1/72  Yak-1 戦闘機  ブレンガン

1/72  Yak-1 戦闘機   キット/ブレンガン製  ソ連空軍第21戦闘機航空連隊 Tkachev機1942年Yak1_1<実機解説>
ヤコブレフYak-1は大戦中のソ連空軍の戦闘機で、大戦初期~中期に活躍した軽量小型の戦闘機です。1941年に量産機の配備が始まった機体で、まだ旧式のI-16などが主力だった所に現れた新型機でした。主翼と後部胴体はデルタ合板という木材の合板製で、重量はかさみましたが被弾に強いなどの長所がありました。Yak-1は機械的不良や操縦の難しさが問題となっており、「同じ仕様の機体は存在しない」と言われるほど細かな改良により個体差が激しい機種でした。ヤコブレフ戦闘機はYak-1から改良が行われ、Yak-3とYak-7が開発されてラボチーキン戦闘機と並ぶ2本柱となりWW2の勝利に大きく貢献したことから、始祖であるYak-1はロシアでは「最も偉大な戦闘機」とも言われています。

<キット解説>
チェコのメーカー、ブレンガン(BRENGUN)のキットで、2016年発売の新金型キットです。1942年型というほうを作っていますが、もともと明確な区別のない機種なので便宜上の名前です。たぶん簡易インジェクションですが、正規のインジェクションと比べても遜色のない感じにはなっています。1941年型は買っていませんが、どうも細部部品のランナーが丸ごと違うっぽく、特定の個体を作りたい場合は注意が必要。デカールは3種類ですが機番と模様の違いのみで、実質選択肢はありません。
基本的にプラ部品ですが、吸気口2個とタイヤがレジン部品、脚カバーと下面のパネルとフラップと計器盤とアンテナ支柱がエッチング部品です。もともと増槽とか無いので附属品は無く、クーラーの扉とかは全て固定で選択肢はありません。部品の合いは意外と良いですが、仮組みとすり合わせはしましょう。キャノピーと風防の部分は透明部品が少し前後に長いので、前後を接着してから中央のキャノピーを削って付けると綺麗になります。機内はよく再現されていますが、部品の取り付けがしづらいので注意です。完成後もけっこう見えます。
形はおおむね合ってるっぽいですが一番困るのが脚カバーの部品です。下のカバーが前側にはみ出すのが正しいですが、キットだと脚庫に合わせて上のカバーを接着すると逆に後ろ側にはみ出してしまいます。説明しにくいですが、エッチング部品ってこともあって、上下の脚カバーと脚庫の関係を完璧にするのはとても難しいので、脚庫との関係が狂うのは目を瞑って、下カバーをタイヤに付けた後で上カバーをそれとの位置関係が実機に近くなるように接着すると良いと思います。

Yak-1のプラモは1/48ではアキュレイトの良いのがありましたが、1/72ではイマイチ良いのが無い感じでした。従来だとAモデルのが一番でしたが比較的古いのと入手性と価格が問題でした。本キットも完璧って感じでは無いですが他のWW2最新キットと並べても遜色ないぐらいに仕上がるので、1/72大戦機モデラーなら押さえておいて損は無いと思います。

<作例について>
普段よりちょっと気をつけて作りました。部品の合いは案外良くって、パテは極少量で済んでいます。ディテールは元が木製なので少ないですが、排気管の上の4つの穴をはっきりさせて、スピナーの銃口を開けて、機首左の小さい窪みを追加しています。目立つ翼端灯が透明部品だったり、脚部のオレオがあったり、裏面のパネルが綺麗だったりする点が高ポイントです。そもそも細かい相違がわけわからない機種ですが、1941年型として分けている初期モデルとははっきり違う部分もあるので、特定の個体を作るなら購入の際に注意が必要。有名な女性エース、「スターリングラードの白ユリ」ことリトヴャークの機体は初期モデルのほうらしいです。自分の作った機はTkachevって人の機体らしいですが、調べても誰だかわかりませんでした。

塗装は粘土を使った迷彩をしました、おおむねいい感じにできたので満足です。キットの塗装指示はアバウトでしたが、面倒なので脚庫は下面と同じにしました。色はだいたいこんなもんのはず。主翼の赤っぽい丸は給油口で、基本的に全機こんな色だったっぽい。迷彩は黒だとキツイのでブラックグリーンにしました。


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