1/35 イギリス 巡航戦車 カヴェナンター ガレージキット化への道
1/35 イギリス 巡航戦車 カヴェナンター ガレージキット化への道
このページはディーラー「シープモデル」の中の人がワンダーフェスティバル2018冬に向けて主力になる商品、「1/35 イギリス 巡航戦車 カヴェナンター 」を開発していく過程を適当に報告していく記事です。不定期で順次追記していく予定なので思い出した時にでも見にきてください。従来と違って、2週に1回ペースで更新しようと思っています。2017/08/27に書き始めました。
はじめに、
・間に合わなかったり、やっぱ無しって可能性もあります。
・進行状況はリアルタイムじゃない場合があります。
・脱線したり、ほとんど進んでないじゃんって場面が出てくると思いますがご勘弁を。
・面倒なので口調が適当になっています。ご勘弁を。
・備忘録とかモチベ維持の意味合いが強いので、読み手のことあんまし考えてないです。
・稀によく誤字ります。
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1回目:2017/08/27
ネタの決定
例によって、まずは何でこれにしたのかというところの話から。ネタ選定は大事です。
決定した理由は大きい順に、
1.英国戦車史の中で、無視はできない戦車。
2.プラモ化されそうにない。
3.タミヤ/イタレリのクルセイダーが今なら入手しやすい。
4.めっちゃ流用できそう。(と思ったらそうでもなかった)
…ってな感じでして、巡航戦車の系譜に開いた穴を埋めたいなーと。マイナーですけど本国じゃ戦時中は人気がありましたし、けっこうな数の量産がされた戦車ですから、そこそこ需要はあるかなと。前のアンケートでもこれが一番ウケが良かっですし。
1については、簡単に説明するとカヴェナンターは知名度の高いクルセイダーの姉みたいな戦車で、カヴェナンターの開発途中にその不具合を見越して、別会社でカヴェナンターを元にしてクルセイダーが開発されました。完成時期がほぼ一緒で共通部品が多いので二つは非常に似通った形状になっています。細かいことは下で紹介した資料本を見てね。
ご存知の通り大戦終盤までのイギリス戦車は歩兵戦車と巡航戦車の2系統で開発されており、巡航戦車の系統を語るのにクルセイダーは欠かせず、クルセイダーを語ろうと思うとカヴェナンターに触れないわけにはいかないのね。てことで英国戦車を語りたかったらカヴェナンターを作るしかないね、だから買おうね(販促)。
ちなみに夏ワンフェス前に巡航戦車Mk.ⅠとⅡも後々やるかと検討してたんですが、ブロンコともう1社でのプラモ化が告知されたので止めました。検討段階で助かったよ、資料買うとこだった。
2について、たぶん無いと思います。やるとしたらブロンコですが、巡航戦車Mk.ⅢとⅣをやってから時間が経っており、今からカヴェ&クルをやりはしないだろうと。カヴェをプラモ化するなら当然クルと合わせてになるでしょうが、クルはイタレリのキットがあり、海外ではイタレリ製品はけっこう流通しています。となるとクルは買い替えになりますから新キットは売れづらい、カヴェもあんまし知名度ない、となるとインジェクションは元が取れないから無理ってなるんだろうなと。
3について、ガレキはクルセイダーのプラモを使った寄生キットにします。なので土台のキットが入手しやすいうちにやろうかと。転売ヤーによって入手難になってたけど再生産で落ち着くはず。また、タミヤ箱でイタレリのクルセイダーのリメイク版を発売したことで、タミヤが新金型でクルセイダーをやる可能性もほぼ無くなりました。これも理由の一つです。
4について、ざっくり言えばカヴェナンターの各型はクルセイダーのMk.Ⅰと砲塔、転輪、機動輪、誘導輪、履帯、エアクリーナー、燃料タンクなどが共通です(型によって違うのもあるよ)。だがしかし、あくまでクルセイダーのMk.Ⅰと共通なのでタミヤ箱のMk.Ⅲとは砲塔が違うという大問題があります。まぁ、イタレリのMk.Ⅰ砲塔って全体形はともかくボルトの形状とかが違うからどのみちまずいんだけどね…。細かく言うと実は履帯も形が違うんですけど、そのへんは今後で説明していきます。とにかくカヴェ&クルって調べてみるとかなりややこしい事になっているので、細かい部分はあまり気にしない方向でお願いします。
概略と型式の決定
続いて、うちのキットの概略予定やカヴェナンターの資料や既存キットについて触れます。
上の写真は資料2冊と手持ちのクルセイダー2個、このタミヤ/イタレリのクルセイダーMk.Ⅲを使います。
まず、うちの概略から。
「1/35 イギリス巡航戦車 カヴェナンターMk.Ⅰ(後期)」
・タミヤ/イタレリのクルセイダーMk.Ⅲを1個潰して作る寄生キットにします。
・型式は一番カヴェナンターらしい形をしてると思うMk.Ⅰの後期型を作ります。後期型ってのは便宜上の言い方で制式ではないよ。ざっくり言えば、砲塔前面にコブ(装甲)があり、転輪はクルセイダーMk.Ⅲと同じ、車体左前のラジエータカバーが小さい、状態のやつです。型式についてはややこしいので後日詳しく触れます。
・履帯はプラモのベルト式を流用します。よくよく調べると形状が少し違うのですが、妥協します。カヴェ&クルの履帯は案外ややこしく、詳しくはまた後日。
・定価は決めてないと1万にはなると思っていてください。プラモが別売りで3,000円くらい。
・例によって手作業原型でいきます。クルセイダーのプラモあるし、芯にしたほうが早そう。
・ざっくり言えば、車体と砲塔が全部レジン、脚周りはプラモ、小物は使えるものはプラモ使います。
・砲塔の旋回と砲身の俯仰だけできて、ハッチ類は全て閉で固定の予定です。
・デカールの類は付きません。砲身は市販の金属製を使いたいんですが、メーカー在庫切れっぽいのでどうするか検討中。
・砲塔は別売りしてクルセイダーのMk.ⅠとⅡに対応できるようにしたいなと。Mk.Ⅱの装甲厚の差は妥協して。
こんな感じです。ただし予定は未定にして決定に非ずです。なるべく出来と作り易さと価格のバランスが取れるようにしたいなと。
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資料について。今回資料として使うのはネットの拾いものに加えて次の2冊です、上の左写真ね。もう1冊の洋書は国内で扱っている書店が少なく、片っ端から当たってみましたが売り切れで取り寄せも既に不可能でした、これが一番詳しいっぽいのでかなり痛いです。
資料1
書名:世界の戦車イラストレイテッド16 クルセイダー巡航戦車 1939-1945
発行所:(株)大日本絵画 著者:デイヴィッド・フレッチャー 訳:三貴雅智
発行年月日:2002年8月10日 定価:1,300円+税
資料2
書名:グランドパワーNo.222 2012年11月号(メイン特集:イギリス巡航戦車1)
発行所:(株)ガリレオ出版 発行人:上田雅文 編集人:福西啓太
発行年月日:2012年9月27日 定価:2,350円(本体2,238円)
資料3(入手できず、ポーランドの本)
書名:Tnak Power No.356 Covenanter
発行所:Wydawnictwo Militaria 著者:不明
発行年月日:2011年頃 定価:2,700円ほど(国内で、入荷時期によってはもっと高い)
今回、夏ワンフェスの前にツイッターで資料知ってる人いたら教えて!ってアナウンスした所、連絡くださってグランパの特集号と洋書を教えて頂けました。改めて御礼申し上げます。m(_ _)mありがとうございました
資料1はおなじみオスプレイシリーズのやつ、モデグラの会社ね。このシリーズは訳書なので元著者によって深さが違うし、訳者もピンキリで訳者によっては読みにくく、アタリハズレが激しいです。このクルセイダーのやつはアタリのほうだと思います。個人的にはこのシリーズは普段あまり薦めないのですが、他に入手しやすい本が無いしもう1冊(グランパ)の特集よりはカヴェ&クルに特化したぶん詳しいので、1冊買うならこれが良いと思います。
資料2はおなじみグランパ。地元だと書店に置いてないので見る機会がなかなか無いです。あくまで特集の一つという扱いで、巡航戦車Mk.Ⅰ~クルセイダーまでを扱っているので個々の情報は少なめ。巡航戦車全体を知るにはいいかも。
資料3はポーランドの本で、国内では既に入手できないと思います。海外のAmazonには在ったので個人輸入すればいけるけどスゴイ金かかるよ…。さすがに諦めました。
ついでなので、戦車に詳しい海外サイトを一つ紹介しておきます。知ってる人も多いと思う。
・Tank Encyclopedia (英語、別窓で開きます、スマホ無理かも)
カナダの人が管理してるサイトでwikiみたいにしてコンテンツを作ってるようです。2011年からやってるっぽい。写真とか絵とか使って大丈夫なん?て疑問はありますけど、内容は下手な書籍より詳しいです。バナーは気にせずに、上にあるタブから年代や国籍を選んでやると戦車の名前が並んだページに行くので、見たい戦車の名前をクリックしましょう。集合知で作ってるだけあって情報量はスゴイです、正確かどうかはどうせ書籍だって怪しいので一緒かと。英語だからと敬遠せずに一度は見てみてね。Covenanterは上タブのWW2のEuropeのUnited Kingdomのところに居ます。
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続いて、既存のキットについて。プラモ(インジェクションキット)は当然無いのですが、調べてみたらガレキは在りました。ただし、日本では入手が難しく特に1/35はもう生産していないです。海外サイトなので一応ウイルス対策ソフトとかONにした状態で見てください。
1/76レジンキット(イギリス産)
・メーカー:Milicast Models HPここ(英語、別窓で開きます、スマホ無理かも)
・ちょっとややこしいカタログへの順序:左タブ「Categories」内の「Battlefield series 1/76」→中央上の「British&Commonwealth」→国旗の横の「AFVs」→一覧が出ます。他国戦車も同様。
・ほぼ全型のカヴェナンターのキットあり、現在も購入可能、同人でなく企業or個人事業主です。
・他にもマイナー戦車がいっぱいあって、海外通販対応的なことが書いてあったので欲しい人は調べてみて。
1/35レジンキット(イギリス産、絶版)
・メーカー:Inside the Armour(ここのHPは既に運用してないっぽい&情報無いのでリンク貼りません)
仕方ないので大丈夫そうなサイトに直リンク貼ります。将来的に切れたらゴメン。
・キットの HPその1missing-lynx.com(模型通販の店、英語、別窓で開きます、スマホ無理かも)
・キットの HPその2Military Modelling(まとめサイト的なの、英語、別窓で開きます、スマホ無理かも)
・Mk.Ⅰ,Ⅱ,Ⅳのコンパチだがどの程度識別してるか不明。見本はごっちゃにしてある。
・2011年くらいに出たっぽい。もともとミリタリー系の同人誌をやってた人がガレキを出したみたいで、けっこう色々と出しています。2013年ぐらいにガレキからは完全に手を引いたらしく、出版のほうも現在活動しているのか不明です。迷惑になるといけないので連絡取らないこと。
・日本では流通してないと思いますが、少なくともお一人日本で購入して作っている人が居ます。
・価格は90ポンドでした(税がどうなるかは知らない)。現在のレートで12,500円ほど。
・メーカー名+1/35 tank あたりで検索すると色々出るので見てみて。海外勢やるなぁ…日本ちっせえなぁ…ってなるよ。
この二つが見つかりました。1/144は見てないけどありそうな気はします。1/76のほうは頑張れば購入できそうですが、1/35は絶版です。にしても海外勢はやっぱしスゴイですね、日本のアマチュア模型業界のガラパゴス具合というか、小さい集まりの中で既得権益とか権威を守って凄いフリをしてるだけに思えてきます。インジェクションの国内主要メーカーはそれなりに元気だし、アマチュアでも女の子フィギュアはダントツ世界一なんですけどね、アマチュアのミリタリーモデルだと完敗です。
そんなわけで、実質よそのサイトの紹介だけですが今回はここまで。次回はカヴェナンター&クルセイダーの関係と各型式がどんだけややこしい事になっているかを愚痴りたいと思います。2週間くらい開けるので気長に待ってね。
2回目:2017/09/09
ややこし過ぎるぞ型式と見た目
2回目ですが、まだ原型じゃなくって前置きの話です。カヴェナンターとクルセイダーの各型式と見た目について説明しておきます。これを説明しないとキットが思ってた形と違う!ってことになりかねんので、小難しい話になるけど頑張ってついてきてください。なお、一番詳しいであろうポーランドの本が手に入っていないので、本を見ればわかる部分や間違いもあるかもしれないけどご勘弁を。今回、超ややこしい上に長いのでヒマでマニアックな人だけどうぞ、ヒマじゃない人は流し読みで。
まず、各型式について「定義」を書いていきます。戦車の型式は見た目とか関係なしに軍やメーカーが作った「ここがこうなってるものをMk.何とする」という規定によって決まります。なので、目立つ変更点とは無関係に例えば機銃や無線機の種類だけで型式が決まることがよくあります。これをここでは「定義」として扱います。
上の実物写真はネットで拾ったもの。ほんとは勝手に使っちゃダメだけど説明に必要だから勘弁して。
・カヴェナンターMk.Ⅰ(左写真?):定義・特になし(最初に生産したモデル)
・カヴェナンターMk.Ⅱ(左写真?):定義・Ⅰのラジエーター(写真で黄aの部分)の上に多管式オイルクーラーを増設したもの。Ⅰから改造。(全てⅠからの改造なのか、最初からMK.Ⅱで生産したものもあるのか不明)
・カヴェナンターMk.Ⅲ:定義・車体の一部を再設計、新型の変速機、新型エアクリーナー、車体後半上面のレイアウト変更、オイルクーラーの位置変更、黄aのラジエーター部カバーが大型化、などの抜本的改設計を行ったもの。
・カヴェナンターMk.Ⅳ:定義・Mk.Ⅱに新型の変速機、新型エアクリーナー(Mk.Ⅲとは別、クルセのMk.Ⅲと同じ)、大型ラジエーター部カバーを付けたもの。要は従来車体にMk.Ⅲの改良点の一部を盛り込んだもの。
生産はMk.Ⅰ→(MK.Ⅱ新規生産?)→Mk.Ⅳ→Mk.Ⅲと思われる。改設計をしたMk.Ⅲが最後、なのでMk.Ⅰ&ⅡとⅣが生産数が多く、Ⅲはかなり少ない。MkⅢのみ車体後部が大きく異なるので識別は楽。
ついでにクルセイダーも軽く触れておくと
・クルセイダーMk.Ⅰ:定義・特になし(最初に生産したモデル)
・クルセイダーMk.Ⅱ:定義・MK.Ⅰの砲塔や車体の装甲厚を少し増やしたもの。他の変化は生産時期によるもので、型式の違いとは関係ない。外観上は砲塔前面左のスリット部分(中写真の橙え)と下部のコーナーの面取り以外、ほぼ識別は不可能。
・クルセイダーMk.Ⅲ:定義・6ポンド砲装備の新型砲塔を搭載したもの。
となる。この時点でもうわけわかんなくて読む気うせたでしょ?(苦笑)
**ここからさらにカヴェナンターの各部位の変化と型式の関係を主な部分だけ触れていきます。もっと細かい変化もあるけど流石に省略。
・左写真の黄a:ラジエーター部カバー、カヴェナンターの一番特徴的な部分。Mk.Ⅰでは写真のサイズでMk.ⅢとⅣは大型のものになる。面倒なのがMk.Ⅱで、オイルクーラーを増設したはずだが外観がどう変わるのかわからない。Milicast Modelsさんは大きな鉄板を貼ったものをMk.Ⅱと判断しているみたいだけど、確証が持てない。この部位は装甲カバーだったり鉄板だったり混合だたり何パターンもあり、Mk.ⅠとMk.Ⅱがそれぞれどういう形状かわからず、あげくMk.ⅡはⅠからの改造なので両者の識別は実質不可能だと考えます。なので、こっから先はMk.ⅡはMk.Ⅰと同じ形状とみなすことにします。ものの本でもⅠとⅡの識別については触れてなかったよ。
・写真2枚の砲塔:砲塔は大別して2種類あって、左のタイプが旧タイプで右が新タイプです。砲塔はクルセイダーも同じで、旧タイプはカヴェナンターMk.Ⅰ&Ⅱの途中までと、クルセイダーMk.Ⅰの初期のみで使っています。新タイプはカヴェナンターのMk.Ⅰ&Ⅱの途中からと全てのMk.ⅢとⅣ、クルセイダーMk.Ⅰの途中からで使っています。クルセイダーMk.Ⅱは装甲厚が違うため、見た目はほぼ一緒ですが違う砲塔です。
新タイプもかなり早くに出来てたみたいで、工場が違うのか旧と新が平行してた時期もあるっぽい。
・写真2枚の転輪:2種類あります。左が旧タイプ、右が新タイプ。旧はカヴェナンターMk.Ⅰ&Ⅱの途中までとクルセイダーMk.Ⅰの初期のみ。新タイプはそれ以降で、後継車のキャバリエ/セントー/クロムウェルでも初期は同じで途中からは少し形が変わったものになります。
・左写真の橙b:Mk.Ⅲだとこのへんに張り出した装甲があって、他と識別できます。博物館に現存してるのはMk.Ⅲ。
・左写真の青c:砲塔左にある元もとのアンテナ基部。これ結局使ってなくって、後で付かなくなりました。旧タイプ砲塔のほぼ全部と新タイプ砲塔の極初期まで付いていました。実際に使用したアンテナ基部は最初は砲塔左後部で、後から右側面や左側面にも付くようになります。ただ、指揮戦車仕様もあるのでどういう変遷や基準なのかよくわかりません。
・左写真の赤d:操縦手席の左の窓。本だとこれが「カヴェナンターMk.Ⅱにのみある」と書いてあるのですが、これ正確じゃないと思う。試作車にもあるしMk.Ⅰの時点であったはずです。Mk.ⅢとⅣは隠れて見えないですが無いと考えて間違いないかと。想像ですが、Mk.Ⅰが全てⅡに改造された後でMk.ⅡⅢⅣを比べて「Ⅱにだけある」と書いた文書があったんじゃないかと。なのでこの部位でMk.ⅡとⅠを識別することは出来ないと考えます。
・左写真の紫e:操縦手席のピストルポート。写真はポートが無い初期モデルで、後から上に開くカバー付きのピストルポートができます。無いのはカヴェナンターMk.Ⅰ&Ⅱの途中まで(多分、無しが多数派)とクルセイダーMk.Ⅰの初期のみ。この操縦手のカンオケはカヴェとクルでよく似ていますが別モノです。
・中写真の赤あ:Mk.Ⅳのエアクリーナーです。山菜のセンマイみたいな物が付いている新タイプで、クルセイダーのMk.Ⅱ(全部か大部分)とMk.Ⅲ(たぶん全部)でも同じです。旧タイプはもっと単純な箱形のやつ。自分のガレキでは旧タイプが必要なので、レジン部品にしないといけません。
・中写真の緑い:Mk.ⅣとⅢは車外に箱がいっぱい付きます。砲塔左のは対空機銃の弾丸、車体前にも箱が付けられるようになっています。砲塔後部の大きな箱はMk.Ⅰ&Ⅱの途中から付けており、レトロフィットさせた個体もあったんだと思います。
・中写真の青う:2ポンド砲について。砲の型式の差から外観が2種類あって、旧タイプは段差でなくテーパーになっているもの、新タイプは段差があるものです。旧はカヴェナンターMk.Ⅰ&Ⅱの途中までとクルセイダーMk.Ⅰの初期のみ。これはマチルダⅡなど他の車両でも同じ時期で変わっています。ただし、整備とかで旧を新に付け替えることはあったはずです。
要約すると、時期による変更箇所はカヴェナンターMk.Ⅰ&Ⅱの中ごろまでとクルセイダーMk.Ⅰの初期少しのみが一緒って感じ。新タイプの部品はクルセイダーに優先供給して旧タイプの残りをカヴェナンターで消費してたんだと思います。カヴェのMk.ⅣとⅢはクルセイダーがアフリカで戦闘を経験した後になり、現場でクルセイダーに施した改造をフィードバックしています、砲塔後ろの箱(偽装ネット入れ)や車体前の箱がそう。
***いいかげん面倒になってきたでしょ?***
まだ続くよ、履帯(キャタピラ)の話。履帯って面倒の極みなのでものの本でも触れずに済ませることが多く、カヴェ/クルでも詳しく触れてる資料は無いと思います。
結論から言えばカヴェナンター/クルセイダーで使っている履帯は最低でも3種類あり、タミヤ/イタレリのクルセイダーMk.Ⅲの履帯を流用すると、カヴェナンターMk.Ⅰ(後期)が多く使ってる履帯の形状とは違ってしまいます。けど履帯を部品で起こすと大変なのと、言われないと気付かない程度なので無視して流用します。
どういう違いなのか、ざっと説明します。上の右画像はMk.Ⅲで主流な新タイプ(プラモはこれ)の模式図です、でこぼこは省略しています。
カヴェナンターMk.Ⅰ&Ⅱ&Ⅳのほぼ全て、とクルセイダーMk.ⅠとMk.Ⅱの大半で使っている旧タイプは画像とは異なり、はっきりとした相違点は
・Eの部分の前後幅が大きい
・Aの部分が旧は中央のみ幅が広く、新は左右が幅広
・表面の凸凹パターンが違う
という点です。側面写真で見ると、旧と新では履帯の凸部分の大きさが違って見えるので識別できます。言われないと気付かないけど、並べて意識して見るとはっきりわかる程度の差です。
この点って気付いてないのか金型の節約か、知る限りこの旧タイプの履帯はインジェクションで部品化したモデルはありません。イタレリ(タミヤ箱も)の1/35はクルセイダーMK.Ⅰ、Mk.Ⅰ/Ⅱ、Mk.Ⅲと対空型がありますが全て同じです。タミヤの1/48もクルセイダーMK.Ⅰ、Ⅱ、対空で同じ。クルセイダーMK.Ⅰ/Ⅱは途中から変更したか整備のついでか新タイプの個体も少しは居ますが、一般的ではありません。なのでこれらのMk.ⅠとⅡのプラモは完全に間違いとは言えないけど一般的では無い履帯になっちゃってます。
3種類目は新タイプの亜種のようなもので、少し後に登場したようです。D部分のパターンが異なります、全体の大きさは一緒のようです。さらに、写真ではっきり確認できないのですが、パターン違いは他にもあるかもしれず、4種類目もあるかもしれません。
このクルーザーMk.Ⅲ~コメットの系統の履帯は少しづつ形を変えながら使われているので、厳密にどこで切り替わったかを特定するのは難しいと思います。
遡ると、クルーザーMk.ⅢとMk.Ⅳの履帯は段差の部分で前後2つに分かれていて側面(Bの部分)に丸凸が2個見えるので識別できます。これを一体化したのがカヴェ/クルの旧タイプで、連結状態だとぱっと見は同じですが丸凸が1個だけになります。またこれらの巡航戦車シリーズはC部分の穴が前後方向に開いているのが特徴ですが、プラモでの再現は困難です。クルーザーMk.Ⅲの履帯はブロンコが作ってて別売りもしていますが、こんなわけなのでカヴェ/クルには使えません。
カヴェ/クルのややこしさがわかっていただけたでしょうか?履帯なんてもう意識して触れないことにしてる感じすらするものね。タミヤも妥協してるぐらいだから妥協して下さい。
ガレージキットにするのは、カヴェナンターのMk.Ⅰで、”後期”とした意図は砲塔と転輪が中写真と同じ新タイプですよってことです。そのタイプが一番一般的だと思うのん。ただし、Mk.ⅠとⅡを外観で区別ができないと判断してるので、Mk.Ⅱ後期とも言えます、ややこしいね。特徴が混ざったやつも居たはずなので、なんかもう結局細かいことは気にしないでねって感じでお願いします(←おい)。
次回は2週間後、さすがに次は原型にとりかかった話をします。
3回目:2017/09/23
砲塔と3Dモデルと
3回目でやっと原型に手を付けます。写真があるから2段に分けるよ。
とりあえず砲塔から手をつけました。イタレリのクルセイダーMk.Ⅰのキット(No.6432)の部品を芯にして、全体形状とディテールと分割を変更します。ほんと芯にしかなってないけど、プラ板から起こすよりは簡単だし何より強度が確保できて作業中の破損を防げるのでこうしてます。
いきなり脱線しますが、クルセイダーのキットと砲塔についてちょい説明します。Mk.Ⅲは砲塔前面やハッチがⅠと違うのはもちろん、幅が少し大きく背も少し高くなっています。イタレリのキットは高さがMk.Ⅰとほぼ同じで、上下にちょっと潰れた形になっちゃってると思うけどどうなんだろ?タミヤ箱で2017年に出たやつは一部を改修してあり、後述する側面のハッチ形状や溶接表現などが良くなっています。
イタレリのMk.Ⅰの砲塔はMk.Ⅱと基本共用だったはず、前面がMk.Ⅰ(6432)だとコブの無い初期タイプで、Mk.Ⅱ(6385)だとコブがある後期タイプ。こっちは全体形は割りと良いのですが、前面コブ有りタイプだとこのコブの形状が良くなくって似てないのが大問題です。側面ハッチはMk.Ⅲと同様の問題があり、更に困るのがボルトの形状が違うという点です。Mk.ⅠとⅡは基本的には円錐形のボルトでMk.Ⅲが六角形なのですが、イタレリのキットはMk.Ⅲと同じ六角形になっちゃってます。
画像1枚目:ざっと処理した段階の砲塔部品です。ひとまず凸ディテールを全部削って、側面上半分を片側0.5mm増して、後部上半分の傾斜を少し起こして、後部下半分の上下厚を0.5mm増して傾斜をキツくしました。裏側を別部品にするので切りぬいて内壁を作って抜ける形状にします。ターレットリングは手を付けていませんが、サイズはプラモと同じにしてベロの部分はこれから取り払います。前面の分割を決めきっていないので、これからまだ変更するよ。
写真の赤丸したところのハッチが上で書いたやつで、長方形でないといけないのが抜きの都合か平行四辺形になっています、タミヤ箱のⅢは直ってるよ。青線のところは穴位置と形状が違うので一旦埋めます。これらの他にもチマチマとした問題が多々あるので、イタレリMk.Ⅰの砲塔は本気で直そうとするとかなり面倒…とゆーかほとんどディテール全直しなんですね。なので、今回作る砲塔は別売りもして、クルセイダーMk.ⅠとⅡの改造に使えるようにします。需要がどんだけあるんか疑問だけど。
2枚目:前面のコブです。コブは複雑な形状をしており、可動のために内側を丸くくり抜きたいのですが、内側を綺麗にするには加工の段取りを考えるのがけっこう面倒。なのでここだけ3Dモデルでざっと作ってプラ板に貼ってやろうと思ったんですけど、ウチにある個人向け3Dプリンタでやったらヒドイことになったよっていう写真です。右上が3Dモデルね。小さい物、カーブしてる物にめっぽう弱いとはいえ、プリンタ動作もうちょっとどうにかならんのかコレ…。根本的にやっぱし限界があって、これぐらいのサイズ(厚さ3mm以下で輪郭の一辺3cm以下くらい)の部品は個人向けの熱で溶かして積層するタイプでは無理ですね。
3枚目:裏側です。裏さえ綺麗なら何とかしますけど、当然のように裏はもっと悲惨っていうね。ざっと加工してみたんですけど、コレ直すくらいならプラ材から起こしたほうが早いじゃんって感じ。正確に再現しようと思うと内側に段差を付けて可動部品(砲身基部と回転軸)の前面にも段差を設けないといけませんが、この段差が厄介なんだなこれが。というわけで下に続く。
ウチの3Dプリンタじゃどうにもならんので、もういっそ他の部品とまとめて外注プリントに出してやろうかという考えにいたりました。実は自分では外注サービスは使ったことが無かったのですが、夏のワンフェスでいくつかのディーラーさんに聞いて割と安い&精密らしいので試してみましたよ。結果、思ってたより良かったです、はよ使えば良かった。とりあえず試しにどのみち必要なボルトを注文しましたよ。
1枚目:試しに外注出力したボルトの山です。少し触れたように、砲塔のボルトの頭部は基本的に拡大図みたいな円錐形で、切り欠きがあってスパナで締めます。この形状、あまり無い形なので1/35のアフターパーツでは無かったです。チャーチル用のやつが近い形なのですが大きさが全く違うのでダメ。プラ製のトゲを加工しようかとも思いましたが量が多いのでそれも却下。MENGモデルのセットで通販サイトの説明に”円錐ボルト”って書いてあるのがありましたが、実際は変則的な六角錘で違ってました。
3D CADでボルトの頭と植えるための軸と土台を1式作って、ちゃちゃっと複製して保護支柱を適当に生やします。大きさは小さくって、写真の正方形の中に400本あります。出力はDMMのプリントサービスで、材質アクリルで一番精密なUltraモードってので頼みました。モデルチェックから見積もりまで、自動でやってるみたいですごく早くって、制式発注後も一週間かからず届きました。価格はこの1枚で2,800円ほど。大きさからするとめっちゃ高い感じですが、市販品も軸があるタイプは安いやつでボルト100本で800円とかなので大差ないかと。基本料金+体積で価格が決まるので、小さい部品ばかりを繋げて1部品にして注文すればけっこうお徳に精密特殊部品が作れそうです。材質も塗装後に粉を吹くとかあるみたいですが、ちゃんと処理すれば大丈夫みたい、瞬間接着剤も適量を守れば使えます。写真じゃわからないですが、形状もちゃんと出来てました、積層痕も無視できるレベルで楽ちん。もっと大きい部品でも積層痕の処理は大した手間にならなそうな感じです。材質は色々選べて、一度にまとめて自動見積もりされます。
ってことで試した結果が楽ちんだったので、車体に乗ってる箱とかの地味に面倒な連中と砲塔前面はまとめて外注出力してしまって、砲塔本体と車体本体を手作業でいくことに決定しました。
2枚目:手作業メインから方針転換して3Dモデルを作っていきます。まず車体左前にあるラジエーターカバーから。3種類あって真ん中2つが同じで両端は幅が広く右のは操縦手のカンオケを避ける切り欠きがあります。このカバーはMk.Ⅰ&ⅡとⅢ&Ⅳで形が異なり、後者は長くぶ厚くなってて簡単に見分けがつきます。作ってる前者は通常この形なのですが、これを外して金属板1枚をカバー4つぶん跨って着けた個体や金属板とこのカバーの混成など、改造された個体が多く居ます。
モデル作成は簡単なほう。3D CGモデリング用のソフトだとサーフェス(表面)が閉じるように注意しないといけないですが、3D CADはもともとソリッドモデルで書くのでそこを気にしなくていいのが利点です、その代わり複雑な三次曲面を作るのはすごく難しいけど。最近はCGモデリングソフトも便利になったっぽいですね。
3枚目:車体背面後方にある箱。この上にスコップとか載ってますね。ボルトがけっこう精密にいけてたので、フタの止め金具も作ってみました。複製できるように簡略化してあるよ。こういった部品の寸法なんて資料に無いので、本の3面図と写真から判断して寸法を決めていきます。いちおうよくある感じの寸法の無い3面図はあった。
4枚目:マフラーと車体横の箱です。マフラーは左右共通にしたいので、取り付け部分を上下につけてひっくり返せるようにしました。余分なとこを削る手間が増えるけど勘弁して。形状はシンプルです。全く異なるMk.Ⅲは別として、Mk.Ⅰ&ⅡとⅣとではよく似てますけどちょっと違います。Ⅳだと排気部分の間全体に金属板を曲げたカバーが付き、両サイドにテーパーがついてバケツみたいな感じになっています。伸びた管と車体との結合部分も後で3Dモデルにしちゃう予定。
箱は箱。クルセイダーのものに似ていますが別モノです。補強の凸線は無いようなので無しです。これは左右共通。体積を減らせばプリント代が安くなるはずなので、裏側は程ほどにくり抜いています。
ついでなので脱線しちゃうと、モデラーの言う”図面”って色々だけどだいたい大してアテにならないと思うよ。
設計屋や加工屋などの実際の仕事現場で言う”図面”は狭義には「寸法、公差、縮尺など一式揃ってて図枠があって日付と製図者や検図者のサインが入ったもの」です。細かい扱いは会社や業種で多少違いますが、厳密に図面と呼べるのはコレだけで他は”図”です。この正規の図面はその部品や製品の形状や寸法を保証するもので、加工屋はその図面に正確であることを担保できなくてはなりません。もっとも、製造途中で色々変わっちゃって後で修正して改訂1とかにしちゃうことはあります。なので正規の図面でも図面(改訂前)と製品が異なるなんてことは稀によくあり(ホントはアカン)、正規の図面ですらアテになるとは限りません。ついでに、全体外観図なんかは細かい線は省略して見やすくする場合がある(とゆーか推奨されてる)ので、ネジが書いてないけど実際はあるとかいうこともあります。
概略図とか仮で出す図の場合はサインや図枠を省いたりして正規の図面とは区別して扱います。こうするとその図は最終的な製品の寸法や形状を担保するものではなくなります。つまり、この仮図を見ても実際の製品とは形が違う可能性があります。とはいえ、実際の設計者が書いてるぶんだけ次に挙げるものよりはアテにしやすいです。また、開発途中でも概略図とかなら制式に図面にしちゃって、社内で保管しとくようなことはあります、記録を制式に残すためね。
モデラーが一番目にするであろうものは寸法が入ってない輪郭だけの3面図かと思います。便宜上”図面”って呼んでも構わないのですが、本当の図面じゃないってのは理解しておきたいところ。これは本職に言わせると厳密には”図面”というより”絵図”で、人によっては”ただの絵”とまで言います。そもそも寸法入ってないですし、設計者が書いてない時点で何の保障もありません。唯一、実際の古い図面をそっくりトレースして見やすいように書き直したものであれば、相応の信頼性はあると思います。そういう場合、だいたい本にそうした旨を書いてありますね。たまに図鑑とかの只の絵図を指して「OOのキットは長さが違う」とか「OOが足りない」とか言う人が居ますけど、図そのものを検証してからじゃないと意味無いわよ?といつも思う次第です。
長々と書きましたが要するに、出所や製図者や製図時期を確認できない限り、図は図面として扱えませんよって事は覚えておいてね。まぁ呼ぶ時は本職でも全部”図面”って言っちゃうんだけどね。
今回ここまで。最後おもっきし脱線したし、そんなヒマあったら部品作れよと。あとは操縦手のカンオケが厄介な部品で、他の箱とか配管が10個ほどあります。細部の蝶番とかもついでに作って便利に使おうと思うので、それらも含めてあと1週間くらいかかるかなと。手作業よりはずっと早いです。全部まとめても1万円はかからんと踏んでるんですが、どうなるかなと。次回更新は2週間後の予定、出力した部品は流石に間に合わないはずです。ではでは。
4回目:2017/10/07
3Dモデルやって発注したよ
4回目です。前回書いた車体と砲塔の本体以外のゴチャっとした部品を3Dモデルにし終えて発注まで済ませました。発注先は前と同じDMMで、材質は光効果樹脂というやつにしました。
今週月曜に提出→一体化するの忘れててキャンセルされる→火曜に修正し再提出→水曜にメール来てて「薄くて壊れる可能性がある部分あるけどええか?」ってことだったので良い旨を返信→木曜に受付完了・造形開始のメールくる。ってとこまで進んでます。もう出力できてそうな気もしますが、ステータスが”造形中”から変化ないので機械の順番待ちで止まってるのかな?と。来週中には届くと思うけど、やっぱダメでしたってのも在り得なくはないです。
1枚目:発注した部品の全体像と裏面です。個々の部品を作っておいて、ランナーとかでつないで、ファイル変換&一体化をしています。価格は6,500円ほどでした、けっこう安いと思う。フィギュアなどでも同じで、繋げて一体化してあれば全身の部品を纏めて注文できるので安く済みます。逆に一体化してないとたとえ造形できる形でもファイル内部の部品が10点以上だと受付してくれません。注文直後の自動解析では「デキル」って自動メールしてくるけど、その後に人間が確認した段階でキャンセルくらうから注意。発注した後は経過に注意しましょう。
最近の3D CGモデリングソフトはたいていプリント用の一体化機能が備わってるはずです。無い場合は、AutoDesk社から出てるフリーソフトの「123D design」っていう3Dソフトが良いかと。たいてい[元形式]→元ソフト上で[SAT]に変換→123Dで[SAT]で開く→123Dで[STL]に変換と同時に一体化、って手順でいけると思います。もちろんサーフェスが破けてたりしたらダメですし、ソフトによっては寸法がおかしくなったりするかもしれません。一応[SAT]形式が3Dの共通形式ってことになってます(ただし、ゆーほど互換性ない)。ちなみにAutoDesk社はフランスのダッソー社(戦闘機で有名)の系列です。[SAT]でダメなら[STP]ってのも試してみて。
ようやく、部品について個々に紹介します。原型で別部品とするものと、原型では車体などと一体化する部品があります。原型製作を楽にするために3Dにしたってわけね。
主砲の軸は段差がややこしく、可動部なので3Dで確認しました、動作チェックしやすいのが3Dの利点ね。接続軸や砲身を挿す穴は開けず、目印の窪みだけにしています。
尾部ってのは車体尾部の起動輪の出っ張りのとこ。クルセイダーと似た形です。プラ板で作るにはちょっと面倒な形なので3Dにしときました。原型では車体と一体にします。
起動輪基部はそのものズバリ。すり鉢状になってるのでこれも手作業では面倒。原型では車体と一体にします。
クルセイダー1のライト。砲塔をクルセイダーの改造用に別売りする気なので、ついでにライトのディテールアップ部品も作っておこうかと。
箱はマフラーの横にある箱です。壁1面が傾いてるやつと、単純な長方体のやつがあります。単純なほうは手作業にしました。
フェンダー端は丸まってるタイプ。Mk.ⅢとⅣだと角ばったやつです。手作業だと前後左右で狂いが出そうなので3Dにしました。原型では車体と一体にします。
砲塔横アンテナ基部は生産時期が早い個体でついてる部品。これは別部品にして付けるか選べるようにします。
枝ってのはランナーみたいなもの。3Dプリントでは液体を流すわけじゃないので流路としてのランナーは必要ないのですが、複数部品をまとめて頼むためには必要です。適当に部品を配置して、枝を伸ばしてくっつけていきます。
2枚目:操縦手のカンオケの部品です。ボルト・リベットは手作業で植えるので除いて造形しています。ヒンジとか作ってますけど、どの程度まで細かく出力できるか、複製できるかはわからないので、この画像よりはディテールは潰れると思ってください。3Dモデルは基本的に実際よりも大きく見えるものなので、これも大きく見えてます。部品は基本一体化して、ハッチは開きません。この上面ハッチ、そもそも薄いからエッチングじゃないとリアルに作るの無理だもの。操縦手窓の装甲カバーは別部品なので開閉を選べます。左右の窓は原型では一体化します。前面右にあるコブは生産時期が早いものはこの形状で、ピストルポートはありません。ピストルポート有り用の部品を別に作っておいて、コブを削って部品を貼ればOKにします。ポートのフタは閉固定です。このカンオケ、ディテールの塊なので抜けるか心配です。
3枚目:配管関連の部品です。真ん中のがエアクリーナーの配管、手作業だと面倒な感じなので3Dで、左右共通です。エアクリーナーは単純な箱形のタイプですが、表面のディテールがあるので3Dで。クルセイダーMk.Ⅰにも使えるようにしています、プラモの部品だとちょっと味気ないのでディテールアップに。
車体との接合部は手作業では難しいので3Dで。円とか球が混じってる形って手作業だとしんどいですよね。抜きの都合で車体とは別部品にします。
4枚目:小物のセット、車体のヒンジなどのディテールもまとめてプリントして楽できねぇかなと思ってやっときました。小さいので、綺麗に出力できたらラッキーぐらいの感じです。基本的にディテールは車体と一体化します。
Aは砲塔後面の給水口のフタ。生産途中まではコレがあり、箱を付けてない個体にはだいたい在ります。これは別部品にして選択取り付け。
Bはオッパイみたいだけど違うぞ、真ん中は窪んでるぞ。カヴェ/クルの車体上面にいっぱいあるコレ、吊り金具(アイボルト)の取り付け座のようです。確証度80%くらい。ここに輪っかがついたボルトを挿して、ワイヤをかけてクレーンで吊るわけね。
Cは誘導輪の根元。もののついでで3Dに。抜きの都合で車体とは別部品の予定です。
Dは車体上面のヒンジ。カヴェの車体上面は大半がヒンジで開くことができるようになっています。箇所によって2種類り、必要数を出力して楽したいなと。
Eは車体前にある出っ張り。ライト用の電源コードの出口です。
Fは砲塔後部のアンテナの先っぽ。途中まではこんなのが付いてました。別部品にして取り付け選択です。
Gは配管の継ぎ目の段差。手作業でもいいけど試しに出力してみようかと。
Hは砲塔右のライト。これってタミヤ/イタレリ版のクルセイダーでは修正されてガラス部分が窪んだ、透明部品を付けられる形になっているんですが、昔のイタレリ箱だとガラスが一体なんですね。なので、古いキットを持ってる場合にディテールアップしやすいように、別売りしとこうかと。自分が使いたいってのもあります。
Iは車体についてるライトです。裏になってるけどガラス部分の無い状態、ただし透明部品は附属しません。市販品やストック部品でやりくりしてください。囲いはプラ板にするか、あれば薄い真鍮板を附属させようかと。どのみち薄すぎてレジンじゃ厳しい。
Jは車体上面にあるディテール。手じゃ無理なので出力しますけど、うまくいくか不安。給油口かなにかの頭のはず。
というわけで、車体と砲塔以外のだいたいの部品ができました。出力した部品は手作業での表面修正が必要なので全くの手間いらずでは無いですが、フル手作業よりはかなり時間短縮できたのでご機嫌です。まぁ、これでうまく出力できなかったら泣くんだけどね…。
来週には部品が届くと思うのでそれ次第な部分はありますが、この後は車体をざっくり3Dにして全体寸法・部品取り付け位置・スジ彫り、の位置を決めて、紙に印刷してプラ板を切って彫ってで原型を作ります。車体のようなでっかい平面の場合、3Dプリントだと全体が微妙に歪んでしまうのが怖いので昔ながらのプラ板工作のほうが良いと思うのですよ。輪郭ができて彫るもの彫ったら出力しておいた凸ディテールを貼れば楽に仕上がるという段取りです。
次回更新も2週間後の予定です、ちったぁ形になってるはず。
5回目:2017/10/15
3Dプリント部品が届いたよ
5回目です。前回やった3Dプリント部品が届いたので、予定を変更して更新します。結局、発注から1週間で到着しました、早いね。
細かく部品を見る前に、備忘録もかねてサービスや材料について箇条書きで纏めておきます。これから使う人の参考になればと。あくまで主観なのでそのつもりで。
・DMM.makeの「光造形樹脂のグレー」を使用。約6,500円、送料無料。
・材質は「アクリル樹脂相当」、厳密な名前は記載なし。上から吊りながら造形するタイプ。グレーと透明(ディアブル)では材質が異なるので注意。
・切削性は良好。スチロール樹脂(普通のプラモ)と比べて、表面の硬度は硬いが脆い印象でナイフによる切削が特に楽、紙やすりだとやすりの砥粒が負けるのか若干削りにくく目詰まりが早い印象。
・瞬間接着剤(シアノアクリレート系接着剤)で接着可能。スチロールと同程度。
・プラモ専用接着剤(プラセメントとか流し込みとか、スチロール樹脂用)は使用不可。特に速乾タイプ(ややシンナーが強い)は表面をかなり溶かす&脆くする。
・ラッカー溶剤、エナメル溶剤(ペテロールも)に対する耐性はスチロールと同程度な感じ。
・ラッカーパテでの表面修正が可能。食いつきはスチロールと同程度。他のパテも多分同じ。
・ラッカー塗料での塗装は可能、サフ無しでもスチロールと同程度。他の塗料も多分同じ。
・サポート材は適当にニッパーで切ると勝手にポキポキ取れていく。
・下面がやや硬化不足になって柔らかくなる場合が多い。紫外線で二次硬化させても完全には硬化しきらない層が少し残る感じ。皮一枚おとす感じで削る必要あり。
・材料液か何か、液体が下面のところ所に残る。液体と言ってもノリとかジャムみたいな感じ。台所洗剤に漬けたのでは落ちない。プラモ用のラッカー溶剤をかけてワイパーでふき取ると楽に取れる、部品はほとんど侵されない。
・積層痕はかなり小さい。特に、垂直面や傾斜した側面・上面はかなり良好。一番キツク出るのが上面の水平面。このため、平べったい部品なら普通に水平に置くよりも、垂直に立てた状態で出力したほうが表面修正が楽になると思う。
・底面はサポート材が付いていた痕が残るので、削って整える必要がある。
・パイプ状の部品もかなり正確に出力される。肉眼では歪みが無く見えるレベル。内径は凸凹のぶんだけ微妙に小さくなるため、何かを挿し込む場合は穴をあらかじめ大きめにしておく必要がある。
こんな感じです。総じて、イイネこれ(゚д゚)ノ 十分な仕上がりです。積層痕を整える必要はありますが、小さいディテール部品は気にしなくても良いレベルのやつもあります。大きめの部品も、ヒンジなどのディテールを残したまま処理できる程度です。ボルトやリベットは基本的に後から付けるともりでヒンジなどだけ一体でモデルにしておいたのですが、これで正解だったと思います。ボルトまであると流石にペーパーがけの邪魔。続いて写真ごとにコメントしていきます。
1枚目:全体像です。底面の板から木の枝みたいなのがたくさん生えて、その上に部品が造形されます。ただし、実際には底面を上にして、コウモリみたく逆さまの状態で造形していくそうです、なので造形中は底面が上。枝とかは勝手にやってくれるので3Dモデル作成時に気にする必要はありません、逆に言えば枝の生え具合の指定はできません。
2枚目:枝を切って部品を切り出していきます。枝と部品との境目はφ0.5mmほどと細くなっているので、適当に離れた所をニッパーで切っていくと勝手に枝先は部品からもげていきます。ちょっと気持ちイイ(笑)。材質は粘り気がなく衝撃によりひびが入りやすい感じなので、薄い&細い部品の場合は割れてしまわないように注意したほうがよいです。
3枚目:切り出し終わった部品です。切る前はけっこうあるように見えても、バラバラにしてしまえばこんなもんです。車体と一体化させる部品も混じってますが、だいたいは車体上と砲塔に付ける個別の部品です。大半の部品はこれでできたので、かなり時間短縮ができました。この部品は表面修正や裏面埋めやボルト植えをやれば完成です。
4枚目:比較的大きい部品たち。真ん中のやつに試しにプラパテを塗ってから軽く削っています。積層痕の縞模様が見えるかと。下の部品は裏面なので、小さい凸が枝がついてた部分です。プリント代が体積で決まるため、裏はなるべくくりぬいています、原型とし仕上げる段階で抜き方向やヒケを考慮して埋めたり埋めなかったりします。砲塔前面の部品なんかは曲面なのですが、余計な段差がほとんど無いのがわかるかと。個人用だとこうゆう曲面はガッタガタになりますが、業務用は流石ですね。「上面の平面」がガタガタになりやすいようなので、モデルの向きを工夫すればより楽ができそうです。左の部品は平たい板状の部品ですが、立てて出力したので使用時に上になる広い面(出力時には側面になってた面)は綺麗にできてます。これなら汚くなるのは狭い面なので修正が楽です。
5枚目:砲塔前面の裏とカンオケ。カンオケは軽く紙やすりでやすってみました、カスのおかげで傷が見やすいと思う。出力時に上面でも斜面になっていればそれほど積層痕は深くない感じです。ヒンジや止め金などの面倒なディテールは3Dモデルでやっておきましたが、十分なレベルで再現されています。さすがに最新の精密プラモと比べるとシャープさで劣りますが、イタレリのクルセイダーよりはむしろシャープなぐらいです。もっとも、あくまでこれを複製するわけですから、確実に悪化することは知っておいてください。そうは言っても、今までのうちのモデルと比べても精密感のある、市販のプラモに近い仕上がりを目指せそうな気はしていますので、期待してくれてもよくってよ? もっとも、量産された車両だから写真の無いものや試作1台のものと比べてどうしてもディテールが増えるっていう点も大きいわけですが。
砲塔の裏はヤスリがけで整えるのが大変なのでプリンタに頑張って欲しい部分nだったのですが、かなり綺麗にできています。これなら表面処理せずに使えそうだし、可動にも問題なさそうです。これだけでもすごく助かります。
はい、そんなわけで部品ができて嬉しかったのでとりあえずレポートしちゃいましたよ。この後は車体をプラ板から切って、部品の配置を試してスジ彫ってリベット植えて…と一番大きな作業をしていきます。今回のワンフェスは他にも新商品を出したいので、今からペースを上げてやるつもりですがどうなりますやら…。次回更新は2週間後の予定です。ではでは。
6回目:2017/10/28
3Dで車体の寸法決めとか
6回目です。車体をプラ板から切り出す前に、寸法とか分割とかスジ彫りとか車載品の位置とかを決める為に3Dモデルの作成をやりました。
上の画像みたいに、車体全体をモデル化して部品の配置をしてみて写真と比べて齟齬が生じないかとか、リベットをどこに何個打つかを決めていきます。
部品の分割は車体はなるべく一体化させるつもりです。あくまで予定ですが、クルセイダーのプラモで言うと底のバスタブを別部品として、車体上面・前後・側面外側まで一体にしとこうかと。こうして箱状にしたほうが歪みにくいし組むのも楽だし。前後の楔形になる部分はムク、これくらいならヒケは大丈夫。懸架装置はプラモ流用で、部分的に切って使う必要がありますが十分簡単なはず。
画像1と2と3枚目は部品つけた状態です。転輪とかはプラモ流用ですが、バランス確認のために簡易的にモデル化してます。砲塔も輪っかと下面だけモデル化して干渉チェックしてます。これらのモデルは別のファイルで作っておいて、後でくっつけて組み立てたモデルにします、プラモやブロック玩具みたいな感覚です。モデル内での組み立ては面を貼り合わせたり穴同士を合わせたり何とでもなるのですが、この段階でキットでの位置決めをケガキ線にするか凸凹のはめ込みにするかピンにするか考えておきます。写真や三面図とにらめっこしますが、三面図はあまりアテにならないので注意が必要です。
うちのパソコンは2008年に買ったゲーミングパソコンとしても使える程度のやつで、スペックは現在ではほどほどレベル。なので今回のモデルだと処理能力ギリギリで、少しでも負担を減らすために左右対称な搭載品はなるべく省いています。リベットは連続的に複製処理をするんですが、これもけっこうメモリ喰うんすわ。エッジが白く表示してあるのと無いのがあるのも軽くするためで、エッジ表示しない方が軽いので普段は表示してません。
車体の上に乗っかる部品を配置してスジ彫りをしてみたところ、けっこういい感じに収まってくれたので一安心しました。本当はこれをやってから3Dプリントを発注したほうが良いですが、今回はそもそもどの程度の仕上がりで来るか不安が残ってたので小物の出力を先にしたよ。次回からは3D全部やってからでも大丈夫かと。画像のモデルは、全部の部品やスジが入ってるわけじゃないので注意、更に増えます。
ミスは無かったわけではなく、横の長い箱がおかしかったです。高さがありすぎて砲塔旋回時に接触してました。そういえばディテール作る課程で何かホイっと高くしたような記憶が…、まぁ出力済みの部品から手作業で直せるレベルなので上手いことやります。
細かいディテールについては流石にメンドイので説明は今は省きますが、普通に写真見てても気付かない部分までやったつもりですので、イタレリのクルセイダー以上にはなるかと。まぁ複製が綺麗にいくかは自信ないんですけどね…。
4&5枚目が車体のメイン部品です。ただし一体にするつもりのフェンダーが付いてなかったり、別にするつもりの燃料タンク架や砲塔のリングが付いてたりします。本当に抜けるのかって感じですが、多分いけるとは思うのよ。リベットが多い車体後部なんかはある程度の修正は必要になると思いますが、そこはご勘弁を。どう分割してもややこしいことになるんだもの。
側面のリベットは写真判定ですので厳密じゃないけどそこは勘弁してください。縦に入ったスジ彫り×3の位置はネット上にある三面図は間違ってると判断して、写真&資料本にあった当時の装甲厚を示した図に従いました。前面傾斜部分にある点は凸リベットではなくって沈頭リベットのディテールを入れる部分です。
この戦車、元は車体の基本的な筐体(要は箱)は溶接して上に装甲をリベット止めで積層って設計でしたが、変更されて実物では溶接をやめてリベット組みの車体の上に装甲をリベット止めとなっています。だもんで、どうも車体は沈頭鋲を使って組んで部分的に溶接、外側の装甲を重ねた箇所は凸リベットで取り付けってことじゃねぇかなと。製造途中の写真見たらそんな感じでした。白黒写真だと似て見えるスポット溶接って手法もあるけど、この時代にスポット溶接の連続打ちは出来ないはずなので沈頭鋲で間違いないかと。キットでは浅い凹ディテール入れておきます。
ちなみに、沈頭鋲っていうとゼロ戦の専売特許みたいなイメージがありますけど、多くの国で同時期に様々な製品(基本軍用品)に使われ始めていて、別に日本スゲェってもんでは無いぞ。
また、車体後端上部なんですけど、ここってどうもMk.1&2と4で違うっぽいです。キットではこのモデルから少し変えます、傾斜も後で少し直すよ。Mk.1&2はストンと切り落とした格好ですが、Mk.4は”ひさし”みたいな張り出しがあります。写真で確認しづらくって難儀したのですが、明確に張り出しがあるやつはどれもMk.4で、無いっぽく見える&確実に無いものはMk.1&2なので型式によるんだろうと。生産時期によるものかもしれませんが、とりあえず無しで作っておけばMk.1&2的には間違いでは無いので無しで作ります。
6枚目、2Dの図になおします。3Dモデルで作ったものを向きを変えて2Dに写し取れるので便利。斜めな面はその角度に合わせて写すこともできるので展開図を書かずに済んで楽ちん。この画像でも同じに見える3つの上面図は微妙に角度が違っていて、傾斜ごとに写し取ったものです。あとはこれを印刷して、面の厚みと接着位置を考えて使うプラ板を決めて切り出していきます。この切り出しを今やってるとこ。切ったら先にリベットとかスジ彫りを入れてしまって、それから組み立てて、更に裏面にもう1枚貼り足して厚みを稼ぎます。
よくあるミスが例えば一辺10mmの立方体を作るのに厚み1mmの板を10mm角で6枚切って貼ったらおかしくなったみたいなパターン。厚み分考えて8mmの辺も作らないと合わないよねと。ただの四角なら普通でも気付きますが、多数の面が入り乱れて、あげく内側にもう一枚貼り重ねるような場合には超ややこしいのでよっぽど注意してないと間違えます。3Dで書いておくと比較的わかりやすいので、その点でも3D便利。作業自体は単純なので誰でもできるわけですが、経験なり知識なりが無いと絶対やらかすのでスクラッチとか原型とか挑戦する人は注意だぞ。金属加工の人とか切り出し寸法なり曲げなり間違えて怒られた経験って絶対あると思う(笑)。
そんなこんなで6回目でした。進んでるような進んでないようなって感じですが、寸法とか決める作業が一番時間かかるのであとの手作業はスムーズに進められるはず。遅くとも年内にはやっちまいたいので頑張るぞと思ってたら昨日サブのノートパソコンが壊れましたよちっくしょうヾ(゚д゚)ノ メインのデスクトップじゃないだけマシだけど。
7回目:2017/11/12
板を切って小穴を開けて
7回目だよ、11月だよ。寸法は決めたので3D図→2D図にして印刷して、それに沿ってプラ板を切り出します。車体が特に大きくないのでTOGやオイよりだいぶマシ。切ったらスジ彫りや沈頭鋲の凹ディテールを入れていって、それから凸のディテールを植えていきます。進んでるようで実はかなり進んでないぞ、ダメじゃん。
1枚目、車体上面の板です。角度が変わる所で切り離してあります。凸ディテールはまだ接着してなくって、凹は入れてあるんですが写真じゃ見えないねコレ。右の袋に入ってるのが印刷した紙を切ったものです。なるべく狂いが出ないように、切った後でノギスや直角定規で確認しながら作業をします。比較的単純な四角の集まりなんですが、上面の角度の変化をきっちり作るのが少々やっかい。なので側面の板を基準にして上面を貼って行こうと思ったのですが…。
2枚目、側面の外板です。こいつの上縁を正確に屈折させといて、それを基準に上面を接着しようという考えでした。で、組む前にリベットをやっておかないと難しくなるのでやろうと思ったんですが、調べていったらけっこう見える位置の凸リベットが多くて用意していた部品が全く足りなくって、作業が止まってしまったわけですね…。慌てて注文したら入荷見込みが19日ってなってアチャーと。で、やる気ダウンして作業予定を変えてたら意外と入荷しちゃって昨日届いたよ…、なんか半端にドタバタして気が削がれてしまいました。
ここの凸リベットは真鍮棒から削り出したタイプのPassionModels製の「0.6mm尖頭ボルト」を使って、穴開けて挿してます。ただ、裏も整えないといけないので余分な軸は切って、後から裏もう1枚板を貼って整える予定。別に適当なリベットを上から貼るだけでもいいんですが、こう小さくて数も多いと型取りした時に取れまくると思うので、接着強度の稼げる穴掘って植えるやり方にしました。リベットのパターンは写真見てなるべく頑張ってますが、明瞭に見えるもんでも無いので正確では無く推定や妥協を含みます。Mk.Ⅲは少しパターンが違うみたい。カヴェナンターはほとんどサイドスカートを付けておらず、履帯の上にけっこうスペースがあってよく見えるので、ここのディテールがあれば密度感が増していいんでないかと。片側150個くらいありますが、死んだ魚の目で1日やり続ければ終わる量なんで頑張ろうかと。
3枚目、砲塔も少しやりました。前面意外の輪郭を整えて、ボルトを植える位置を決めて穴を開けています。3Dプリンタで外注出力したボルトを後から植えますが、作業中に痛むといけないので最後のほうにやります。上面は溶接痕などのディテールをチマチマ作るところまでやってあります。ハッチは一体化します。前面のコブは3Dプリント品を整えて大体の輪郭を出した状態です。合体するラインの本体側の輪郭合わせがまだ。このコブ、すごく複雑な形状ですがなるべく頑張ったんで微妙な間違いは許してね。写真見る角度によって違って見えたりするからかなり難儀します。砲身は可動なので、このコブは別部品にします。
以上、ロクに進んでない作業からなるべく進んでるように見える箇所を撮ってお茶を濁そうと苦心した7回目でした。まぁ…側面ができてしまえば一気に車体が組み上がって見栄えよくなるはずだから…。終わりが見えてるようなまだまだなような、微妙な感じです。そうゆう時って大体まだまだ×3倍くらい残ってんだけどね…。いつものように次回更新は2週間後の予定です。
8回目:2017/11/26
車体の箱つくった
8回目、それっぽい形にはなったけどまだまだな感じです。切り出したプラ板を組んで車体を一体で作ります。単純に貼るだけなら大して時間はかからなにのですが、ナナメになる接合部分のちょおとの隙間とか小キズとか直してたらけっこう手間でした。次回ワンフェスは他のも何とか出したいので、いい加減に急がんとなぁと思うだけの今日このごろ。
1枚目、カヴェナンターの車体とクルセイダーの車体です。カヴェ車体はまだ凸リベットのディテールや細かい部分はやっていません。クルセ車体はプラモのを切り出しただけ。フェンダーを含めるとカヴェナンターはクルセイダーより若干短くて、フェンダーを抜いた車体自体の長さだとけっこう短くなり1/35プラモで測って13mmくらい差が出ます。流石に写真では見てもわからないのですが、実際の模型で比べると両者の違い&関係性がよくわかるので、買って組んで確かめてね(直球の販促)。
カヴェは背を低くすることを一番に考えてエンジン選定とラジエータの配置がされました。そのため車体の天井は極力低くなっていて、その上に雑具箱とか操縦手席の箱が乗り、砲塔はそれらに半ば埋まるような見た目になっています。一方のクルセはラジエータを適切な配置にできるようエンジンを変更し車体を延長、車体の天上も少し(1/35で約2.3mm)高くなりましたが基本的な構造は変わりません、フェンダーの高さは同じで車体中央と砲塔の土台だけ高くなってます。とにかく低くするために他を犠牲にして失敗したカヴェナンターと、カヴェを基本にしつつも低さを若干妥協することで使い物になる戦車になったクルセイダー、両者の明暗を分けた理由が模型で見るとよくわかります。車高の差は数値だと僅かしかないのですが、クルセはいくらか余裕のある感じ、カヴェは確かに低く小さくで理想的なバランスにしようとしてるんですが、実運用では無理が祟るであろう余裕のないギリギリな感じ。
2枚目、車体のウラ。まだ完全じゃないです、前後の部分は塞いでムクにします。中央は別部品のバズタブにして、それにプラモ流用の懸架装置付けてこの車体にはめる造りです。細かい部分の後付けとか、気泡による欠けの修正とかがどの程度のもんになるかやってみるまでわからないですが、基本的には組み立て簡単な構造にできてると思います。側面が薄いのでそこが心配なところ、リブでうまいこと補強するつもりですがまだやってないっていうね(汗)。
3枚目、載せられるものだけ載せてみた。原型なので接着できない&まだあれこれやってるので無いもののほうが多いですが、簡単に置けるものだけ置いてみました。後部はおおむね左右対称なので原型が少なくて済んで楽ではあります。車体のディテールもまだ全部じゃないよ。
砲塔は作っておいたボルトを植えました。おかげで雰囲気はそれっぽくなったのですが、ちょっとボルトが大きかったような気がしなくもないです。どうでしょコレ?複製して塗ったら多少違ってくるとは思うんですが。これはこれで厳しくって好きなんですけど、ちょっと目立ちすぎな気もするし。変更するのは相当な手間なのと、これより小さいと3Dプリントサービスで軸ありにはできないので、板に貼った形式にするしかないんですよね…。複製して組んでみてよっぽど変じゃなけりゃコレで行こうと思います。
4枚目、前から。操縦手のカンオケはちょっと高くて砲塔旋回時に接触する高さだったのでちょっと見直して修正しました。側面の窓はまだ貼っていません、車体とちょうど接触するため全体を整えてから仮組みしつつじゃないと微妙に狂いかねんので。
砲塔前面のコブは前回から微妙に形状が変わっています。このコブってすごく特徴的というか断面が少し球状になっていて、金型でやると半端な位置にパーティングラインができる形状してます。そりゃイタレリも妥協するわ、いやそんなレベルじゃなくプラモの形状おかしいんだけどさ。
原型は砲塔との接合部分を整えたら、鋳造表現をして終わりかな。砲塔前面もあと接合部分とディテール入れて、裏を塞いで終わり。
ちなみに砲身は3Dプリントの樹脂製をそのまま附属させようかなと。諸々見当しましたが、PassionModels製の2ポンド砲身は問い合わせたところ海外生産なのでもう生産できず在庫は僅かで使えず、海外製の金属砲身は1,300円くらいで却下、個人で金属加工に出すと超特価でも1,000円で通常2,000円はかかるでしょうから却下、結局3Dプリントでまとめて30本くらいやれば1本300~400円くらいになると踏んでそれにしようと。材料特性上、レジンみたいに事後変形はしないはずなので問題ないと思います。他のもの(貨物船の部品)とまとめて出したいのでまだ発注していませんが、年末は混むはずなので急がないとなぁと(汗)。
そんなわけで、なんかそれっぽくなったような気もするけど大して作業してない気もする8回目でした。いやね、傷段差隙間を整えるのが地味に大変なのよ。削って埋めて待っ削って洗ってサフってを繰り返すから、テンポ悪いのよ。もっと上手い方法がありそうな気もしますが、まぁ手作業の味ってことで良しとしましょう。次回更新は2週間後、そろそろ車体と砲塔を終わりにしたいのですが、貨物船のほうも先に3Dやっておいたほうがいいのでそっちやって進まないかもです。
9回目:2017/12/10
まさかの番外編いってみよう
9回目、とりあえず言い訳から入るよ。いやね、貨物船のほうは多少はやったんですよ、あとオイのシリコン型の取り直しが必要だったんですよ、更に年末じゃん?会合あるじゃん?アラサーじゃん?引きづるじゃん?ボルダリング誘われたら握力ゼロになるじゃん?挙句に布団でゲームしてーなーってなるじゃん?
ほっとんどカヴェなんたん進んでませんゴメンなさいorz土下座
間に合えば文句は無いと思いますが、ほんと急がないとマズイですねこれ。
てこととで、ぶっちゃけ書くほどのことも無いんですが、調度よく某戦車が出てくるアニメの新しいのが公開されたとかで、後輩から新登場の戦車を聞いたのでそれについてのアレコレを番外編として書くことにします。
それなりにお勉強になるかもしれないので戦車好きな人は読んでねって感じですが、ネタバレが嫌な人はこの先は読まないで次回更新まで飛ばしてください。某って書いたけど言うまでもなくガルパンね。
次の更新はまた2週間後の予定で、次こそはいい加減に奮起いたしますので何卒お付き合い下さいませ。
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ここからネタバレ含みます。すごく雑然と書いてるので適当に流し読み推奨。
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10回目:2017/12/24
クリスマスはサンタさんにレジンとシリコン頼んだ
10回目、どうにも見栄えがしないので細部だけちょっと触れて誤魔化す回。まぁ本命は正月明けの更新だし…(震え声)。とりあえず、材料だけは確保しておきましたよ。ストックと合わせてレジン8kgシリコン8kgシリコンバリア4瓶、もう何も怖くない(フラグ)。ある程度まで進んだ原型の全体じゃなくって細部に触れ始めたら、その人たぶん進んで戻ってですったもんだしてるからな、生暖かい目で見てあげような。
1枚目、ディテールを植えはじめる。凹のものは彫ったりしたから凸の部分を植えていきます。プリントしておいたやつの枝を取っていって瞬着で貼っていきます。基本的には楽しい作業ですが写真が不鮮明な箇所もあってちょっと迷うこともしばしば。操縦手の箱は車体と別部品です、窓は箱と一体にするけど写真は貼る前なので落ちてます。
2枚目、前のほう。フェンダーは車体と一体にするので、その金具の類も基本的には一体です。ただしL字のサポート部分(車体とフェンダー側面を結ぶやつ)は欠けると面倒なので別にするつもり。写真だとまだ凸リベットを貼ってません。斜面の窪みは沈頭リベットのつもり。ネットの三面図でも描いてあるけど、写真見た感じ凸じゃなかた。フェンダー上のライトや中央のライトは別部品ね、位置の目印はするけど。操縦手の箱のボルトはまだ。ラジエータの装甲カバーは積層痕がまだ残ってるねこれ。
3枚目、砲塔の尖頭ボルト。これさんざん直す直さん音頭踊ったんですが、やっぱり気になるので全部植え直そうと思います。現状だとやはり大きい、特に背が高いので他のプラモと並べた時に違和感が出るんですよね…。単品で見ればこれはこれでカッコいいのですが、実際はここまで世紀末なトゲトゲ感じゃないので雰囲気を再現しにいこうと。どうもね、プリントの都合で根元のとこにカスみたいなのがあって、そのまま植えるとしっかり挿し込みきれずに少し浮いてしまってるんですね、そのせいで元からちょい大きめだったのが更に高くなって大きくなりすぎると。やりなおしとか、最初にやるより難しいし超やりたくねぇんですが、やらなきゃやらないで後悔するのでやるかと。いやまぁもっと早い段階、1面やった時点で決断しろよって感じですが。だって3Dプリントした部品植えるの楽しかったんだもん…。
はい、あ、これロクに進んでねーなと感じさせる、文章も少ない回でした。怒涛の年末進行追い込みゴリ押しでいけるとは思うんですけどね、つか他にないし。作業してると出来もしない他のキットの案だけは色々浮かんでくるのですが、夏休みの自由研究みてぇだなーって思うおじさんでした。時間もないのであとは無心で手ぇ動かして頑張りゅ。
11回目:2018/01/08
あとちょっとが長い
11回目、あけまして追い込まれてございます。連休あけの連休って曜日感覚狂うよね、ってことで1日遅れの月曜更新です。もうちょいもうちょいと言いつつ全然終わらないよ。とはいえ目処はつきつつあるかなと。
1枚目、やりなおした砲塔。なんやかんやでトゲを全部やり直すことにしたのでとりあえず更地に戻しました。でもって何個かだけ新しいトゲを植えてみたとこ。これで良さげ。トゲはプラモのC2のリベット密集地帯のみを型取りして複製し、それをナイフで切って背切り(スパナをかける為の切り欠き)を作ってから使います、ちょっと面倒。完全に更地にしたので、前面と小窓を後回しにしといて正解でしたわ。
2枚目、前から。ディテールはまだ残ってます。特にフェンダーなどの一番小さい凸リベットは貼るのは無理なのでちょっと面倒。穴掘る→極細にしたプラ棒さす→少し残して切る、って段取りでやる予定。砲塔の下のリングはクルセイダーのキットのを使う予定、サイズ合うしオーバーハングがあるから一体化はできないし。カヴェナンターのスタイルは首をちぢこませたような感じなんですが、この写真でも雰囲気がわかるかと。
3枚目、砲塔を旋回させたところ。砲塔の下に白く見えてるのが下端のラインです。旋回すると操縦手の箱とのクリアランスがギリギリなんですコイツ。おかげで調整が大変。言うまでもなく旋回状態だと箱のハッチは開きません。箱のボルトはまだ植えてないです。
サイドの長い箱ともギリギリなんですが、そっちは寸法間違えてたのでこの写真だとぶつかります。結局、長い箱は現在の部品を破棄して他の部品のついでに新しく3Dプリントすることにしました。
4枚目、車体後部。左半分だけディテール入れた状態です、右はちょっとややこしいのでまだ。あと円盤状の部分もこれからボルト植えます。後部はふだん燃料タンクをつけてるので確認できる写真が1枚しかなく、細かい形状に間違いはあるかもです。写真自体不鮮明でよく見えないですし勘弁して。天面と後面とを結ぶ角は、Mk.Ⅰ&Ⅱではこの形状、Ⅳでは張り出しがあってⅢは全然違う形状、って判断しました。Ⅰ&ⅡとⅣでは車体形状はほぼ同じに見えるんですが、ここだけ違うっぽいです。
5枚目、砲身の束。砲身は外注3Dプリントした樹脂部品をそのまま附属させるつもりですがまだ頼んでません。まぁ間に合うやろ…。カヴェナンターなどの戦中戦車の車載2ポンド砲は新旧2タイプあって、段差になってるのが新でテーパーになってるのが旧。前面にコブがあるタイプの砲塔では基本的に新のほうを付けてるのでキットもそっちのみ附属させます。旧のほうは何本かだけ準備しといて、改造用に別売りする予定です。市販の金属砲身は今入手するならアベールとヴォイジャーモデルのがありますが、高かったり入手難だったりします。パッションモデルズさんのは前に書いた通り少数の在庫のみで再生産不可とのこと。この3Dプリント砲身が上手くいけば短いものなら同様にできるので1/35戦車ガレキ開発の難関の一つを解決できるかと。ただあまりに長いのは無理なんよねコレ。
はい、あんま変わってない気もする年明けでした。さすがに時間も無いのですが、次回2週間後は車体と砲塔の複製はできてるはず。複製で失敗する可能性はあるんですけどね…。外注3Dに出す部品がたぶん間に合わないので見本作るのはさすがに無理ですね。もうほんといよいよヤバイ気もしますが、今までも似たようなもんなので何とかなるでせう(ダメな発想)。
12回目:2018/01/21
いいかげん沈め(シリコンに)
12回目、複製できるんちゃうと言いつつできてないやばす。砲塔の主部品はシリコンに沈め中です。車体が下部との調整でちょっとやり直しが出て終わりきらんかった。小物の外注3Dプリントは届いたので、そっちの整形はあらかたやりました。ってとこまで。間に合わせるけども、目に見えて無理が利かなくなってきてるアラサーなので修羅場モードの出力低下が甚だしかったりします。何とかなるんかコレ?(汗)
1枚目、車体の裏側。表はこれまでにだいたい説明したけどほっといた裏側、おおむね終了。細々とした隙間をパテで埋める作業が残ってます。手前の白いのが車体下部部品で、はめあわせると左下の状態になります。クルセイダーやクロムウェルと同じ構造なので、当然同じような見た目になるよ。
車体のメイン部品はシリコン型2分割でなく4分割にして、上・下・左右にする予定です。起動輪と誘導輪の基部を別部品にして2分割でいくか迷ったのですが、生産の手間は大して変わらないので一体化のほうが組み立て楽かなって。金型での自動生産と違い、手作業のシリコン型の場合は型の分割が増えてもそれほど手間やコストは変わりません。そのぶん一体化には有利ですなわけね。
2枚目、追加で外注3Dプリントした部品です。時期的に混雑してるかと思ったら全然そんなことなくって一週間で来たよ。カヴェの部品に加えて、1/700の船の部品も一緒に出しました。DMMの光造形樹脂ってのでやってるんですが、なぜかめっちゃナナメの状態で出力されていて、想定していない位置にサポート(枝みたいなの)がたくさん付いてしまいました。これね、業者や機械によるはずですが、DMMの光造形樹脂の場合は向きとか指定できないので自動かもしくは出力しやすいように向こうの判断で変わる場合があるらしいのね。アクリル樹脂のやつだと下面はデータ通りに固定されてるんですけどね。なので、造形可能条件を満たしている場合でもモノによって材料を使いわけたほうが良さそう。
感触としては、「小さい・薄い・細いもの、細部彫刻が多いもの、サポート材を嫌うもの」の場合はアクリルが良く、「ある程度の大きさのあるもの、どうせ全体をペーパーがけするもの」だと光造形樹脂が良さそう。ざっくり言えば、フィギュアの主な部品は光で、彫刻のある小物単品やスケールものはアクリルが向いてる感じです。ご参考までに。
3枚目、出力した砲身です。左上写真のように束にしてやったのですが、ナナメだからけっこう途中にサポート材が付いてるのね。ほんとは下からまっすぐ積み上げて側面にサポートは付かないってのを想定してたのね。バラしてみてもやはり枝のコブが多くって、使えなくはないが何とかしたい感じです。一番下のがやすりで整えた状態ね、コイツは使える程度に綺麗にできました。
仕方ないので今度は材料をアクリルにしてもっかい発注しました。アクリルでも接着塗装はできるし、変形もしにくいはず。この灰色のやつは廃棄すんのも何なので、整形しやすそうなのだけ選んで1本50円で投げようかなと。10分もペーパーがけやれば綺麗になるんで、使いどころはあるかと。ちなみに、この砲身だけで出力した場合、40本まとめて出しておよそ1本100円って感じです、挽き物を依頼するよりはるかに安くあがるんで、けっこう有効な手段な気がします。
4枚目、追加で出力したカヴェの部品です。サイドの長い箱をやりなおして、マフラーとエアクリーナーのパイプの基部も形状を煮詰めなおしたので再度出力しました、微妙な差だけど手でやるのがちょっと面倒なとこだったんだもん。小さい四角はジャッキ台でフェンダー左後ろにあるやつ。後回しにしてたけどついでにやったよ、形状もけっこうちゃんとやったよ。
5枚目、ついでなので船の部品も載せちゃう。春からやるやらん言ってる1/700バルクキャリア(パナマックスサイズ)の部品です。今回これも出したいんだけど間に合うかすごく微妙…あとちょいではあるんだけどねぇ…、別部品にした倉口の部品を変更した関係で船体側の倉口を修正する必要があり、その作業がかなり重いんですよねぇ…。
写真のやつは分割が製品(予定)と違うのもあるのでそのつもりで。船橋構造物とファンネルと土台と小物のセットと。ざっとペーパーがけした状態ですが、けっこう綺麗にできてるんで整形はすぐ済みそう。
一緒に1/2000の駆逐艦もウォーターラインで作ってみました。ただし、薄い細長い部品で反りや出力加減がどうなるか確認するテストのつもりなので、細部形状は適当です。真面目にやったのは船体寸法だけ。やった感じ、反りは問題ない感じ。ただ今回はサポート材が多く出たので船体上にコブが残ってしまいました。アクリルだとどうなるか、砲身のついでに再チャレンジしてます。
この1/2000のフネ、ガチャガチャとか食玩である1/2000やフジミの1/3000がそれなりに楽しめるので、反っちゃうレジンではなく3Dプリント品の直販売でできないかな?と思って試しにやってみたのです。製造コストを考慮しても、可能な限りまとめて出力してやれば定価は駆逐艦で1隻800円、戦艦で1隻1,200円くらいでいけそうな感じなんですよね(ただしまだ超ドンブリ勘定)。それぐらいならメーカー市販品と比べてそこまでコスパ悪くないし、中小国のWW2艦艇や現用艦とかの1/700で揃えてたら手間もコストもやばい連中を集められたら面白いかなって。ただし、まだ構想段階なのでメンドイからやめる可能性も大です。興味ある人はワンフェスでもツイッターでも一声かけてみてね。
そんなわけで、やばいよやばいよ言ってるくせにおもいっきし他所事やっとるやんけな12回目でした。もう1ヶ月切ってるんよね。全く実感無いけど(←一番危ないパターン)。次回2週間後はもう作業どうこうでは無く複製品が揃ってる必要があるんですが、間に合うんかねコレ(他人事)。
13回目:2018/02/04
いよいよきわどい
13回目、き・わ・ど・い。進捗は主車体は原型終了してさっきシリコン沈めたとこ。下部車体と砲塔の主な部品は複製成功。細々した部品は9割方の原型終了で型取りがまだ。砲身は確保した。って状態です、3連休の援軍は確保したけどギリじゃんコレ(汗)。船をあきらめたくなくってまだ触ってるのがまずかったかなと、船(1/700バルクキャリア)は船体の変更箇所周辺の仕上げに手間取ってて、小物は3Dでほぼ済ませた状態。こっちも何とかなりそうで危ない感じんで、普通なら安全見て切ったほうがいいんですが、前もトバしたんで流石にやれとって言われそうだしギリギリまでうーーんって感じです。
1枚目、追加で外注3Dプリントしたやつ。今度のはDMMでアクリルってやつでUltra modeって少し安いほう。これは確定で下から上へ造形されるので、側面に余計な枝はつきません。粉を吹くとかの取り扱い上の注意点もあるみたいですが、きっちり表面処理すれば大丈夫なので良しとします。先っぽは開口してます、根元を切ってペーパーとスポンジやすりでスリスリしたら良い感じになりました、事後変形も無さげ。
2枚目、原型で載せられるもんだけ載せてみました。例によって原型なので接着はできません。また一部の部品は複製のための余計な物が付いています。同じの2個の部品は原型は1個なので片っぽしか無いよ。おおむねそれっぽい形が見えてきたかなと。1/35戦車とかの大きいガレキで一番困るのがこの点で、完成するまで全体形がおおまかにしか見られないことね。小型キットならほとんど一体だったりするから途中確認簡単なんだけども。
3枚目、前から。砲身の根元可動部(白いの)のみは複製品です、原型は砲身の穴を開けてなくて目印のみなので。砲塔の前面左の窓はコレがクルセMk.Ⅱの状態で、カヴェだと上から小部品を貼ります。見えんけど前面右の発煙弾発射機は別部品ね。ちゃんと旋回したら砲塔後部の下が両サイドの箱と操縦席に当たるスレスレになってるぞ、てかサフと塗膜で当たるかも…。ラジエータの装甲カバー4個は車体の突起に載せるようになってるんで、鉄板焼きに改造した個体の再現も簡単なはず、プラ板のっけりゃOk。
4枚目、複製が出来てる部品、少なっ!。下部車体はよくある感じですが、強度を確保するために組んだら見えないところの造りが実物と違ってしまうので勘弁して。実物は懸架装置が”つ”みたいな形状になってるけど、キットは見える部分だけ残して残りはカットします、車体部品に補強リブを設けるためにそうしました。底面のディテールはクルセを適当に真似ただけ。カヴェの実物の底面は資料がなく不明です。
砲塔は写真の3部品+可動部1個が主な部品で、これに細かいディテール部品と砲身が付きます。アンテナ位置やサーチライト、対空銃架の個体差がかなりあるので、砲塔本体はプレーンな状態としてあとは好きに料理してねって感じにしました。とりあえず何とでもなるはず。ハッチは閉固定なので勘弁ね。気になるボルトの頭なんですが意外にも9割方うまく抜けてました。やったじゃん、流す向きと角度をきっちり考えたのが良かった感じです。部品分割は六角形断面の下の辺を別にした格好なので、分割線は下面に来ます、処理が楽だし形崩れしにくいぞ、やったね。こーゆう形ってエッジ部分で上下分割(プラモはこれ)すると組んだ時に形状崩れますやん?イタレリのクルセはお前どうした本当にイタレリか?ってくらい精度良い(失礼)からまだいいんですが、レジンでここで分割したら絶対狂うじゃん?ちゃんと考慮したから誉めて?
5枚目、砲塔のアップ。灰色は原型ね。白い複製品は見づらいですが、けっこう綺麗に抜けてるでしょ?真空脱泡機なしの自家製にしては良いかと。抜き作業も楽なほうだったので心配事が一つ解決した感じです。まぁ最大の難関の主車体がまだ残ってるんですが…。砲塔前面のコブは以前から更に形状を煮つめています。分割も実物で境界ができる部分にしたので、楽なはず。まだ実際の組み立てを確認してないですが、可動部は他を組んで塗装もした後から組み付けられそうなので多分けっこう楽。左側面は旧アンテナ基部の有無を選択できるようにしたので、両パターンのボルトを植えています。選択していらん箇所を平ノミで落とす方式です。砲塔後部の箱も有無を選択して組みます。ほんとカヴェナンターって実戦に出てない割りに個体差が激しくってパターン分けに苦労しました。
以上。なんかもう自分でもわけわかめなので適当に書きたいことだけ書きました、。後はひたすらシリコンと粘土で遊びつつ、船をなんとかする感じです。waveのシリコン使ってて12時間硬化なので、作業時間というか待機時間的にけっこうギリギリ。まぁTOGやオイのおかげで枠組み用ブロックだけはやたらあるので、同時平行でガサっといけるかと。
もう修羅場モード確定ですので、次は完成品のお披露目もしくは焼き土下座のどちらかです。完成するとしたら14/15日だと思いますので何となくで待ってください。なんせ土曜の朝3時くらい(新幹線乗車の4時間ほど前)まで作業してた事もあるので、そんなもんだと思っておいてね。
14回目:2018/04/01
後日談的なやつ
14回目、ワンフェスが終わって5週間ほど、前回更新から2か月と、今更感ありますがまとめやっておきます。おかげさまでカヴェナンターはワンフェスに持ち込んだ10個が完売しました。クルセイダー用の砲塔セットが間に合わなかったり、半数の購入者の方に小部品後日出荷で勘弁していただいたりでドタバタでしたがまぁ良しとしましょう。今回は複製とかパッケージの話とかして締めにします。
1枚目、複製してるとこ。ウチではごく普通にグンゼのブロックと粘土でやってます。粘土は近頃では油粘土自体があまり売ってなく、百均のはシリコンにくっつきやすくて不便なので結局はグンゼの緑の粘土でやってます。この青いブロックほんといい加減なんとかならんかね?精度があまりに悪くてはまらない事が多いよねコレ。いつも通りシリコンはWAVEのやつでレジンはWAVEの180秒ノンキシレンのアイボリーで、離型材はグンゼのね。地方じゃ他に売ってないぞ、きほん通販で買うけどいざって時に困るので店頭で売ってるやつを使ってるぞ。
今回は大型部品は車体の2部品ぐらいでしたが、複数個使う部品ばっかりなのと小さい部品が多いため個数の管理で難儀しました。修羅場では人を呼んできてウラーで一気にやるんですが、イチイチ数えてる暇ないのでざっくりでやるんですね。すると梱包する段階で足りてると思ったら全然足りてない部品が出てくるわけよ。特に4個使う牽引金具と6個使う謎の楕円で難儀しました。ついでに、数を調整しやすいように部品をシリコン型に振り分けたつもりでも部分的に失敗しちゃう場合があり、そのせいで余計に回数が増えたりもします。時間がある時なら問題にならんのだけどね。生産の作業時間は1式でレジン3時間+梱包など40分ってとこかと。ただし、もちろんシリコン型取りの時間や準備片付けの時間が加わります。
2枚目、車体を例にシリコン型の話。写真は主車体の複製品ですが、この部品は一体化するために4面型で作っています。左右の外側、下面全体+内面、上面で4面ね。プラモのスライド金型みたいな感じですが、手作業でシリコン型の場合には面が増えても特に難しいってわけじゃないです。誤解されがちですが、プラモ=インジェクションキットで多面型(スライド型も含む)が難しく金がかかるのは「自動化してるから」です。単純な2分割なら標準の機械でどの型もほぼ同様にできますが、多面だと型の方向や大きさごとに機械を設定したり部品を変えたりしないといけないため難しく、対応してる機械が高いから金もかかるのね。同じ多面型でも「手動」でしかも多少の逆テーパー(引っ掛かりとか)には耐えられるシリコン型の場合、面が増えようと関係ないです。多面とかすげー!って誤解してる人も居るかもしれませんが、どってことないよ。とゆーか多面型のほうが楽な部品だから多面型にしてるんだよ。
シリコンを流す回数が増えるけども一体化により型自体の数を減らせば、そのぶん生産は楽になります。木枠できっちり固める人ならちょっと手間かもですが、ゴムで固定するだけなら何面だろうと生産作業時の手間は一緒です。分割をどうするか?ってのを考える必要はありますが、まぁ何とかなるよ。自分のでこれまでで一番多いのは1/72先進技術実証機の機体後部+斜め尾翼の部品で、5面型でした。
ちなみに、小さい部品は逆に面が少なくなって1面や1面+平面で抑える、ってしてます。小さい部品で底が平らなやつは1面を型取りして、レジンを流して気泡を取ってから適当なシリコンの塊の平面で抑えてつけて作ってます。こうすると小さい部品でも気泡を追い出せるのです、ツマヨウジでつんつんして気泡を掻き出すのね。レジンが周りにあふれるからバットの上でやります。このブロックで抑えるのが難しいような部品(抑えると逆に気泡が出来たりする)の場合、仕方ないので流すだけ流して片面は表面張力で膨らんだまんまにします。あとで切りとるタイプの部品がコレ。
3枚目、パッケージの絵の話。ワンフェスのガレキではパッケージに趣向を凝らしたものも多く、それも楽しみの一つですがウチでは中身の質実剛健主義なのと毎回時間が無いのとでシンプルなものにしています。この絵はペイント+マウスで15分くらいでちゃちゃっと描いたものです。AMX40も同様でした。マウスで書くのですんごい書きづらいんですが、少しデフォルメして輪郭がざっくり出るようにして、ゆるーい感じにしています。手抜きが行きついた結果なんですが、ゆるい感じが自分では気に入ってるので今後もこれでいくつもりです。ちなみに”カヴェなんたん”って呼び方、お気に入りなので皆様も使って広めて欲しいぞ。
箱は前から使ってる上部な2ピースの白箱で、これは事前出荷(会場で受け取る)してます。小物部品は後から管理するためにワンフェスでは小箱に分けておき、自分で会場に持っていきました。
ギリギリな状況でのリスク管理としてダメージコントロール(ダメコン)の考え方は大事だぞ。今回だと、大きくて事前出荷しないとヤバい車体部品とメインの箱だけ事前出荷に間に合わせておき、自力輸送できる小物を後に残して出荷後~自身出発の3日ほどで作業したわけね。会場受け取り荷物は火曜には出すので、自分が出発するまで少し時間ができるわけよ。最悪ケースが完全に落とすこと、次が見本のみできて商品丸ごと後日出荷、次が小物のみ後日出荷、って感じで段階を分けて考えます。小物のみ後日出荷なら送料は安くすむのでダメージが少ないから、大きな部品を優先すればダメージが小さく済むよねって考え方ね。こーゆうどこを切るか?って判断は大事なのでディーラーやる時は意識しようね、てゆーか余裕で間に合うように早め早めで作業しろよって話なんだけどね(汗)。
はい、そんなこんなで今更なマトメでした。かなりドタバタしましたが何とか一応間に合ったし、モノ自体は可能な限り再現できたと思うので良しとしましょう。カヴェなんたん自体がかなり地味で、外見がクルセイダーに似てるせいかまぁ作らなくていっかークルセイダーでいーやぐらいな感じかもしんないのがちょっと心配。今回は10個売れたけど今後売れるのかコレ…。
そんな心配をしつつ、次どうすっかなーと考えていますなう。船をやりたいので夏の戦車は軽めがいいなと思いつつ、チャリオテアー(クロムウェルベースの駆逐戦車)とかFV4005(センチュリオンベースの駆逐戦車)とかチャーチルのMk.ⅠとかセンチネルAC(オーストラリア戦車)とかの形状やら既存キットやらを調べてる今日この頃です。
最後に、キットをお買い上げいただいた皆様、誠にありがとうございました。このやたら文字の多い記事に最後まで付き合っていただいた方もありがとうございました。連続して読んでる人って5人くらいっぽいので、全部読んだら自慢していいですよ(苦笑)
完