ワンフェス&同人ディーラー の始め方1

ワンフェス&同人ディーラー の始め方1

このページでは、ガレージキットの販売イベント「ワンダーフェスティバル(ワンフェス)」を中心に、コミケなどの同人イベント全般についてこれからディーラー(販売する側)になりたいという初心者に向けたアドバイスや始め方を適当に解説します。

今いるページが最初に読んでほしい概要の説明です。量が非常に多いので5つにページを分けました。その2その3はワンフェス(ガレージキット)についてのみなので、同人誌の人は飛ばして大丈夫です。以下、目次兼リンクです。このページから行ったり来たりして見てください。

筆者はワンフェスでスケールもの(戦車とか)のガレージキットを製作販売してる三十路のお兄さんです。アニメは見なくはないですがコミケとかは行かないので、そのへん適当なこと言ってると思ってください。

!注意!この記事は2018年4月に書いたものです。ワンフェスの状況は特にコロナによる休止の後でかなり変わっているように思われますので注意してください。運営の個人ディーラー軽視路線により厳しさが増しているように思います。

*その1の目次*リンク
*ワンフェス&同人イベントディーラー 概要と心構え
・サブカル界隈の概観
・最初に考えて欲しいこと
・ワンフェスの現状
・知っておこうね裏の話(ワンフェス)
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*その2の目次*リンク
*ワンフェス 原型・複製・3Dプリントの始め方*
・原型の製作
・3D CADと3Dモデリングソフト
・3Dプリンタ、外注プリントサービス
・何すればいいの?いくらかかるの?
**

*その3の目次*リンク
*ワンフェス 複製やデカールのやり方*
・シリコン型取り
・レジンで複製
・デカール作成
・その他の特殊部品について
**

*その4の目次*リンク
*ワンフェス&同人ディーラー 輸送・展示・通販の始め方*
・梱包と輸送について
・展示について
・通販について
・著作権や各種法令について
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*その5の目次*リンク
*ワンフェス&同人ディーラー HP・ブログ・SNSの始め方*
・マーケティングの概要
・ツイッターとかSNSについて
・写真のコツ
・HPとブログの概要
・HPの作り方詳細
・閲覧数を増やすには&検索に強くするには
**

ついでに、2015年に作った似たような記事のリンク(同じ窓で開きます)
古いのでけっこういい加減です(今回もだけど)。

****ここから本文です****

*ワンフェス&同人イベントディーラー 概要と心構え*

いきなりですが、実用記事ではなく精神論・お説教から入ります。実用的な話だけ読みたい場合、ワンフェスは2~5を、同人誌なら4と5のみを読んで下さい。

同人をやろうと思い立った時ってのは浮かれてしまってるものなので、まずは冷静になってやる/やらないを考えてもらいたいと思います。旅行は計画してる間が楽しくて行ってみたらクソだった、なんてあるじゃん?同人の場合はお金を出して買って頂くわけですから、ただクソだったでは済まされません。自分が後悔するのは構いませんが、購入者が後悔するような状況は避けねばなりません。ついでに黒歴史が残って笑って済まされない可能性もあります。ともかく一度冷静になって、他人の説教も聞いてみましょう。

以下、項目ごとに折りたたんでいるのでクリックして展開して読んでください。PCで見る用に作ってるのでスマホだと見にくいかもしれないです。拡大して頑張ってちょーだい。

・サブカル界隈の概観

まず、アニメやミリタリーといったサブカル界隈の概観を独断と偏見で考えてみます。何でそんな事が最初になるのかと言うと、「楽観視しすぎちゃう人が多いから」です。要するに、そんなに明るいもんじゃねーよ、って釘を刺しておこうかなと。厳しい言い方をすれば、この項目と次の項目で心が折れるぐらいならディーラーとかやらない方が身のためだと思います。

先にこれだけは知っててほしいのですが、もしあなたがディーラーとか絵師とかするようになった場合、ここに書いてあるような分析や批評は自身で思ってても絶対に表に出してはいけません。筆者は気を悪くされるの覚悟でこういうこと書いています。サブカル界隈の人の傾向として自分達の界隈について、批評される・分類される・分析される、といったことを極端に嫌います。批判でなくても分析して批評しただけでも極度に嫌う人が多いし、~界隈と括られるのも嫌います。別に一括りにして同一視しているのではなく、あくまで”傾向”として扱っていてもその辺の区別なしに怒られる可能性が高いです。なのでここに書いてあるような事は自分では書いちゃダメだぞ。

ーーー

昨今、アニメなどのサブカルものに対する世間の目が和らいで、かなり受け入れられるようになってきました。それでアニメめっちゃ人気やん、需要あるやん、ディーラーいけるやん、って思うのも無理はないですが、そうでもないよと。以下、ネガティブな部分だけを箇条書きします。これ読んでちょっと冷静になってみて。独断と偏見なので異論は認めます。

ひらく

・若年層のアニメ視聴は減ってないか?
今のアニメ界隈の顧客層は1970年~1990年生まれ、2018年時点で20代後半~40半ばくらいの人が中心でしょう。その下の世代になると夕方の全国放送でのアニメが減っており、学生時代にスマホを持ったことでLINEなどに流れたため、アニメを見ない(てかテレビも見ない)世代・スマホゲームしかしてない世代になってきます。

・オタク=結婚しないではない。
オタクだって40までに半分は結婚するよ。でもって結婚したらアニメやプラモから離れる人が大半です。ってことは、上記の顧客層は徐々に減っていく可能性が高い。そして下の世代の流入量が減れば全体数は減る可能性も出てくるわな。ついでに、周りのオタクが結婚していくなかで自分が独り身で同人やってくのグっとくるわーとかなっても知らないぞと。

・SNSの普及に伴う受け手の質の低下。
SNS、特にツイッターの普及により、「自分の好みにあった意見」「同じ界隈の人の意見」ばかりを集めて浴びることができるようになりました。ツイッターをつつけば深く考えなくても「自分の意見・好みは正しい」「自分の好きなものは人気がある」という風に感じられます。無論、ネガティブな意見だって探せばたくさんあるわけですが、普通は探さないわな。
このため、受け手側の審美眼というか、映像にせよ造形物にせよ作品をきっちり見て評価する能力というのが急速に低下しつつあるように感じます。自分で評価するよりも、OOのフィギュアというだけでSNS上で好みが同じフォロワーと片っぱしから褒めそやして、OOはやっぱ覇権やな!みたいに同調していくほうが手軽です。そのために同人制作物をダシに使う人が増えた気がします。うがった見方かもしれませんが、それほど「制作物を見る」のではなくアニメ・キャラクターの名前だけ見る人が増えたように感じる今日この頃なのです。
なので、ポジティブな評価が来たとしても、それが制作物の良さから来てるのか元の作品の人気からなのか、ただの社交辞令なのか、そのへんを作者は冷静に考えないといけないぞと。

・ツールの進化と腕の有無の誤解。
デジタルツールや3Dプリンタが進化して更に安価になったことで、誰でも簡単に一定水準で2D&3Dの制作物を作れるようになりました。おかげで便利になったんですが、「ツールがすごい」「ツールの扱いができてる」「作者の表現力・感覚がすごい」「真似できる・できない」、といったことが全部ごっちゃになってる人が多いように思います。

例えば、プラモを作るのに筆塗りからエアブラシに変えたらめっちゃ綺麗に上手く塗れて感動した、なんて経験ないですか?これは自分の腕じゃなくてツールの能力だって誰でもわかります、この延長ってことね。描画ソフトがあれば少しの練習で大半の人は簡単なコマ割りやトーン貼りをして漫画のような物を描けるはず、3Dも一緒ね。でもツールの使い方を覚えて”漫画っぽい物”が描ける能力と、自分で考えてオリジナルの漫画を描く能力、表現力や創造力といったものは別の次元でしょう。
そこんとこをごっちゃにして、ツールの使い方を覚えただけで俺すげーしちゃう人が増えてねぇか?って気がします。もし自分が”クリエイター”とか”作家”みたいな創作力や表現力を競うべき肩書を名乗りたいなら、そこの違いに意識しないとね。

・他人のフンドシ借りてるってことは忘れるな。
はいこれ、一番怒られそうなこと言ってみる。既存のキャラクターを使って同人誌を作るなら、中身の話を自分で考えていようがそれは「他人のフンドシ借りて作ったもの」だということは自身で肝に銘じておくべきでしょう。絵とか筋立ての上手い下手に関係なく、「オリジナル作品」と「版権利用作品」とでは同じ”漫画”だとしてもやってる事が全く違います。二次創作も創作活動ですが、立ってる土俵が違うわな。別にどっちが上というものでもなく、やりたい事をやればいいと思います(許される範囲でな)。
ですが、やってる事がまるで違うのだから「版権物同人誌を描いた」からといって「商業誌の作者やオリジナル同人の作者と同じ土俵に立ってる」と思わないでほしいなと。そこをごっちゃにする人って伸びないぞ。

これはアニメ以外のスケールもの(戦車とか)にも言えることで、結局はその戦車の人気や知名度を借りてきてるわけです。自分でデザインしていく彫刻なんかとは違うわな。そのへん肝に銘じて、売れたら元の人気のおかげ、売れなかったら自分の実力不足ぐらいの気持ちでいましょうね、と。

・”作る側”を目指す人間は絶好のカモ
これは昔っからで、サブカル以外でも普通にあること。プラモなり漫画なり、商品を買う側よりも同人や趣味でそれらを作る人・売る人のほうが基本的に金離れが良いものです。投資のつもりで金使うからね。新しい道具とかついつい試してみたくなりますし、道具はだいたい単価が高いです。親切に便利な道具を適価で出す企業もあれば、適当に触れ回ってガラクタを高く売る企業もあります。
OOスクールの類もわかりやすい例です。免許や資格が必要なものは別として、カルチャー系の専門学校などは昔から「カネでコネを買うために行く場所」なんて言われます。本気で業界人を目指すなら、別にそれでもいいと思います、たぶん早道です。コネを買ってでもってっぺんとったらー、みたいな覚悟がないなら金の無駄だよ。真面目にできる人ならば、技術的には個人でも1年やりゃぁ身に着くよ。逆にそれが出来ない人はスクール通っても上辺しか身につかないと思うよ。

・業界の規模なんて信用するな。
アニメ業界の規模**億円!経済効果*億円!増加中!みたいなのありますが、あれアテにならんものも多いよ。あの手の数字は管理しやすい業態のものだとそこそこ信用できます、プロ野球とかそう、チケットやグッズや交通機関の利用料は正確な数字をもらいやすいからね。”アニメ業界”みたいな曖昧かつ人気商売の場合、勢いがあるように見せてライセンス料とか吊り上げたがってますからこの手の数字はアテになりません。本当に規模は増えてきてるのか?異業種からの新規参入者をカモにしたくて盛ってないか?ぐらいの見方は必要かと。人気だからと新規参入したら、カモは自分だったってことにならないように。

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・最初に考えて欲しいこと

厳しいことを言ってみようその2。同人を始めてみようかなって時に、これくらいは考えてからやったほうがよくない?ってことを書きます。ワンフェスのガレージキット(ガレキ)を中心としつつ、同人誌にも言える部分は合わせて触れていきます。

・ガレージキット、同人誌として販売する必要があるのか?
いきなりのそもそも論です。自分が何の為に作るのか?をまず考えてみてください。
ガレキの場合。”キット”である必要がありますか?1品もののスクラッチで、ツイッターやイベントで見てもらうのではダメですか?ワンフェスは展示のみでの当日版権もあります。見せる場が欲しい、ワンフェスで展示したいだけならそっちでもいいのでは?”キット”として作るのと1品モノでは作り方も難易度もコストも違ってきます。キットであれば購入者に対する最低限の製造責任も出てきます。完成品でもないので、そのキットを買って作りたいって人が居て初めてキットにした意味が出てきます。2~3個しか売れないなら極端な話、自分でスクラッチでそんだけ作って塗って売ったほうがマシかもしれません。このへんのことを、いっぺん考えてからやらないと、レジン缶やシリコン缶に囲まれながら後悔することになりかねません。

同人誌など2次元やデータの場合、同人誌としてイベントで売る必要がありますか?ツイッターやpixivで公開するのみじゃダメですか?。もちろん原作の著作権上、あんまし大々的にバラ巻くのはまずいんですが、普通に黙認されてるレベルなら問題ないでしょう。「好きなアニメの二次創作したい」「見て欲しい」ってだけなら別にイベントで売る必要性はありません。とゆーか、コミケだとルーキーの卓なんて回ってる余裕なくって気づいてすらもらえない可能性が高いでしょう。ツイッターで絡んでる人ばかりが買って10冊そこらしか出ないなら、もうツイッターでよくないですか?。やはり紙で欲しいって人もけっこう居ますが、その人のために身銭切って参加費払えますか?という問題も出てきます。

不特定多数に見せることでストリート的な武者修行を…、という考えであれば、ツイッターとかイベントとかは逆効果です。肯定的な意見しか送らない風習のある場所でそれをやっても意味ないよ。ストリートで鍛えるってのは自身に全く興味の無い、趣味も年齢も違う人達を相手にして、全く何の評価もされないって状況から登っていくからこそ意味があるわけね。同じ界隈で固まりまくりのツイッターとかでやってもダメだぞ。本気で否定的な意見も出してくれる人に見てもらわないとダメだぞ。

・何の為に作るのか?

そもそも論その2。もはや哲学みたいだなコレ。
例えば、「好きなもん作って、ツイッターで人気になりたい」だった場合、イベント参加する意味ある?たしかにイベントにディーラー参加してますってだけでスゴイ~って思う人はそこそこ居ます。けど「ディーラー」って肩書を得るためにイベント出るの勿体なくね?参加費高いよ?その参加費を送料に使って無料配布したほうがフォロワー稼げんじゃね?。ついでにツイッターだとアニメの人気が移って作るもの変わったらあっという間に客が入れ替わるかもよ、その度に手間かけるの?

「好きなもん作って、HPやブログの閲覧数を増やしたい」だった場合。少なくともガレキの場合、やめたほうがいいよ。ガレキを作ろうと思うとすごい手間がかかるので、プラモ作る時間がすごく減ります。スケールものならその時間と金で新作プラモの製作レビューでもやったほうが遥かにアクセス稼げます。版権フィギュアの場合、そもそも立体より絵にしたほうがアクセス稼ぐのに効率いいです。立体でやるにしても既存のフィギュアや可動フィギュアの改造とか合成写真的なのを複数上げていったほうが稼げます。ガレキは一つの完成までに手間がかかりすぎて効率は最悪です。
同人誌の場合はちょっと判断しづらいですが、HPやブログという場が既にあるのであればイベント参加する前にそっちのコンテンツを工夫してしっかり足場を固めたほうが早道じゃね?って気はします。

「好きなもん作って、OOクリエイターとか作家的なポジションを演じたい、絵師とかと同じ土俵に立ちたい」だった場合。そんな動機ならやめとけとしか言いようがないです。ディーラーって肩書をゲットすれば何かすげぇとか思わないでください。この手のディーラーとか沼の底のヘドロみたいなもんです、助からないヲタク末期患者です、社会的に要らない子です、自分で書いてて痛いよ。そんなんなってどうすんの?。確かにディーラー=100%すげぇ人ら、って程度の認識の人はある程度は居ますが、そんな見る目ない人に持てはやされてどうするの?なんだかんだ言っても、見てる人は見てます。適当な動機で適当なもん作っても見透かされるのがオチだぞ。

キット販売のガレキと完成形での販売になる同人誌で事情が異なりますが、ガレキであれば「キット化・立体化しそうにないものを作って、他の人にも分けてあげたい」「通常と違う衣装やポーズで違った魅力を提供したい」といったものが、動機として多くあるかなぁ&妥当かなぁと思います。
同人誌の場合はデータ供給ができるのでより動機づけが難しくなりますが、「店舗取り扱いもして広く読んで欲しい、そのための実績作りにイベント参加」「ツイッターなどで検索されないような尖った内容と現物のインパクトで勝負したい」「好きなアニメのものを合同で大きくやって目立たせて盛り上げたい」とかかなぁと。いやまぁ、お前は同人誌やってないんだからデカイくちきくんじゃねぇって言われりゃそれまでですが…。

・どれだけのリソースを割くか?割けるか?

ガレキにしろ同人誌にしろ、制作にはすげぇ時間がかかりますし、特にガレキだとけっこう金がかかります。時間と金銭のリソースをどんだけ注ぎ込むつもりがあるのか?可能なのか?を考えましょう。時間が取れないのに理想だけで無茶をしても良いものはできません。
ガレキとか同人誌が好きだけど時間が取れないのであれば、自分がディーラーやるのではなく他の人が作ったものを購入することでジャンルを支えるというのじゃダメでしょうか?別にディーラーがエライとかスゴイなんてことはありません。作り手と受け手がいて初めて同人は成立するものです。金銭的リソースなら割けるってことなら、受け手に回ったほうが貢献できるかもしれません。そこんとこ考えてみて。

・新規じゃないとダメですか?
新規にサークルを起こすのではなく、既存のサークルに加わったり連合で参加するんじゃダメですか?もちろんこれは相手の都合がありますので自由に決められるものではないですが、一考はしてみるべきです。完全な新規よりは、既にある程度の顧客がついてるとこに混ぜてもらったほうが売れますし、下手なものは出せないという責任感から上達も早くなるかもしれません。何より、参加料を折半できれば互いに助かるかもしれません。ツイッターなどでしょっちゅう絡んでる相手が居たりもするでしょうから、言うだけ言ってみてもいいかもしれません。

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・ワンフェスの現状

推測や体感もかなり含みますが、ワンフェスの現状をざっくり書いてみます。けっこう前からですが、個人ディーラーにとっては厳しい状況です。中小メーカーについてもかなりなりふり構わず手段を選ばずって感じになってると思うよ。

なまじ参入障壁が低いために業者は増えましたが、モデラー自体は減っています。となると客単価を上げるしかないわけで、金離れのよいディーラーは絶好のカモです。業界の中には徒党を組んで初心者ディーラーをカモってる感のある企業もあるので十分注意してください。

ひらく
 
・入場者はだいたい4万5千人~5万人くらい。これはディーラーや招待客も含んだ数字、スタッフは含むか知らない。ディーラー+招待客でかなりの数になってるはず。

・体感で、「何かを買って帰る人」は全体の6割程、「ガレージキット(メーカー&個人)を買って帰る人」は全体の3割程、「個人ディーラーのガレージキットを買って帰る人」は全体の1.5割程。あくまで筆者の見立てです。

・つまり、「来場者」は多く見えても「個人ディーラーにとっての潜在顧客」はすごく少ないよ。多く見積もっても8千人は居ないと思う。しかも全ジャンル合計で。スケールものだと1,000人も居ないのでは?

・「個人ディーラーのガレージキットを買う人」の3割~4割くらいがディーラー入場した人(作者+売り子)。ジャンルによってかなりバラつくと思いますが、ディーラー同士(知り合いとは限らない)での売買がかなり多いです。特にスケールものや特撮ものは多い。版権ものも古いものほどディーラー購入が多い気がする。ただディーラーでも何も買わない人も多く、買う人が複数買ってる感じ。

・ディーラーの数は増加傾向、キットの質は3D造形により一番出来の悪いランクが減った、一方で出来が上位の層はさほど増えてない。ディーラーの平均年齢は順調に上がる一方だけど、若くてホイっと始める人も増えた。

・お客さんの年齢層は、「買う人」は30代以上が多くて、「買わない人」は若い人が多い。3,000円くらいまでなら若い人もひょっこり買うことがある。まぁ、ガレキの値段的にそうなるわな。

・初参加で、知りあいとか居なくて、一般的なガレージキットの女の子フィギュア、であれば1キット1回10個売れればよく出たほう。ただし、アニメやキャラクターの人気とメーカー製フィギュアの出るタイミングで大きく違ってきます。人気アニメだから出るとは限らず、競合するのがあるとわかんなくなります。1回で20も出れば大勝利です。2回目以降(再販)は周知具合にもよるけど版権ものは1/3以下にはなると思っておこう。

・MAX出ても40個。コネとかの無い個人であれば、どんだけ上手く作って周知もできて原作人気でタイミングよくっても40個が限度じゃないかと。50は厳しい、ワンダーショウケースで人気の版権作品でも100個でないからね。よほど強力な販促がでて、完成品販売ならばもっと出るかも?

・黒字の人は2割くらい???どこまで含むかで全然変わってくるんですが、原型制作コスト+生産コスト+参加費3万で考えた場合なら4割くらいかな?。1人ぶんの交通費と宿泊費を含めれば、首都圏以外からの参加者だと黒字は2割くらいになると思います。このへんの数字はみんな出さない、っていうか面倒なので自分できっちり把握してないのが普通なのでよくわかんないです。

・必然的に、首都圏の人が有利です。交通費と宿泊費が違うもの。超アバウトですが、ディーラーの4割・お客さんの6割くらいが首都圏+αの人だと思います。首都圏+αはざっくり、快速で山手線まで1時間半以内のイメージで言ってます。

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・知っておこうね裏の話(ワンフェスの話)

明るく勢いがあるサブカル界隈…って思ってる人もいるかもしれませんが、実際には後ろ暗い部分もかなりあるように思います。そこんところの、まぁ比較的明るい部分だけ少し書いておきます。ここに書いてるぐらいの事は常識って感じなので、別にいいでしょう。サブカルっていういか、アニメやミリタリー分野の制作会社・出版・放送・メーカー・問屋・その他諸々はなんやかんやでズブズブな関係にあったりなかったりで、本当の”裏”は調べたり噂すること自体が危ないので絶対に詮索しちゃダメだぞ☆ 最悪パターンだと日本国内で一番危ないタイプの人たちに触れる可能性すらあるかもしれなくもないぞ☆ヤっくんならまだいいけど多分もっと危ないほうだぞ☆

ひらく

・ディーラーダッシュは普通にある。企業エリアは規制されたが個人エリアはガンガン。最初からこれを見越してやってる企業ディーラーも居ると思う。

・主催者は事実上ディーラーダッシュを黙認してる。本気で対策しようと思えば手はあるだろうに、何もしてない。つーか海洋堂と交流あるディーラーもやってたよーな…。

・転売ヤーも普通に居る。自ブースには申し訳程度に中古プラモを並べておいて、バイトを雇ってダッシュで買って周り、買い終わったらすぐ帰っていくディーラーは見かけます。個人エリアに居るメーカーの限定モノ完成品が主な標的みたいです。

・完売=めっちゃ人気とは限らない。生産の余裕が無くて少なすぎたってことはある、それは仕方ない。ただ、わざと少なくして完売を出して人気に見せかけようって腹の人も居ると思う。通販アリのとこだと特にそう。

・いわゆるプロモデラー()勢とか自称勢みたいなのも居ます。何したいんか理解できんけど居る。まともなキット作らず、滅多に新作なく、年一くらいで決まった雑誌でライターしてワンフェス記事で毎回のように未完成のガレキを取り上げてもらってるからすぐわかる。そういった子飼いの自称勢を持ってるところもあるよ。

・プロモデラー()の場合みたいに、”どっちがどっちに金払ってんだ”ってのはちょっと疑ってみような。カネでコネは買えるからな。

・別にカネでコネを買っても良いですけど、そういうコネって大して効果ない場合が多いからたぶん損するぞ。本当に有効なコネは既得権益側と関係が深いとこにしか与えないよね。

・販売を代行しますよ、みたいな売り込みたまにあります。99%詐欺か実績もねぇのに適当なこと言ってるだけなので乗らないように。ちょっと迷ったら、過去2~3年ぶんの取引実績でも出させてみよう。こちらから販売代行を依頼する場合は”代行”(置いてもらうだけ)が基本で、むこうから言ってくるなら”買い取り”が基本な。むこうから誘っておいて”代行”のみ、要は返品自由って条件だと怪しいと思おうな。とりあえず30個回してください→売れなかったので29個返品します、とかやられたら困るでしょ?

・出版社やメーカー、問屋は派閥というかグループがあるからある程度は気にしておこうな。関わって大丈夫な相手なのか、後ろ暗いことしてそうかは何となく知っておこうな。

・ワンフェスの主催である海洋堂は、ぶっちゃけベテラン勢から信用されてないんじゃないかな~なんてゴニョゴニョ…。とりあえず、過去にファイブスター物語やウルトラマンで揉めたりしたからな。その他いろいろあったよな。てことで、海洋堂と距離を取ってる人とか企業もあるから気を付けような。信用できんけど他に行くとこがないからワンフェスに残ってるって感じ。

・模型業界で、小売りイジメとゆうか、仕入れの強制とか断ったら卸値のつり上げとかはあるんじゃねぇかなぁ…って。知らんよ?証拠なんてないよ?憶測として聞いてよ?。やってる勢力はあるんじゃねぇかなぁって。メーカーやら仲卸やらがくっついた特定勢力の新製品(ただの箱変えも含む)を仕入れないと、別のメーカー(これは絡んでない)の売れ筋商品を回してもらえない・仲卸で止められるってのがあるとかないとか知らんけどゴニョゴニョ。

・アニメとかサブカル界隈は、B to C の企業→個人消費者じゃなくって B to B 企業→企業(時に行政や財団法人)がメインだと思っとけ。良い製品やコンテンツを作って、それを個人消費者に気に入ってもらって買ってもらって儲けを出す、って考えは古いよ。それでいけると思っちゃダメ。
アニメとかの放送出版関連の現在のビジネスモデルは、「なるべく安く適当なコンテンツを作り、流行らせるとゆーか流行った事にするor流行ったと錯覚させて価値を吊り上げる、そのコンテンツ使用料で稼いで可能なら最後はコンテンツを丸ごと売る」という企業相手の商売だと思うよ。物販だと、個人消費者がDVDやグッズをいくつ買ったか?ではなく、メーカーから問屋や小売にどれだけ出したか?が大事です。協力関係にない問屋や小売でどれだけ商品がダブつこうが関係ない、だからなるべく人気を大きく見せて多く仕入れさせたほうが儲かるわけ。
企業同士や行政との取引金額に比べれば、個人消費者の購入金額なんてお小遣い程度でしかない、ってコンテンツも多いでしょう。更には、物やコンテンツを作るのではなく、”マーケティング”を代行する商売もあるわな、何やってんのかは聞かないほうが言いわな。

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