補給艦 とわだ 見学 in 呉
今回は結構前の話になっちゃいますが、こないだ呉基地のまとめ記事を書いた時に呉での”とわだ”公開はあまり無いっぽいと気付きまして、せっかく写真持ってるので書いてしまおうと思った次第です。
2011年10月9日、海上自衛隊呉基地での日曜日艦艇一般公開に行きました。この日の担当艦は補給艦”とわだ”で、”とわだ”型補給艦の1番艦として1987年に竣工しました。艦隊での補給任務を行う艦なので武装はほぼ無い(機関銃だけ)ですが、基準排水量8,100tと”たかなみ”型などの護衛艦より大きな艦体は迫力があります。三姉妹のうち呉には”とわだ”のみが所属しており、桟橋に居ない事も多いですが居れば大きいので道路からでも発見できます。
この日は10時からの見学に行ったんですが、朝焼けっぽくなって少し船体が暖色よりに写っています。プラモの塗装見本とかにする場合はご注意を。
この日は北側のEバースの先っぽのほうに”とわだ”が居て、向かいには”しまゆき”が居ました。”とわだ”は船体が長くて桟橋から全体を捉えるのが難しかったので、ちょっと半端なアングルの外観しか撮れてないのですよ。補給用設備のごてごて感が外からでもわかります。この日は呉での日曜公開では珍しく艦橋構造物の上と艦橋の中も見学できましたので、お徳でした。
“とわだ”の艦橋前です。何がなんだかわかりませんが、ガスボンベのような物やら巻揚機ぽいものやらがごちゃごちゃとあります。右写真も前のほうにあるクレーンの類で、灰色一色の艦の中でここの黄色とかあちこちのハンドルの赤とかアクセントになるので、プラモで作る場合は再現するといいかも。ちなみにでかい丸で隠した人物は同行の友人です。
アオリで見た艦橋です、すごく四角い。スピーカー(?)やらカメラやら足場やらで物が多くていかつい印象。給油ホースは非常に目立つんですがプラモだと無いので追加で再現したいところです。ポストの柱には緑のラインが入ってます。ご覧の通りすんごい手すりや梯子があるので、エッチングで再現とか考えたら地獄になると思います。
前甲板に積んであった防舷材で、桟橋や他の艦に横付けする時に間に挟むクッションです、大型艦の場合は大きいのを複数常備してるみたいで、小さい護衛艦だともっと小さいのを何個か積んでいます。ヨコハマタイヤ製で灰色でした、これ何種類かあるっぽくて輸送艦”くにさき”のなんかは黒くてタイヤを多数追加で付けたものでした。
右写真、補給用設備に混じってアスレチックみたいな謎の柵がありました。安全用かな?
左は前甲板の前のほうから見た艦橋側です、もうごっちゃごちゃ。この日は乗組員の方があんまし立っていなくて、かなりフリーダムな感じで見てたんですが、あちこちにバルブやらハンドルやらあって、イタズラとか心配ないのかなーとこちらが心配になるくらいでした。右写真は艦橋の上から見た前甲板です。くどいですが、ごちゃごちゃです、プラモで再現とか考えたくないです、これ見に行く時は写真いっぱい撮ってプラモで再現だーとか思ってたんですが、実物を見て素組みを決意しました。
艦橋構造物に上がって来ました、外のラッタル(急な階段)でがやがやと上がります、こういう場合があるので見学の際はハイヒールとかサンダルとかはダメ絶対です。左はチャフの後方にある12.7mm機関銃用の銃架です。機関銃は艦の兵装ではなく小火器の扱いで、本体は普段は艦内に格納されています。”とわだ”は他に兵装が無く、CIWSを後日装備ってことで就役しましたが、結局装備されないまま現在に至ります。この機銃の位置が高性能20mm機関砲ことCIWSの装備予定地だったように思うのですが、高性能自衛官とM2機関銃を搭載して代用するってことでしょうか?(んなわきゃない)
右写真は艦橋の真上で、アンテナの類がいっぱい集まってるとこです。大小いろいろあってハイテクっぽいですが、中にはNTTドコモのシールが貼られたものもありました、普通に携帯用かと思います。レドーム形に混じって八木アンテナもあります。
左写真、後甲板から見た煙突の付け根のところ。”とわだ”はヘリを搭載はしませんが発着艦はできて、指示は写真の窓のところから出します。窓の上にある白い横棒がヘリが発着艦時に目印にする装置です。パネル展示で震災時の活動を説明してありました。右写真、ヘリ甲板では記念撮影用にパイプイスが出してあり乗組員の方が案内していました。”とわだ”はなんせ体が大きいのでヘリ甲板も大きく、MH-53Eなどの大型ヘリも発着艦可能です。
左写真、艦橋構造物上にあるチャフ発射機です。チャフとはよく映画などに出てくるレーダーなどを撹乱する装置で、アルミ繊維とかが詰まった筒を発射&空中で爆発させてバラ撒くものです。艦艇に積んでるコレは基本的にミサイルが飛んできた際に発射してミサイルを明後日の方向に逸らすのに使います。右写真は艦橋のすぐ横で、双眼鏡と信号燈(?)があります、ここの屋根はキャンバスです。
来ました艦橋です。この日は珍しく艦橋にも入らしてもらえたわけで、広報の方も「艦長のサービスで開放されます、珍しいのでしっかり見て帰ってください」てなことを叫んでおられました。当然ながら人の顔が写りまくっちゃってるので丸だらけですがご勘弁を。左写真の茶色のイスは隊司令が乗艦した時に使うイスで、艦長席は写真奥の右舷側にあり、赤色のカバーがしてありました。右写真の緑の服の子の頭のとこにあるのが艦長席です。お座りOKだったので皆さん座って写真とってました。自分らも座って沖田艦長ごっこしました、”バカめと言ってやれ”のシーンをやると燃えます。この日は案外と人が少なかったのでそれほど混雑してないです。
“とわだ”の上から見た練習艦”しまゆき”です。”とわだ”はもともと背が高く、しかもこの日は上まで上がっているので比較的小さい”しまゆき”を見下ろすようにして見ることができました。煙突って上は結構ごちゃごちゃしていて、そこそこ汚れているのがわかります。
“とわだ”の見学を終えて、桟橋の付け根に居た輸送艦”くにさき”です。この艦も大きいので近いと全体を写すのが難しいです。”くにさき”ら輸送艦はこの位置に繋留してることが多いように思います。ここの岸は結構広くて大型トラックも複数駐車でき、災害派遣の訓練やらPAC3の輸送訓練やらでの積み込みをここで行うので、広島の地方ニュースではたまーに見る光景だったりします。
よく見るものと珍しいもの。左写真は南側桟橋に居たおなじみの”あぶくま”型護衛艦です。2014年の桟橋の工事で今後はわかりませんが、今までは大抵この位置に居ました。右写真は護衛艦”ひえい”で、”はるな”型護衛艦の2番艦です。この艦は2011年3月に除籍(引退)されていて、解体されるのを待っている状態です。写真の10月時点では装備がいくつか取り外されており、主砲の砲身とCIWSとシースパローが無くなっている他、救命筏も無くなっています。艦体の塗装もずいぶんと痛んでいて、艦番号の142も消されています、護衛艦旗も掲揚されていません。役目を終えて佇む姿は哀愁を感じさせます。”ひえい”は就役期間36年3ヶ月と歴代海自艦艇で最長の活躍をしており、晩年の定係港は呉でした。別の記事でもちらっと書きましたが、呉ではこういった退役艦がしばらく繋留されていることがあります。自分ではちゃんと見てないですが、”ひえい”も結構長いこと解体されてなかったようで、解体に着手されたのは2013年に入ってから江田島でされたみたいです(ネット情報)。
というわけで、ちょっと情報が古いですが補給艦”とわだ”でした。”とわだ”は結構な高齢ですが延命工事もされますしまだ当分は呉で見られるかと思います。兵装が無いからって見ごたえが無いわけではないので、日曜一般公開の対象になっていたら見学に行ってみることをオススメします。