来た熱狂的なファンの人なら問題ないかもしれませんが、普通はわざわざ来てこんだけ?ってなると思います、艦艇公開や大和ミュージアムのついでに来るようにしましょう。自分は、こんだけなのは知っていたので今までスルーしてたんですが、自転車で行く機会があったのでついでに行った次第です。

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おまけ。この写真2枚は大和ミュージアムの4階テラスから撮影したもので、左写真に写っているのは呉港務隊の船舶で小山の森の影にちらっと庁舎のドーム部分が見えています。運動場みたいに見えてるのが総監部の裏手の敷地です。手前は呉港で、このくらい近所です。右写真は同じ目線で少し遠くを見たもので、JMU(ジャパン マリンユナイテッド)のドックに整備中の護衛艦”いなづま”(105)が見えます。こんな感じでここらのドックには護衛艦が入っていることが時々ありますので、注意して見てみるといいことあるかもです。この4階テラスは気付く人のほうが少ないであろう場所で、大和ミュージアムを順路通りに見学して3階からエスカレータで降りるところをスルーして、奥のエレベータに乗ると行けます。エレベータでしか行けないのと、特設展でもない限りは通常の展示は無い&順路でエスカレータに乗って帰るよう指示が出てるのでスルーする人がほとんどだと思いますが、テラスから港内を見わたせるのでオススメ、定番の有料双眼鏡もあります。また、資料室もこの階にあり、そこでは船や軍事関係の本や収蔵されている写真&図面の検索閲覧ができます。実はこの4階だけに入る場合は大和ミュージアムの入場券は必要なく、無料で入れます。ミュージアムの1階からエレベータに直接乗って4階に行ってOKです(事務員さんに聞いたので間違いない)。

そんなわけで呉地方総監部についての案内でした。みなさんの聖地巡礼の参考になれば幸いです。


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