1/35 イギリス 巡航戦車 カヴェナンター ガレージキット化への道 

1/35 イギリス 巡航戦車 カヴェナンター  ガレージキット化への道 

このページはディーラー「シープモデル」の中の人がワンダーフェスティバル2018冬に向けて主力になる商品、「1/35 イギリス 巡航戦車 カヴェナンター  」を開発していく過程を適当に報告していく記事です。不定期で順次追記していく予定なので思い出した時にでも見にきてください。従来と違って、2週に1回ペースで更新しようと思っています。2017/08/27に書き始めました。

はじめに、
・間に合わなかったり、やっぱ無しって可能性もあります。
・進行状況はリアルタイムじゃない場合があります。
・脱線したり、ほとんど進んでないじゃんって場面が出てくると思いますがご勘弁を。
・面倒なので口調が適当になっています。ご勘弁を。
・備忘録とかモチベ維持の意味合いが強いので、読み手のことあんまし考えてないです。
・稀によく誤字ります。

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1回目:2017/08/27
ネタの決定

例によって、まずは何でこれにしたのかというところの話から。ネタ選定は大事です。

決定した理由は大きい順に、
1.英国戦車史の中で、無視はできない戦車。
2.プラモ化されそうにない。
3.タミヤ/イタレリのクルセイダーが今なら入手しやすい。
4.めっちゃ流用できそう。(と思ったらそうでもなかった)

…ってな感じでして、巡航戦車の系譜に開いた穴を埋めたいなーと。マイナーですけど本国じゃ戦時中は人気がありましたし、けっこうな数の量産がされた戦車ですから、そこそこ需要はあるかなと。前のアンケートでもこれが一番ウケが良かっですし。

1については、簡単に説明するとカヴェナンターは知名度の高いクルセイダーの姉みたいな戦車で、カヴェナンターの開発途中にその不具合を見越して、別会社でカヴェナンターを元にしてクルセイダーが開発されました。完成時期がほぼ一緒で共通部品が多いので二つは非常に似通った形状になっています。細かいことは下で紹介した資料本を見てね。

ご存知の通り大戦終盤までのイギリス戦車は歩兵戦車と巡航戦車の2系統で開発されており、巡航戦車の系統を語るのにクルセイダーは欠かせず、クルセイダーを語ろうと思うとカヴェナンターに触れないわけにはいかないのね。てことで英国戦車を語りたかったらカヴェナンターを作るしかないね、だから買おうね(販促)。
ちなみに夏ワンフェス前に巡航戦車Mk.ⅠとⅡも後々やるかと検討してたんですが、ブロンコともう1社でのプラモ化が告知されたので止めました。検討段階で助かったよ、資料買うとこだった。

2について、たぶん無いと思います。やるとしたらブロンコですが、巡航戦車Mk.ⅢとⅣをやってから時間が経っており、今からカヴェ&クルをやりはしないだろうと。カヴェをプラモ化するなら当然クルと合わせてになるでしょうが、クルはイタレリのキットがあり、海外ではイタレリ製品はけっこう流通しています。となるとクルは買い替えになりますから新キットは売れづらい、カヴェもあんまし知名度ない、となるとインジェクションは元が取れないから無理ってなるんだろうなと。

3について、ガレキはクルセイダーのプラモを使った寄生キットにします。なので土台のキットが入手しやすいうちにやろうかと。転売ヤーによって入手難になってたけど再生産で落ち着くはず。また、タミヤ箱でイタレリのクルセイダーのリメイク版を発売したことで、タミヤが新金型でクルセイダーをやる可能性もほぼ無くなりました。これも理由の一つです。

4について、ざっくり言えばカヴェナンターの各型はクルセイダーのMk.Ⅰと砲塔、転輪、機動輪、誘導輪、履帯、エアクリーナー、燃料タンクなどが共通です(型によって違うのもあるよ)。だがしかし、あくまでクルセイダーのMk.Ⅰと共通なのでタミヤ箱のMk.Ⅲとは砲塔が違うという大問題があります。まぁ、イタレリのMk.Ⅰ砲塔って全体形はともかくボルトの形状とかが違うからどのみちまずいんだけどね…。細かく言うと実は履帯も形が違うんですけど、そのへんは今後で説明していきます。とにかくカヴェ&クルって調べてみるとかなりややこしい事になっているので、細かい部分はあまり気にしない方向でお願いします。

概略と型式の決定
続いて、うちのキットの概略予定やカヴェナンターの資料や既存キットについて触れます。
上の写真は資料2冊と手持ちのクルセイダー2個、このタミヤ/イタレリのクルセイダーMk.Ⅲを使います。
まず、うちの概略から。

「1/35 イギリス巡航戦車 カヴェナンターMk.Ⅰ(後期)」
・タミヤ/イタレリのクルセイダーMk.Ⅲを1個潰して作る寄生キットにします。
・型式は一番カヴェナンターらしい形をしてると思うMk.Ⅰの後期型を作ります。後期型ってのは便宜上の言い方で制式ではないよ。ざっくり言えば、砲塔前面にコブ(装甲)があり、転輪はクルセイダーMk.Ⅲと同じ、車体左前のラジエータカバーが小さい、状態のやつです。型式についてはややこしいので後日詳しく触れます。
・履帯はプラモのベルト式を流用します。よくよく調べると形状が少し違うのですが、妥協します。カヴェ&クルの履帯は案外ややこしく、詳しくはまた後日。
・定価は決めてないと1万にはなると思っていてください。プラモが別売りで3,000円くらい。
・例によって手作業原型でいきます。クルセイダーのプラモあるし、芯にしたほうが早そう。
・ざっくり言えば、車体と砲塔が全部レジン、脚周りはプラモ、小物は使えるものはプラモ使います。
・砲塔の旋回と砲身の俯仰だけできて、ハッチ類は全て閉で固定の予定です。
・デカールの類は付きません。砲身は市販の金属製を使いたいんですが、メーカー在庫切れっぽいのでどうするか検討中。
・砲塔は別売りしてクルセイダーのMk.ⅠとⅡに対応できるようにしたいなと。Mk.Ⅱの装甲厚の差は妥協して。

こんな感じです。ただし予定は未定にして決定に非ずです。なるべく出来と作り易さと価格のバランスが取れるようにしたいなと。

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資料について。今回資料として使うのはネットの拾いものに加えて次の2冊です、上の左写真ね。もう1冊の洋書は国内で扱っている書店が少なく、片っ端から当たってみましたが売り切れで取り寄せも既に不可能でした、これが一番詳しいっぽいのでかなり痛いです。

資料1
書名:世界の戦車イラストレイテッド16 クルセイダー巡航戦車 1939-1945
発行所:(株)大日本絵画 著者:デイヴィッド・フレッチャー 訳:三貴雅智
発行年月日:2002年8月10日 定価:1,300円+税

資料2
書名:グランドパワーNo.222 2012年11月号(メイン特集:イギリス巡航戦車1)
発行所:(株)ガリレオ出版 発行人:上田雅文 編集人:福西啓太
発行年月日:2012年9月27日 定価:2,350円(本体2,238円)

資料3(入手できず、ポーランドの本)
書名:Tnak Power No.356 Covenanter
発行所:Wydawnictwo Militaria  著者:不明
発行年月日:2011年頃 定価:2,700円ほど(国内で、入荷時期によってはもっと高い)

今回、夏ワンフェスの前にツイッターで資料知ってる人いたら教えて!ってアナウンスした所、連絡くださってグランパの特集号と洋書を教えて頂けました。改めて御礼申し上げます。m(_ _)mありがとうございました

資料1はおなじみオスプレイシリーズのやつ、モデグラの会社ね。このシリーズは訳書なので元著者によって深さが違うし、訳者もピンキリで訳者によっては読みにくく、アタリハズレが激しいです。このクルセイダーのやつはアタリのほうだと思います。個人的にはこのシリーズは普段あまり薦めないのですが、他に入手しやすい本が無いしもう1冊(グランパ)の特集よりはカヴェ&クルに特化したぶん詳しいので、1冊買うならこれが良いと思います。

資料2はおなじみグランパ。地元だと書店に置いてないので見る機会がなかなか無いです。あくまで特集の一つという扱いで、巡航戦車Mk.Ⅰ~クルセイダーまでを扱っているので個々の情報は少なめ。巡航戦車全体を知るにはいいかも。

資料3はポーランドの本で、国内では既に入手できないと思います。海外のAmazonには在ったので個人輸入すればいけるけどスゴイ金かかるよ…。さすがに諦めました。

ついでなので、戦車に詳しい海外サイトを一つ紹介しておきます。知ってる人も多いと思う。
Tank Encyclopedia (英語、別窓で開きます、スマホ無理かも)
カナダの人が管理してるサイトでwikiみたいにしてコンテンツを作ってるようです。2011年からやってるっぽい。写真とか絵とか使って大丈夫なん?て疑問はありますけど、内容は下手な書籍より詳しいです。バナーは気にせずに、上にあるタブから年代や国籍を選んでやると戦車の名前が並んだページに行くので、見たい戦車の名前をクリックしましょう。集合知で作ってるだけあって情報量はスゴイです、正確かどうかはどうせ書籍だって怪しいので一緒かと。英語だからと敬遠せずに一度は見てみてね。Covenanterは上タブのWW2のEuropeのUnited Kingdomのところに居ます。

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続いて、既存のキットについて。プラモ(インジェクションキット)は当然無いのですが、調べてみたらガレキは在りました。ただし、日本では入手が難しく特に1/35はもう生産していないです。海外サイトなので一応ウイルス対策ソフトとかONにした状態で見てください。

1/76レジンキット(イギリス産)
・メーカー:Milicast Models HPここ(英語、別窓で開きます、スマホ無理かも)
・ちょっとややこしいカタログへの順序:左タブ「Categories」内の「Battlefield series 1/76」→中央上の「British&Commonwealth」→国旗の横の「AFVs」→一覧が出ます。他国戦車も同様。
・ほぼ全型のカヴェナンターのキットあり、現在も購入可能、同人でなく企業or個人事業主です。
・他にもマイナー戦車がいっぱいあって、海外通販対応的なことが書いてあったので欲しい人は調べてみて。

1/35レジンキット(イギリス産、絶版)
・メーカー:Inside the Armour(ここのHPは既に運用してないっぽい&情報無いのでリンク貼りません)
仕方ないので大丈夫そうなサイトに直リンク貼ります。将来的に切れたらゴメン。
・キットの HPその1missing-lynx.com(模型通販の店、英語、別窓で開きます、スマホ無理かも)
・キットの HPその2Military Modelling(まとめサイト的なの、英語、別窓で開きます、スマホ無理かも)
・Mk.Ⅰ,Ⅱ,Ⅳのコンパチだがどの程度識別してるか不明。見本はごっちゃにしてある。
・2011年くらいに出たっぽい。もともとミリタリー系の同人誌をやってた人がガレキを出したみたいで、けっこう色々と出しています。2013年ぐらいにガレキからは完全に手を引いたらしく、出版のほうも現在活動しているのか不明です。迷惑になるといけないので連絡取らないこと。
・日本では流通してないと思いますが、少なくともお一人日本で購入して作っている人が居ます。
・価格は90ポンドでした(税がどうなるかは知らない)。現在のレートで12,500円ほど。
・メーカー名+1/35 tank あたりで検索すると色々出るので見てみて。海外勢やるなぁ…日本ちっせえなぁ…ってなるよ。

この二つが見つかりました。1/144は見てないけどありそうな気はします。1/76のほうは頑張れば購入できそうですが、1/35は絶版です。にしても海外勢はやっぱしスゴイですね、日本のアマチュア模型業界のガラパゴス具合というか、小さい集まりの中で既得権益とか権威を守って凄いフリをしてるだけに思えてきます。インジェクションの国内主要メーカーはそれなりに元気だし、アマチュアでも女の子フィギュアはダントツ世界一なんですけどね、アマチュアのミリタリーモデルだと完敗です。

そんなわけで、実質よそのサイトの紹介だけですが今回はここまで。次回はカヴェナンター&クルセイダーの関係と各型式がどんだけややこしい事になっているかを愚痴りたいと思います。2週間くらい開けるので気長に待ってね。

2回目:2017/09/09
ややこし過ぎるぞ型式と見た目
2回目ですが、まだ原型じゃなくって前置きの話です。カヴェナンターとクルセイダーの各型式と見た目について説明しておきます。これを説明しないとキットが思ってた形と違う!ってことになりかねんので、小難しい話になるけど頑張ってついてきてください。なお、一番詳しいであろうポーランドの本が手に入っていないので、本を見ればわかる部分や間違いもあるかもしれないけどご勘弁を。今回、超ややこしい上に長いのでヒマでマニアックな人だけどうぞ、ヒマじゃない人は流し読みで。

まず、各型式について「定義」を書いていきます。戦車の型式は見た目とか関係なしに軍やメーカーが作った「ここがこうなってるものをMk.何とする」という規定によって決まります。なので、目立つ変更点とは無関係に例えば機銃や無線機の種類だけで型式が決まることがよくあります。これをここでは「定義」として扱います。
上の実物写真はネットで拾ったもの。ほんとは勝手に使っちゃダメだけど説明に必要だから勘弁して。

・カヴェナンターMk.Ⅰ(左写真?):定義・特になし(最初に生産したモデル)

・カヴェナンターMk.Ⅱ(左写真?):定義・Ⅰのラジエーター(写真で黄aの部分)の上に多管式オイルクーラーを増設したもの。Ⅰから改造。(全てⅠからの改造なのか、最初からMK.Ⅱで生産したものもあるのか不明)

・カヴェナンターMk.Ⅲ:定義・車体の一部を再設計、新型の変速機、新型エアクリーナー、車体後半上面のレイアウト変更、オイルクーラーの位置変更、黄aのラジエーター部カバーが大型化、などの抜本的改設計を行ったもの。

・カヴェナンターMk.Ⅳ:定義・Mk.Ⅱに新型の変速機、新型エアクリーナー(Mk.Ⅲとは別、クルセのMk.Ⅲと同じ)、大型ラジエーター部カバーを付けたもの。要は従来車体にMk.Ⅲの改良点の一部を盛り込んだもの。

生産はMk.Ⅰ→(MK.Ⅱ新規生産?)→Mk.Ⅳ→Mk.Ⅲと思われる。改設計をしたMk.Ⅲが最後、なのでMk.Ⅰ&ⅡとⅣが生産数が多く、Ⅲはかなり少ない。MkⅢのみ車体後部が大きく異なるので識別は楽。

ついでにクルセイダーも軽く触れておくと

・クルセイダーMk.Ⅰ:定義・特になし(最初に生産したモデル)

・クルセイダーMk.Ⅱ:定義・MK.Ⅰの砲塔や車体の装甲厚を少し増やしたもの。他の変化は生産時期によるもので、型式の違いとは関係ない。外観上は砲塔前面左のスリット部分(中写真の橙え)と下部のコーナーの面取り以外、ほぼ識別は不可能。

・クルセイダーMk.Ⅲ:定義・6ポンド砲装備の新型砲塔を搭載したもの。

となる。この時点でもうわけわかんなくて読む気うせたでしょ?(苦笑)

**ここからさらにカヴェナンターの各部位の変化と型式の関係を主な部分だけ触れていきます。もっと細かい変化もあるけど流石に省略。

・左写真の黄a:ラジエーター部カバー、カヴェナンターの一番特徴的な部分。Mk.Ⅰでは写真のサイズでMk.ⅢとⅣは大型のものになる。面倒なのがMk.Ⅱで、オイルクーラーを増設したはずだが外観がどう変わるのかわからない。Milicast Modelsさんは大きな鉄板を貼ったものをMk.Ⅱと判断しているみたいだけど、確証が持てない。この部位は装甲カバーだったり鉄板だったり混合だたり何パターンもあり、Mk.ⅠとMk.Ⅱがそれぞれどういう形状かわからず、あげくMk.ⅡはⅠからの改造なので両者の識別は実質不可能だと考えます。なので、こっから先はMk.ⅡはMk.Ⅰと同じ形状とみなすことにします。ものの本でもⅠとⅡの識別については触れてなかったよ。

・写真2枚の砲塔:砲塔は大別して2種類あって、左のタイプが旧タイプで右が新タイプです。砲塔はクルセイダーも同じで、旧タイプはカヴェナンターMk.Ⅰ&Ⅱの途中までと、クルセイダーMk.Ⅰの初期のみで使っています。新タイプはカヴェナンターのMk.Ⅰ&Ⅱの途中からと全てのMk.ⅢとⅣ、クルセイダーMk.Ⅰの途中からで使っています。クルセイダーMk.Ⅱは装甲厚が違うため、見た目はほぼ一緒ですが違う砲塔です。
新タイプもかなり早くに出来てたみたいで、工場が違うのか旧と新が平行してた時期もあるっぽい。

・写真2枚の転輪:2種類あります。左が旧タイプ、右が新タイプ。旧はカヴェナンターMk.Ⅰ&Ⅱの途中までとクルセイダーMk.Ⅰの初期のみ。新タイプはそれ以降で、後継車のキャバリエ/セントー/クロムウェルでも初期は同じで途中からは少し形が変わったものになります。

・左写真の橙b:Mk.Ⅲだとこのへんに張り出した装甲があって、他と識別できます。博物館に現存してるのはMk.Ⅲ。

・左写真の青c:砲塔左にある元もとのアンテナ基部。これ結局使ってなくって、後で付かなくなりました。旧タイプ砲塔のほぼ全部と新タイプ砲塔の極初期まで付いていました。実際に使用したアンテナ基部は最初は砲塔左後部で、後から右側面や左側面にも付くようになります。ただ、指揮戦車仕様もあるのでどういう変遷や基準なのかよくわかりません。

・左写真の赤d:操縦手席の左の窓。本だとこれが「カヴェナンターMk.Ⅱにのみある」と書いてあるのですが、これ正確じゃないと思う。試作車にもあるしMk.Ⅰの時点であったはずです。Mk.ⅢとⅣは隠れて見えないですが無いと考えて間違いないかと。想像ですが、Mk.Ⅰが全てⅡに改造された後でMk.ⅡⅢⅣを比べて「Ⅱにだけある」と書いた文書があったんじゃないかと。なのでこの部位でMk.ⅡとⅠを識別することは出来ないと考えます。

・左写真の紫e:操縦手席のピストルポート。写真はポートが無い初期モデルで、後から上に開くカバー付きのピストルポートができます。無いのはカヴェナンターMk.Ⅰ&Ⅱの途中まで(多分、無しが多数派)とクルセイダーMk.Ⅰの初期のみ。この操縦手のカンオケはカヴェとクルでよく似ていますが別モノです。

・中写真の赤あ:Mk.Ⅳのエアクリーナーです。山菜のセンマイみたいな物が付いている新タイプで、クルセイダーのMk.Ⅱ(全部か大部分)とMk.Ⅲ(たぶん全部)でも同じです。旧タイプはもっと単純な箱形のやつ。自分のガレキでは旧タイプが必要なので、レジン部品にしないといけません。

・中写真の緑い:Mk.ⅣとⅢは車外に箱がいっぱい付きます。砲塔左のは対空機銃の弾丸、車体前にも箱が付けられるようになっています。砲塔後部の大きな箱はMk.Ⅰ&Ⅱの途中から付けており、レトロフィットさせた個体もあったんだと思います。

・中写真の青う:2ポンド砲について。砲の型式の差から外観が2種類あって、旧タイプは段差でなくテーパーになっているもの、新タイプは段差があるものです。旧はカヴェナンターMk.Ⅰ&Ⅱの途中までとクルセイダーMk.Ⅰの初期のみ。これはマチルダⅡなど他の車両でも同じ時期で変わっています。ただし、整備とかで旧を新に付け替えることはあったはずです。

要約すると、時期による変更箇所はカヴェナンターMk.Ⅰ&Ⅱの中ごろまでとクルセイダーMk.Ⅰの初期少しのみが一緒って感じ。新タイプの部品はクルセイダーに優先供給して旧タイプの残りをカヴェナンターで消費してたんだと思います。カヴェのMk.ⅣとⅢはクルセイダーがアフリカで戦闘を経験した後になり、現場でクルセイダーに施した改造をフィードバックしています、砲塔後ろの箱(偽装ネット入れ)や車体前の箱がそう。

***いいかげん面倒になってきたでしょ?***

まだ続くよ、履帯(キャタピラ)の話。履帯って面倒の極みなのでものの本でも触れずに済ませることが多く、カヴェ/クルでも詳しく触れてる資料は無いと思います。
結論から言えばカヴェナンター/クルセイダーで使っている履帯は最低でも3種類あり、タミヤ/イタレリのクルセイダーMk.Ⅲの履帯を流用すると、カヴェナンターMk.Ⅰ(後期)が多く使ってる履帯の形状とは違ってしまいます。けど履帯を部品で起こすと大変なのと、言われないと気付かない程度なので無視して流用します。

どういう違いなのか、ざっと説明します。上の右画像はMk.Ⅲで主流な新タイプ(プラモはこれ)の模式図です、でこぼこは省略しています。

カヴェナンターMk.Ⅰ&Ⅱ&Ⅳのほぼ全て、とクルセイダーMk.ⅠとMk.Ⅱの大半で使っている旧タイプは画像とは異なり、はっきりとした相違点は
・Eの部分の前後幅が大きい
・Aの部分が旧は中央のみ幅が広く、新は左右が幅広
・表面の凸凹パターンが違う
という点です。側面写真で見ると、旧と新では履帯の凸部分の大きさが違って見えるので識別できます。言われないと気付かないけど、並べて意識して見るとはっきりわかる程度の差です。
この点って気付いてないのか金型の節約か、知る限りこの旧タイプの履帯はインジェクションで部品化したモデルはありません。イタレリ(タミヤ箱も)の1/35はクルセイダーMK.Ⅰ、Mk.Ⅰ/Ⅱ、Mk.Ⅲと対空型がありますが全て同じです。タミヤの1/48もクルセイダーMK.Ⅰ、Ⅱ、対空で同じ。クルセイダーMK.Ⅰ/Ⅱは途中から変更したか整備のついでか新タイプの個体も少しは居ますが、一般的ではありません。なのでこれらのMk.ⅠとⅡのプラモは完全に間違いとは言えないけど一般的では無い履帯になっちゃってます。

3種類目は新タイプの亜種のようなもので、少し後に登場したようです。D部分のパターンが異なります、全体の大きさは一緒のようです。さらに、写真ではっきり確認できないのですが、パターン違いは他にもあるかもしれず、4種類目もあるかもしれません。

このクルーザーMk.Ⅲ~コメットの系統の履帯は少しづつ形を変えながら使われているので、厳密にどこで切り替わったかを特定するのは難しいと思います。

遡ると、クルーザーMk.ⅢとMk.Ⅳの履帯は段差の部分で前後2つに分かれていて側面(Bの部分)に丸凸が2個見えるので識別できます。これを一体化したのがカヴェ/クルの旧タイプで、連結状態だとぱっと見は同じですが丸凸が1個だけになります。またこれらの巡航戦車シリーズはC部分の穴が前後方向に開いているのが特徴ですが、プラモでの再現は困難です。クルーザーMk.Ⅲの履帯はブロンコが作ってて別売りもしていますが、こんなわけなのでカヴェ/クルには使えません。

カヴェ/クルのややこしさがわかっていただけたでしょうか?履帯なんてもう意識して触れないことにしてる感じすらするものね。タミヤも妥協してるぐらいだから妥協して下さい。
ガレージキットにするのは、カヴェナンターのMk.Ⅰで、”後期”とした意図は砲塔と転輪が中写真と同じ新タイプですよってことです。そのタイプが一番一般的だと思うのん。ただし、Mk.ⅠとⅡを外観で区別ができないと判断してるので、Mk.Ⅱ後期とも言えます、ややこしいね。特徴が混ざったやつも居たはずなので、なんかもう結局細かいことは気にしないでねって感じでお願いします(←おい)。

次回は2週間後、さすがに次は原型にとりかかった話をします。

3回目:2017/09/23
砲塔と3Dモデルと
3回目でやっと原型に手を付けます。写真があるから2段に分けるよ。
とりあえず砲塔から手をつけました。イタレリのクルセイダーMk.Ⅰのキット(No.6432)の部品を芯にして、全体形状とディテールと分割を変更します。ほんと芯にしかなってないけど、プラ板から起こすよりは簡単だし何より強度が確保できて作業中の破損を防げるのでこうしてます。

いきなり脱線しますが、クルセイダーのキットと砲塔についてちょい説明します。Mk.Ⅲは砲塔前面やハッチがⅠと違うのはもちろん、幅が少し大きく背も少し高くなっています。イタレリのキットは高さがMk.Ⅰとほぼ同じで、上下にちょっと潰れた形になっちゃってると思うけどどうなんだろ?タミヤ箱で2017年に出たやつは一部を改修してあり、後述する側面のハッチ形状や溶接表現などが良くなっています。
イタレリのMk.Ⅰの砲塔はMk.Ⅱと基本共用だったはず、前面がMk.Ⅰ(6432)だとコブの無い初期タイプで、Mk.Ⅱ(6385)だとコブがある後期タイプ。こっちは全体形は割りと良いのですが、前面コブ有りタイプだとこのコブの形状が良くなくって似てないのが大問題です。側面ハッチはMk.Ⅲと同様の問題があり、更に困るのがボルトの形状が違うという点です。Mk.ⅠとⅡは基本的には円錐形のボルトでMk.Ⅲが六角形なのですが、イタレリのキットはMk.Ⅲと同じ六角形になっちゃってます。

画像1枚目:ざっと処理した段階の砲塔部品です。ひとまず凸ディテールを全部削って、側面上半分を片側0.5mm増して、後部上半分の傾斜を少し起こして、後部下半分の上下厚を0.5mm増して傾斜をキツくしました。裏側を別部品にするので切りぬいて内壁を作って抜ける形状にします。ターレットリングは手を付けていませんが、サイズはプラモと同じにしてベロの部分はこれから取り払います。前面の分割を決めきっていないので、これからまだ変更するよ。
写真の赤丸したところのハッチが上で書いたやつで、長方形でないといけないのが抜きの都合か平行四辺形になっています、タミヤ箱のⅢは直ってるよ。青線のところは穴位置と形状が違うので一旦埋めます。これらの他にもチマチマとした問題が多々あるので、イタレリMk.Ⅰの砲塔は本気で直そうとするとかなり面倒…とゆーかほとんどディテール全直しなんですね。なので、今回作る砲塔は別売りもして、クルセイダーMk.ⅠとⅡの改造に使えるようにします。需要がどんだけあるんか疑問だけど。

2枚目:前面のコブです。コブは複雑な形状をしており、可動のために内側を丸くくり抜きたいのですが、内側を綺麗にするには加工の段取りを考えるのがけっこう面倒。なのでここだけ3Dモデルでざっと作ってプラ板に貼ってやろうと思ったんですけど、ウチにある個人向け3Dプリンタでやったらヒドイことになったよっていう写真です。右上が3Dモデルね。小さい物、カーブしてる物にめっぽう弱いとはいえ、プリンタ動作もうちょっとどうにかならんのかコレ…。根本的にやっぱし限界があって、これぐらいのサイズ(厚さ3mm以下で輪郭の一辺3cm以下くらい)の部品は個人向けの熱で溶かして積層するタイプでは無理ですね。

3枚目:裏側です。裏さえ綺麗なら何とかしますけど、当然のように裏はもっと悲惨っていうね。ざっと加工してみたんですけど、コレ直すくらいならプラ材から起こしたほうが早いじゃんって感じ。正確に再現しようと思うと内側に段差を付けて可動部品(砲身基部と回転軸)の前面にも段差を設けないといけませんが、この段差が厄介なんだなこれが。というわけで下に続く。

ウチの3Dプリンタじゃどうにもならんので、もういっそ他の部品とまとめて外注プリントに出してやろうかという考えにいたりました。実は自分では外注サービスは使ったことが無かったのですが、夏のワンフェスでいくつかのディーラーさんに聞いて割と安い&精密らしいので試してみましたよ。結果、思ってたより良かったです、はよ使えば良かった。とりあえず試しにどのみち必要なボルトを注文しましたよ。

1枚目:試しに外注出力したボルトの山です。少し触れたように、砲塔のボルトの頭部は基本的に拡大図みたいな円錐形で、切り欠きがあってスパナで締めます。この形状、あまり無い形なので1/35のアフターパーツでは無かったです。チャーチル用のやつが近い形なのですが大きさが全く違うのでダメ。プラ製のトゲを加工しようかとも思いましたが量が多いのでそれも却下。MENGモデルのセットで通販サイトの説明に”円錐ボルト”って書いてあるのがありましたが、実際は変則的な六角錘で違ってました。
3D CADでボルトの頭と植えるための軸と土台を1式作って、ちゃちゃっと複製して保護支柱を適当に生やします。大きさは小さくって、写真の正方形の中に400本あります。出力はDMMのプリントサービスで、材質アクリルで一番精密なUltraモードってので頼みました。モデルチェックから見積もりまで、自動でやってるみたいですごく早くって、制式発注後も一週間かからず届きました。価格はこの1枚で2,800円ほど。大きさからするとめっちゃ高い感じですが、市販品も軸があるタイプは安いやつでボルト100本で800円とかなので大差ないかと。基本料金+体積で価格が決まるので、小さい部品ばかりを繋げて1部品にして注文すればけっこうお徳に精密特殊部品が作れそうです。材質も塗装後に粉を吹くとかあるみたいですが、ちゃんと処理すれば大丈夫みたい、瞬間接着剤も適量を守れば使えます。写真じゃわからないですが、形状もちゃんと出来てました、積層痕も無視できるレベルで楽ちん。もっと大きい部品でも積層痕の処理は大した手間にならなそうな感じです。材質は色々選べて、一度にまとめて自動見積もりされます。

ってことで試した結果が楽ちんだったので、車体に乗ってる箱とかの地味に面倒な連中と砲塔前面はまとめて外注出力してしまって、砲塔本体と車体本体を手作業でいくことに決定しました。

2枚目:手作業メインから方針転換して3Dモデルを作っていきます。まず車体左前にあるラジエーターカバーから。3種類あって真ん中2つが同じで両端は幅が広く右のは操縦手のカンオケを避ける切り欠きがあります。このカバーはMk.Ⅰ&ⅡとⅢ&Ⅳで形が異なり、後者は長くぶ厚くなってて簡単に見分けがつきます。作ってる前者は通常この形なのですが、これを外して金属板1枚をカバー4つぶん跨って着けた個体や金属板とこのカバーの混成など、改造された個体が多く居ます。
モデル作成は簡単なほう。3D CGモデリング用のソフトだとサーフェス(表面)が閉じるように注意しないといけないですが、3D CADはもともとソリッドモデルで書くのでそこを気にしなくていいのが利点です、その代わり複雑な三次曲面を作るのはすごく難しいけど。最近はCGモデリングソフトも便利になったっぽいですね。

3枚目:車体背面後方にある箱。この上にスコップとか載ってますね。ボルトがけっこう精密にいけてたので、フタの止め金具も作ってみました。複製できるように簡略化してあるよ。こういった部品の寸法なんて資料に無いので、本の3面図と写真から判断して寸法を決めていきます。いちおうよくある感じの寸法の無い3面図はあった。

4枚目:マフラーと車体横の箱です。マフラーは左右共通にしたいので、取り付け部分を上下につけてひっくり返せるようにしました。余分なとこを削る手間が増えるけど勘弁して。形状はシンプルです。全く異なるMk.Ⅲは別として、Mk.Ⅰ&ⅡとⅣとではよく似てますけどちょっと違います。Ⅳだと排気部分の間全体に金属板を曲げたカバーが付き、両サイドにテーパーがついてバケツみたいな感じになっています。伸びた管と車体との結合部分も後で3Dモデルにしちゃう予定。
箱は箱。クルセイダーのものに似ていますが別モノです。補強の凸線は無いようなので無しです。これは左右共通。体積を減らせばプリント代が安くなるはずなので、裏側は程ほどにくり抜いています。

ついでなので脱線しちゃうと、モデラーの言う”図面”って色々だけどだいたい大してアテにならないと思うよ。
設計屋や加工屋などの実際の仕事現場で言う”図面”は狭義には「寸法、公差、縮尺など一式揃ってて図枠があって日付と製図者や検図者のサインが入ったもの」です。細かい扱いは会社や業種で多少違いますが、厳密に図面と呼べるのはコレだけで他は”図”です。この正規の図面はその部品や製品の形状や寸法を保証するもので、加工屋はその図面に正確であることを担保できなくてはなりません。もっとも、製造途中で色々変わっちゃって後で修正して改訂1とかにしちゃうことはあります。なので正規の図面でも図面(改訂前)と製品が異なるなんてことは稀によくあり(ホントはアカン)、正規の図面ですらアテになるとは限りません。ついでに、全体外観図なんかは細かい線は省略して見やすくする場合がある(とゆーか推奨されてる)ので、ネジが書いてないけど実際はあるとかいうこともあります。

概略図とか仮で出す図の場合はサインや図枠を省いたりして正規の図面とは区別して扱います。こうするとその図は最終的な製品の寸法や形状を担保するものではなくなります。つまり、この仮図を見ても実際の製品とは形が違う可能性があります。とはいえ、実際の設計者が書いてるぶんだけ次に挙げるものよりはアテにしやすいです。また、開発途中でも概略図とかなら制式に図面にしちゃって、社内で保管しとくようなことはあります、記録を制式に残すためね。

モデラーが一番目にするであろうものは寸法が入ってない輪郭だけの3面図かと思います。便宜上”図面”って呼んでも構わないのですが、本当の図面じゃないってのは理解しておきたいところ。これは本職に言わせると厳密には”図面”というより”絵図”で、人によっては”ただの絵”とまで言います。そもそも寸法入ってないですし、設計者が書いてない時点で何の保障もありません。唯一、実際の古い図面をそっくりトレースして見やすいように書き直したものであれば、相応の信頼性はあると思います。そういう場合、だいたい本にそうした旨を書いてありますね。たまに図鑑とかの只の絵図を指して「OOのキットは長さが違う」とか「OOが足りない」とか言う人が居ますけど、図そのものを検証してからじゃないと意味無いわよ?といつも思う次第です。
長々と書きましたが要するに、出所や製図者や製図時期を確認できない限り、図は図面として扱えませんよって事は覚えておいてね。まぁ呼ぶ時は本職でも全部”図面”って言っちゃうんだけどね。

今回ここまで。最後おもっきし脱線したし、そんなヒマあったら部品作れよと。あとは操縦手のカンオケが厄介な部品で、他の箱とか配管が10個ほどあります。細部の蝶番とかもついでに作って便利に使おうと思うので、それらも含めてあと1週間くらいかかるかなと。手作業よりはずっと早いです。全部まとめても1万円はかからんと踏んでるんですが、どうなるかなと。次回更新は2週間後の予定、出力した部品は流石に間に合わないはずです。ではでは。

4回目:2017/10/07
3Dモデルやって発注したよ
4回目です。前回書いた車体と砲塔の本体以外のゴチャっとした部品を3Dモデルにし終えて発注まで済ませました。発注先は前と同じDMMで、材質は光効果樹脂というやつにしました。

今週月曜に提出→一体化するの忘れててキャンセルされる→火曜に修正し再提出→水曜にメール来てて「薄くて壊れる可能性がある部分あるけどええか?」ってことだったので良い旨を返信→木曜に受付完了・造形開始のメールくる。ってとこまで進んでます。もう出力できてそうな気もしますが、ステータスが”造形中”から変化ないので機械の順番待ちで止まってるのかな?と。来週中には届くと思うけど、やっぱダメでしたってのも在り得なくはないです。

1枚目:発注した部品の全体像と裏面です。個々の部品を作っておいて、ランナーとかでつないで、ファイル変換&一体化をしています。価格は6,500円ほどでした、けっこう安いと思う。フィギュアなどでも同じで、繋げて一体化してあれば全身の部品を纏めて注文できるので安く済みます。逆に一体化してないとたとえ造形できる形でもファイル内部の部品が10点以上だと受付してくれません。注文直後の自動解析では「デキル」って自動メールしてくるけど、その後に人間が確認した段階でキャンセルくらうから注意。発注した後は経過に注意しましょう。

最近の3D CGモデリングソフトはたいていプリント用の一体化機能が備わってるはずです。無い場合は、AutoDesk社から出てるフリーソフトの「123D design」っていう3Dソフトが良いかと。たいてい[元形式]→元ソフト上で[SAT]に変換→123Dで[SAT]で開く→123Dで[STL]に変換と同時に一体化、って手順でいけると思います。もちろんサーフェスが破けてたりしたらダメですし、ソフトによっては寸法がおかしくなったりするかもしれません。一応[SAT]形式が3Dの共通形式ってことになってます(ただし、ゆーほど互換性ない)。ちなみにAutoDesk社はフランスのダッソー社(戦闘機で有名)の系列です。[SAT]でダメなら[STP]ってのも試してみて。

ようやく、部品について個々に紹介します。原型で別部品とするものと、原型では車体などと一体化する部品があります。原型製作を楽にするために3Dにしたってわけね。
主砲の軸は段差がややこしく、可動部なので3Dで確認しました、動作チェックしやすいのが3Dの利点ね。接続軸や砲身を挿す穴は開けず、目印の窪みだけにしています。
尾部ってのは車体尾部の起動輪の出っ張りのとこ。クルセイダーと似た形です。プラ板で作るにはちょっと面倒な形なので3Dにしときました。原型では車体と一体にします。
起動輪基部はそのものズバリ。すり鉢状になってるのでこれも手作業では面倒。原型では車体と一体にします。
クルセイダー1のライト。砲塔をクルセイダーの改造用に別売りする気なので、ついでにライトのディテールアップ部品も作っておこうかと。
箱はマフラーの横にある箱です。壁1面が傾いてるやつと、単純な長方体のやつがあります。単純なほうは手作業にしました。
フェンダー端は丸まってるタイプ。Mk.ⅢとⅣだと角ばったやつです。手作業だと前後左右で狂いが出そうなので3Dにしました。原型では車体と一体にします。
砲塔横アンテナ基部は生産時期が早い個体でついてる部品。これは別部品にして付けるか選べるようにします。
枝ってのはランナーみたいなもの。3Dプリントでは液体を流すわけじゃないので流路としてのランナーは必要ないのですが、複数部品をまとめて頼むためには必要です。適当に部品を配置して、枝を伸ばしてくっつけていきます。

2枚目:操縦手のカンオケの部品です。ボルト・リベットは手作業で植えるので除いて造形しています。ヒンジとか作ってますけど、どの程度まで細かく出力できるか、複製できるかはわからないので、この画像よりはディテールは潰れると思ってください。3Dモデルは基本的に実際よりも大きく見えるものなので、これも大きく見えてます。部品は基本一体化して、ハッチは開きません。この上面ハッチ、そもそも薄いからエッチングじゃないとリアルに作るの無理だもの。操縦手窓の装甲カバーは別部品なので開閉を選べます。左右の窓は原型では一体化します。前面右にあるコブは生産時期が早いものはこの形状で、ピストルポートはありません。ピストルポート有り用の部品を別に作っておいて、コブを削って部品を貼ればOKにします。ポートのフタは閉固定です。このカンオケ、ディテールの塊なので抜けるか心配です。

3枚目:配管関連の部品です。真ん中のがエアクリーナーの配管、手作業だと面倒な感じなので3Dで、左右共通です。エアクリーナーは単純な箱形のタイプですが、表面のディテールがあるので3Dで。クルセイダーMk.Ⅰにも使えるようにしています、プラモの部品だとちょっと味気ないのでディテールアップに。
車体との接合部は手作業では難しいので3Dで。円とか球が混じってる形って手作業だとしんどいですよね。抜きの都合で車体とは別部品にします。

4枚目:小物のセット、車体のヒンジなどのディテールもまとめてプリントして楽できねぇかなと思ってやっときました。小さいので、綺麗に出力できたらラッキーぐらいの感じです。基本的にディテールは車体と一体化します。
Aは砲塔後面の給水口のフタ。生産途中まではコレがあり、箱を付けてない個体にはだいたい在ります。これは別部品にして選択取り付け。
Bはオッパイみたいだけど違うぞ、真ん中は窪んでるぞ。カヴェ/クルの車体上面にいっぱいあるコレ、吊り金具(アイボルト)の取り付け座のようです。確証度80%くらい。ここに輪っかがついたボルトを挿して、ワイヤをかけてクレーンで吊るわけね。
Cは誘導輪の根元。もののついでで3Dに。抜きの都合で車体とは別部品の予定です。
Dは車体上面のヒンジ。カヴェの車体上面は大半がヒンジで開くことができるようになっています。箇所によって2種類り、必要数を出力して楽したいなと。
Eは車体前にある出っ張り。ライト用の電源コードの出口です。
Fは砲塔後部のアンテナの先っぽ。途中まではこんなのが付いてました。別部品にして取り付け選択です。
Gは配管の継ぎ目の段差。手作業でもいいけど試しに出力してみようかと。
Hは砲塔右のライト。これってタミヤ/イタレリ版のクルセイダーでは修正されてガラス部分が窪んだ、透明部品を付けられる形になっているんですが、昔のイタレリ箱だとガラスが一体なんですね。なので、古いキットを持ってる場合にディテールアップしやすいように、別売りしとこうかと。自分が使いたいってのもあります。
Iは車体についてるライトです。裏になってるけどガラス部分の無い状態、ただし透明部品は附属しません。市販品やストック部品でやりくりしてください。囲いはプラ板にするか、あれば薄い真鍮板を附属させようかと。どのみち薄すぎてレジンじゃ厳しい。
Jは車体上面にあるディテール。手じゃ無理なので出力しますけど、うまくいくか不安。給油口かなにかの頭のはず。

というわけで、車体と砲塔以外のだいたいの部品ができました。出力した部品は手作業での表面修正が必要なので全くの手間いらずでは無いですが、フル手作業よりはかなり時間短縮できたのでご機嫌です。まぁ、これでうまく出力できなかったら泣くんだけどね…。
来週には部品が届くと思うのでそれ次第な部分はありますが、この後は車体をざっくり3Dにして全体寸法・部品取り付け位置・スジ彫り、の位置を決めて、紙に印刷してプラ板を切って彫ってで原型を作ります。車体のようなでっかい平面の場合、3Dプリントだと全体が微妙に歪んでしまうのが怖いので昔ながらのプラ板工作のほうが良いと思うのですよ。輪郭ができて彫るもの彫ったら出力しておいた凸ディテールを貼れば楽に仕上がるという段取りです。
次回更新も2週間後の予定です、ちったぁ形になってるはず。

5回目:2017/10/15
3Dプリント部品が届いたよ
5回目です。前回やった3Dプリント部品が届いたので、予定を変更して更新します。結局、発注から1週間で到着しました、早いね。

細かく部品を見る前に、備忘録もかねてサービスや材料について箇条書きで纏めておきます。これから使う人の参考になればと。あくまで主観なのでそのつもりで。

・DMM.makeの「光造形樹脂のグレー」を使用。約6,500円、送料無料。
・材質は「アクリル樹脂相当」、厳密な名前は記載なし。上から吊りながら造形するタイプ。グレーと透明(ディアブル)では材質が異なるので注意。
・切削性は良好。スチロール樹脂(普通のプラモ)と比べて、表面の硬度は硬いが脆い印象でナイフによる切削が特に楽、紙やすりだとやすりの砥粒が負けるのか若干削りにくく目詰まりが早い印象。
・瞬間接着剤(シアノアクリレート系接着剤)で接着可能。スチロールと同程度。
・プラモ専用接着剤(プラセメントとか流し込みとか、スチロール樹脂用)は使用不可。特に速乾タイプ(ややシンナーが強い)は表面をかなり溶かす&脆くする。
・ラッカー溶剤、エナメル溶剤(ペテロールも)に対する耐性はスチロールと同程度な感じ。
・ラッカーパテでの表面修正が可能。食いつきはスチロールと同程度。他のパテも多分同じ。
・ラッカー塗料での塗装は可能、サフ無しでもスチロールと同程度。他の塗料も多分同じ。
・サポート材は適当にニッパーで切ると勝手にポキポキ取れていく。
・下面がやや硬化不足になって柔らかくなる場合が多い。紫外線で二次硬化させても完全には硬化しきらない層が少し残る感じ。皮一枚おとす感じで削る必要あり。
・材料液か何か、液体が下面のところ所に残る。液体と言ってもノリとかジャムみたいな感じ。台所洗剤に漬けたのでは落ちない。プラモ用のラッカー溶剤をかけてワイパーでふき取ると楽に取れる、部品はほとんど侵されない。
・積層痕はかなり小さい。特に、垂直面や傾斜した側面・上面はかなり良好。一番キツク出るのが上面の水平面。このため、平べったい部品なら普通に水平に置くよりも、垂直に立てた状態で出力したほうが表面修正が楽になると思う。
・底面はサポート材が付いていた痕が残るので、削って整える必要がある。
・パイプ状の部品もかなり正確に出力される。肉眼では歪みが無く見えるレベル。内径は凸凹のぶんだけ微妙に小さくなるため、何かを挿し込む場合は穴をあらかじめ大きめにしておく必要がある。

こんな感じです。総じて、イイネこれ(゚д゚)ノ 十分な仕上がりです。積層痕を整える必要はありますが、小さいディテール部品は気にしなくても良いレベルのやつもあります。大きめの部品も、ヒンジなどのディテールを残したまま処理できる程度です。ボルトやリベットは基本的に後から付けるともりでヒンジなどだけ一体でモデルにしておいたのですが、これで正解だったと思います。ボルトまであると流石にペーパーがけの邪魔。続いて写真ごとにコメントしていきます。

1枚目:全体像です。底面の板から木の枝みたいなのがたくさん生えて、その上に部品が造形されます。ただし、実際には底面を上にして、コウモリみたく逆さまの状態で造形していくそうです、なので造形中は底面が上。枝とかは勝手にやってくれるので3Dモデル作成時に気にする必要はありません、逆に言えば枝の生え具合の指定はできません。

2枚目:枝を切って部品を切り出していきます。枝と部品との境目はφ0.5mmほどと細くなっているので、適当に離れた所をニッパーで切っていくと勝手に枝先は部品からもげていきます。ちょっと気持ちイイ(笑)。材質は粘り気がなく衝撃によりひびが入りやすい感じなので、薄い&細い部品の場合は割れてしまわないように注意したほうがよいです。

3枚目:切り出し終わった部品です。切る前はけっこうあるように見えても、バラバラにしてしまえばこんなもんです。車体と一体化させる部品も混じってますが、だいたいは車体上と砲塔に付ける個別の部品です。大半の部品はこれでできたので、かなり時間短縮ができました。この部品は表面修正や裏面埋めやボルト植えをやれば完成です。

4枚目:比較的大きい部品たち。真ん中のやつに試しにプラパテを塗ってから軽く削っています。積層痕の縞模様が見えるかと。下の部品は裏面なので、小さい凸が枝がついてた部分です。プリント代が体積で決まるため、裏はなるべくくりぬいています、原型とし仕上げる段階で抜き方向やヒケを考慮して埋めたり埋めなかったりします。砲塔前面の部品なんかは曲面なのですが、余計な段差がほとんど無いのがわかるかと。個人用だとこうゆう曲面はガッタガタになりますが、業務用は流石ですね。「上面の平面」がガタガタになりやすいようなので、モデルの向きを工夫すればより楽ができそうです。左の部品は平たい板状の部品ですが、立てて出力したので使用時に上になる広い面(出力時には側面になってた面)は綺麗にできてます。これなら汚くなるのは狭い面なので修正が楽です。

5枚目:砲塔前面の裏とカンオケ。カンオケは軽く紙やすりでやすってみました、カスのおかげで傷が見やすいと思う。出力時に上面でも斜面になっていればそれほど積層痕は深くない感じです。ヒンジや止め金などの面倒なディテールは3Dモデルでやっておきましたが、十分なレベルで再現されています。さすがに最新の精密プラモと比べるとシャープさで劣りますが、イタレリのクルセイダーよりはむしろシャープなぐらいです。もっとも、あくまでこれを複製するわけですから、確実に悪化することは知っておいてください。そうは言っても、今までのうちのモデルと比べても精密感のある、市販のプラモに近い仕上がりを目指せそうな気はしていますので、期待してくれてもよくってよ? もっとも、量産された車両だから写真の無いものや試作1台のものと比べてどうしてもディテールが増えるっていう点も大きいわけですが。
砲塔の裏はヤスリがけで整えるのが大変なのでプリンタに頑張って欲しい部分nだったのですが、かなり綺麗にできています。これなら表面処理せずに使えそうだし、可動にも問題なさそうです。これだけでもすごく助かります。

はい、そんなわけで部品ができて嬉しかったのでとりあえずレポートしちゃいましたよ。この後は車体をプラ板から切って、部品の配置を試してスジ彫ってリベット植えて…と一番大きな作業をしていきます。今回のワンフェスは他にも新商品を出したいので、今からペースを上げてやるつもりですがどうなりますやら…。次回更新は2週間後の予定です。ではでは。


日付

2017年8月27日

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