練習艦 しらゆき 見学 in日本鋼管
今回もまた随分昔の話を掘り出します。2012年5月13日、広島県西部の福山市にあるJFEスチール西日本製鉄所(通称・日本鋼管)での鋼管祭に合わせて行われた、海自の艦艇一般公開に行ってきました。日本鋼管は今ではJFEの名前になっていますが、たいてい昔の呼び方で呼ばれている製鉄所で、ここのおかげで福山市の戦後の発展があったと言っても過言でないくらいに重要かつ巨大な企業です。毎年GWの後くらいに工場の敷地を使ったお祭りを行っていて、貨物船の桟橋を使って海自艦艇の広報活動が来るのが慣例になっています。
この日の担当艦は練習艦”しらゆき”、”はつゆき”型護衛艦の2番艦として1983年に竣工し、2011年に練習艦に転籍しました。”しまゆき”型練習艦としては2番艦になります。同じ練習艦の”しまゆき”とは1文字違いで音もそっくりで見た目は殆ど一緒な上に現在は両方とも呉にいるので、この2隻はものすごくまぎらわしかったりします。
左写真は桟橋に着いたとこ。右写真で写ってるように、貨物船用の桟橋ですのでクレーンのレール(というのか?)が走っています。柵はもともとあるみたい。この日本鋼管での見学は予約とかは必要ないですが、メイン会場から桟橋までがすごく距離があるのでバスでのピストン輸送がされます。そのために少しバスを待つ必要がありますが、20分くらいなもんかと。後で出ますが陸自の車両も来てました。
近隣の人でないと行くことは普通ないでしょうが、一応行くときの段取りを説明します。バスを待つ場所は一番東側ですので、複数あるうちの東よりの駐車場に止めたほうが楽です。鋼管前道路の南側の東端まで行ったら一応看板があるのでわかりますが、会場内の案内だと艦艇公開の案内があんましないのでちょっと迷う。バスは地本の人とかが乗ってきたやつを自衛官の人が運転します、なので一時停止できっちり3秒静止する(笑)。10分ほど乗って橋も渡って笠岡側の桟橋で見学で、バス代は無料です。
今回は艦影じゃなくて装備とかのアップの写真ばっかりです。そして説明とかは今更感がすごいのではしょります。ディテールの参考とか個艦の差異の確認とかになれば幸いです。とりあえずお馴染みのアスロックね。基地での公開の時よりも説明係の隊員さんが多かったです。
艦橋のアップ。”はつゆき”型は、艦橋上部のブルワーク(壁)が何パターンかあるので模型で拘る時は要確認です。”しらゆき”は小さいタイプ。右写真は艦首部分、いつもは無い緑のネットがしてあります。この手の基地以外での公開の時や訓練展示のときには付けるっぽい。
左写真、自衛官の方が「写真撮りましょうか?」って言ってくださったので、せっかくなので撮ってもらいました、なので規制線のロープより出ちゃってます。もともと砲塔のとこまでしか行ってはダメなようにロープがしてありましたが、この写真の後で自衛官の方々が相談して写真が撮りやすいようにロープを艦首側までずらしてました。気がきくなぁ~っと関心して見てた。右写真はロープずらした後です。76mm砲の砲身は発砲時に後退する部分だけ塗装なしの銀色なのね。
おなじみのメイン武装なのにスルーされる係のハープーン発射筒。このときは2本組でした。”ゆき”型を見学する時はちゃんとこれも写真撮ってあげましょうね。右写真、補給用ホースの受け口みたいな装置。割と目立つので再現されていないプラモは付け足すと良いかも。この日は基地での公開と違って一応順路がありました。
こっちもおなじみの短SAMさん。この弾頭につける目ってどの艦でも持ってるっぽくて、護衛艦の本とか見ててもしょっちゅう同じ感じのが出てきます。
艦尾から港内を見た感じ。貨物船が何隻か居ました。工場一帯は埋め立て地ですので広くて平らで殺風景です。この辺の海はものすごーく澱んでいるのでかなり汚かったりします。右写真、艦尾側から前を見た感じ。ヘリ甲板や格納庫は見られませんでした。
この時は艦橋構造物の上と艦内の一部も見ることができました。外のラッタルを上って艦橋の上に出て、帰りは艦内を通ります。左は信号旗の収納箱です、プラモでも部品がある場合が多いですが、実物はこんな感じでけっこう背が低い。レドームが灰色なのも注目点です。右写真、煙突と探照灯です、こちらもけっこう小さい。
マストを下から見るとこんな感じ。これをプラモでエッチングとかで再現しようとしたってそりゃ限度あるよねってくらいに複雑です。右は羅針儀と12.7mm機関銃のマウント。
CIWSこと高性能20mm機関砲さん。自分で言うだけあってどう見ても強そうな見た目はマニアでない人にも人気でした。”しらゆき”のは古いタイプでした。こいつの取っ手(?)て何のためにこんなにあるんでしょうね。
20mm機関砲弾が出してあって、持たせてもらえました。子供でも持てるくらいですが、そうは言ってもずっしりきます。色が違うのは弾種が違うからだとか、何と何だったか忘れましたが。右写真、ウイングのとこの窓に貼ってあった表とか。この手の注意書きみたいなのはちょいちょいあって興味を惹かれます。
左写真、艦橋の中。内部も見られましたが、狭いし人が多いのでほとんど写真を撮っていません。撮影目的の人は朝一か夕方ぎりぎりにしないと難しいです。右写真は艦内のどっか、何だったか忘れちゃいました。こんな感じで説明する係の方が各所に居らっしゃいます。他にも食堂を見学できて、休憩スペースを兼ねていました。
艦から降りて外観を。時間制限は無いので、なんならもう一周しても構いません。基地での日曜一般公開よりも多くの自衛官の方が狩り出されています、給料が付くのか知りませんが何にせよお疲れ様です。
右写真、”ゆき”型のこの部分って個艦でちょっと違う場合があるみたいです。古いせいなのか結構べこべこになっています。
外観を少しアップで。CIWSの後ろのラッタルで上に昇りました。この日はそれほど混んでなかったです、艦内だけは狭いのでちょっと混み気味でしたが甲板は余裕がありました。
右写真から陸自の展示に移ります。看板が見切れてますが、一応この展示の正式名称は「JFE西日本フェスタ ふれあい防衛展」らしいです。海自が護衛艦を出して、地域連絡本部(地本、昔で言う地連)がバスなどの車とスカウトチームやパネル類を出して、陸自が車両を持って来てってことみたいです。地本が来ているのでなんならその場で志願票を貰って帰ることもできるはず。志願票を出さなくても、艦を降りたところで感想を書くアンケートに協力したら自衛隊グッズを好きなの1個貰えました。海自の手ぬぐいを貰いましたが、他にもクリアファイルやピンバッジやけっこう色々選べたのでお徳です。そもそもタダで見に来てますしね。
写真の車両はジープの跡を継いだパジェロさん。正式名称は新旧とも「1/2tトラック」だそうですが、ジープとパジェロではエアコンの有無という致命的な性能差があるせいか分けて呼ぶらしい(適当)。写真のは広島地本の車両です。
左が高機動車で右が軽装甲機動車です。高機動車は上のパジェロよりもよりトラックっぽい性格のもので、街乗りならパジェロ、演習場なら高機といった感じでしょうか?パジェロやトラック達と並んで一般道で見る機会の多い車両です。軽装甲機動車は装甲と付いているくらいですからそれなりにごつい井出達で、さすがにこっちは一般道ではそうそう見ません。両方とも46普なので広島の海田の部隊です。
左が近SAMで、右が短SAMです。要は対空ミサイルを背負ったトラックですが、近と短って意味かぶってない?っていう疑問は多分ぶつけてはいけません。ついでに近SAMの触覚が虫にしか見えないとか言うのもやめておきましょう。軽装甲機動車を除く各車両は運転席に座らせてもらえたので、車高が高い短SAMだと子供さんは自衛官の方がひょいっと抱えて乗せてました。さすがの馬力で軽々と抱っこします。どちらも13高でしたので岡山の日本原から来た車両です。他に野戦炊具も居ました。
帰りはピストン輸送をしているバスに乗って帰ります、車両を見ながらタイミングを見て乗るので殆ど並ぶ必要は無かったです。製鉄所の構内も普段は入れませんので、それはそれで見ごたえがあります。桟橋の周りはそうでもないですが、お祭りの駐車場として使う工場の建屋が並んだエリアはいかにも工場な配管があちこちにあったりして、工場とか建物のマニアの人はそれだけを見に来ても多分ハァハァできると思います。
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以上、”しらゆき”と陸自車両の見学でした。こんな感じの地方に出向いての艦艇一般公開はけっこうあちこちであります。各県の地方連絡本部のホームページに年間の予定表が出ていたりしますので、それらを見て機会があれば一度行ってみてはいかがでしょうか。