江田島 第一術科学校卒業式 便乗見物 2015
このページでは卒業式の為に江田島湾に集まった艦艇の写真を紹介しています。撮影は式の前日です。
卒業式そのものの写真や当日の情景写真はありませんのでご了承ください。
今回は珍しく最新の話題です。2015年3月21日(土曜)、呉の西側にある江田島の海上自衛隊第一術科学校で卒業式が行われました。その予行に便乗する格好で艦艇や航空機を見物できました。 筆者は関係者でもなんでもないのでもちろん式には行ってませんし、開催も知りませんでした。しかし運がいいことに、江田島島民の知人と呉在住の知人が「なんか金曜休みでかぶってるから木曜飲むべ?」とか言ってきて、19日に江田島で飲んで泊まっていたのです、でもって翌20日の朝(てか昼前)になって島内を移動してたら「船いるじゃん。」となったわけです。どうも予行とかのために先に来るっぽいですね、全然知らんかったよ。呉で在泊艦撮って帰る気で一眼を持って来ていたので撮りまくったから、せっかくなんでアップしようって寸法です。
とりあえず上写真は小山の上から見渡した江田島湾全景と在泊艦船と手前に自衛隊の施設(警備犬の訓練所とか?)が写っています。
まずは最初の写真のアップから。今回は一眼の望遠で撮ってるのでいつもより寄れてます。船がいる場所は第一術科学校のまん前の狭い江田島湾で、ご存知の方も多いでしょうが呉・江田島周辺では戦時中にたくさんの軍艦・民間船舶が空襲で沈められており、ちょうど護衛艦がいるあたりでは軽巡洋艦の”大淀”が大破転覆しています。ただ艦体は後に解体されたので海底には何も残っていないはずです。大淀に限らず、艦艇戦死者の方々のご遺体の多くが江田島周辺に漂着し荼毘に付されたと言います、そして現在では島内や呉にはいくつかの慰霊碑が建てられています。
左写真は上の続きで、右写真は違う場所から。護衛艦がほど良く距離をとりつつも集結しているという写真は撮りやすいわ見てて映えるわの胸熱状態でした。詳しい方なら左写真で呉には居ない船がいることに既にお気づきでしょう。個別の艦名と写真はこの後まとめて出しますよ。一眼の望遠を使わなくても、近い海岸からだと右写真より少し大きく艦艇が見られる状況でした。で、気付いた人はエライ!ってのが後部甲板の白い物でして、5隻の内3隻がSH-60J哨戒ヘリコプターを積んでいました。これら護衛艦は普段入港する時にはヘリは基地に飛ばして帰しているので、積んだまま在泊することは普通はありません。地元のおじいさんいわくこの朝に飛んで来て着艦したっぽい。
左写真、岸壁との間をいったりきたりしていた交通船の一隻。自分が見たのは11時前後の時間だったのですが、何隻かが行ったり来たりしてました。艦上には普段の作業着の他に正装の方も見えましたので、何かしら予行をしてたのかなーと思います。右写真、かき筏と護衛艦。これはもう江田島ならではと言っていいんではないか?と思う光景です。呉港だと当然港内には筏は無いので、呉ではこんな光景は見られません。ただちょっと艦艇がわかりにくいですねコレ。
また別の場所から術科学校と一緒に写した左写真。真ん中の灰色の建物が卒業式を行う大講堂で左の赤っぽいのが資料館的なとこだったと思います(確信なし)。ほんと学校から艦艇まですぐそこな状態です。右写真、海側から見た術科学校です。拡大しないとわかんないかもですが、真ん中らへんに写っているのが引き揚げられた戦艦”陸奥”の主砲です、その足元が駆逐艦”梨”の4連装魚雷発射管で、足元左に駆逐艦”梨”の単装高角砲があります(小さすぎて見えんけど)。この写真を見て気付いたのですが、陸奥の主砲の下に昔の軽巡の14cm単装砲に似た感じの大砲風の物があるんですよね、2014夏にここを見た時は無かったので何なんだろうかと。写真で見る限り作りが適当で14cm単装砲ってことは無いので、卒業式に使う礼砲の類かな?って思ったんですが真相はわかりません。知ってる方いたら教えてね。陸奥の主砲の左には抜き打ち訓練で有名なカッターが多数あります。
2015/04/05追記
この謎の大砲について、2015/04/03の中国新聞朝刊の地方記事で報道されていましたので追記します。新聞から一部引用しますと、この砲は「日露戦争時に旧海軍の戦艦に、第2次世界大戦ではサイパン島の砲台に取り付けた大砲2門の展示を始めた。」だそうです。一般の方が所持していたものを高齢のため寄贈されて、術科学校で補修して展示したそうです、2門あって校内2ヶ所に分けて設置&展示とのこと。
礼砲の類?っていう雑な見立ては見事にはずれましたが、砲の存在については新聞より先にサイトに記述したわけで、中国新聞より先にやってやったぜえっへんと勝手に自慢することにします(笑)。
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ここからは、写真2枚パターンじゃなくってギャラリーにして、個艦ごとに一気に写真のせていきます。クリックしたら大きくなって、矢印マークで連続して見られるはずです。
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まずP-3C哨戒機からです。(いきなり艦じゃない…)
この日(20日金曜)の11時前後、江田島湾の上をP-3Cが数回パスしていっていました。卒業式の予行だと思いますが、20分おきくらいに飛んできていて、一回だけ撮影できるタイミングで飛来したのでその時の写真です。西能美島の更に西くらいの海上から倉橋島のあたりまでをグルグル回って、時たまコースに入ってバンク振りながらローパスして上昇離脱っていう動きをくり返していました。パスのコースは江田島湾上を南から北に抜ける感じです。大型機ですが動きは軽く、パタパタと翼を振ってから景気良く上昇していく様は「かっちょええ」の一言です。
たまたま声を掛けられた地元のおじいちゃん(家が島の南のほうなので今回始めて見たそうです)いわく、大きいのは朝から飛んでいて、朝にはヘリが護衛艦に着艦していたそうな。そしてそれを撮りに来ていた人も何人か見かけたそうな。ついでに昨日の夜には護衛艦は来ていて、電飾をしてたそうな。朝には島内放送で色々と説明をしてたけど忘れたそうな。思いっきり今日(金曜)が卒業式みたいですよって説明しちゃったんですが、正しくは土曜でした。おじいさんゴメンよ…、明日(土曜)に孫が遊びに来るけど船が居なくなってたら困るから言わずに黙っとこう!って言ってたけど多分見られてるね…見られてるはずだから勘弁してね。
話がそれましたが、もう少しそらしておくと、写真は撮れてなくって車を運転しながら2回ちらっと見ただけなんですが、腹にコブがついてて尾が短いP-3も見ました。一瞬なんで誤認の可能性は無くもないですが、目はいいほうなんで多分見間違いじゃないはず…EPかUPか詳しくはわかりませんが、写真のP-3Cとは別にもう1機いたはずです。写真の機と入れ替わる感じで、最初は腹コブつきが飛んでてその後はずっとこの子でした。あとついでに、護衛艦に載ってたSH-60は写真で確認したところ全部J型でした。自分は発着艦を見ていないですが、帰る途中に島の上を1機飛んでいるのを見たので多分発艦も予行したんじゃないでしょうか。
写真のP-3については、尾翼に1とあるので鹿屋基地の第1航空隊の機体で機番は5027です。右の脇腹になんだかわからないポッド的なものを吊るしています、軽く調べてもわからないので省略。また主翼の先端らへんにはパイロンを付けています。背中にコブがあって機首下部にカメラ(?)があり、最新版ってとこでしょうか?あんまし詳しくないので詳しい方は自力でマニアックなポイントを探してみてください。
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続いて本命の艦船です。この日に江田島湾で見たのは護衛艦と練習艦計5隻で、
104きりさめ(佐世保)、144くらま(佐世保)、132あさゆき(佐世保)、152やまぎり(横須賀)、3513しまゆき(呉)
(カッコは定係港)でした。このように呉の艦艇でない艦ばかりだったのでウハウハでしたよ、”くらま”とかまともに見るの初めてですし。他にも術科学校の北寄りの岸壁に雑役船(たぶん)が居ましたが流石に遠すぎて判別は無理でした。今回、江田島湾の地形的に各艦を障害物が無い状態で多方向から撮影できるという好条件でしたのでなるべく色々な方向からの写真をアップするようにしています、もっとも撮れてない角度のほうが多いですが…。同じ日の写真で複数アングルからってのはなかなか珍しいと思うので、模型で現行状態を再現とかいうときに参考になれば幸いです。天候は薄曇りだったので色味には注意してください。
とりあえず、104″きりさめ”から。むらさめ型4番艦です。この”きりさめ”が一番撮りにくい位置に居たのでちょっと写真が悪いぞと。
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続きまして、144″くらま”、しらね型2番艦です。1981年就役の老齢艦で、”いずも”型の配備によりじきに引退するでしょうから見られてよかった。この型は呉にはいませんので見られないんですよね。甲板上に正装の人が見えるのが確認できるでしょうか?
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続きまして、132″あさゆき”、はつゆき型11番艦です。1987年就役ですが、ずっとDD籍のまま頑張っています。”ゆき”型は呉ではよく見ますが、3ケタ番号だとちょっと新鮮な感じです。
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続きまして、152″やまぎり”、あさぎり型2番艦です。2004年~2011年は練習艦籍になっていて、その間は呉に居た艦です。今は護衛艦に戻っていて、経歴が複雑な船です。1枚えらい遠い写真は全体説明用っぽいけど面倒なんでこのままで(汗)。
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続きまして、3513″しまゆき”、はつゆき型12番艦です。1999年から練習艦籍になっていて、呉ではおなじみの船。艦尾に正装した人影が多数見えます、予行でしょうか?あと、左舷後部にオレンジ色の水上標的を載せています。コレ呉に何個か置いてあるんですが、こうやって積んでいくんですね。
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はい、写真はここまでです。
右左の写真があるのでいくらか参考にしてもらえるかなーっと思います。一応繰り返しますが、全部2015/03/20の写真です。翌日の21日に卒業式をして、卒業生を乗せた後は出航してると思います。練習艦”かしま”には乗せないの?って思いましたがよくわかりません。多分テレビでどこかが特集とかするでしょうから、卒業式の細かいことはそちらで調べてみてください(丸なげ)。
来年狙ってやろうという方向けに一応アドバイスです。今回、あんまし調べてなくて適当なので、ぽいぽい教信者みたいになっています、適当に見てね。
・毎年3月21日が卒業式本番っぽい?(←追記:そーではないっぽい)
・前々日の夕方~夜に艦艇が到着して、夜間は電飾するっぽい
・前日は航空機を含めて予行するっぽい、朝にヘリが着艦するっぽい
・前日なら周辺の警備は普通っぽい、交通量も普段通りっぽい
・卒業式は夕方までには終わるので、そしたら出航しちゃうっぽい
・島内はけっこうあちこち駐車できるけど、絶対に迷惑駐車しないこと!地元車優先!
・狭いところもあるので、土地勘が無い場合は自転車も検討したほうが良いです。湾内を回って撮るだけならそのほうが楽かも。ただ呉のレンタサイクルで島に行っていいのかは分かりません、自前がベスト。
ここまでやっといてなんですが、卒業式はあくまで卒業生やご家族の為にあるもので、マニアのための艦艇公開イベントではありません。もし行く場合はそこんところはわきまえて行動しましょう。式の当日は避けるべきだと思います、自分はどうせ学校近くでは交通規制してるんだろうけど通り道だし行ってみるか、ダメなら帰るし→すごくいつも通りで混んでもない(前日だから当然だった)という状況でした、多分本当に当日に行ってたんならこんなに悠長に見物できてないと思います。式の邪魔をしないというのと、自分がのんびり見物する為に、行くんなら前日に行って艦艇と予行してる航空機だけ見るようにしましょう。地元の方の邪魔になるような行為もダメ絶対です、私有地に勝手に入ったりしないように。ここなら邪魔にならない、たとえバズーカ振り回しても人がいないから不審じゃないって場所を探して静かに見物しましょう。地元の方が散歩がてらに見物したり写真撮ってるのと同程度であれば怒られることは無いと思います(むしろ呑気に世間話したよ)。
最後に、このたび卒業された未来の船乗りさん達の航海の無事を祈ります。帽振れぇぇー (・ω・)ノ~