1/35 FCM F1 重戦車 ガレージキット化への道
1/35 FCM F1 重戦車 ガレージキット化への道
このページはディーラー「シープモデル」の中の人がワンダーフェスティバル2021冬か夏に向けて主力になる商品、「1/35 フランス FCM F1 重戦車」を開発していく過程を適当に報告していく記事です。不定期で順次追記していく予定なので思い出した時にでも見にきてください。一応、隔週ペースで更新しようと思っていますけど、しばしば土曜日仕事なのでトぶときがあります。2020/08/16に書き始めました。
**更新ぶんは一番下に追記していきます。一気にスクロールしてください。**
はじめに、
・間に合わなかったり、やっぱ無しって可能性もあります。
・進行状況はリアルタイムじゃない場合があります。
・脱線したり、ほとんど進んでないじゃんって場面が出てくると思いますがご勘弁を。
・面倒なので口調が適当になっています。ご勘弁を。
・備忘録とかモチベ維持の意味合いが強いので、読み手のことあんまし考えてないです。
・稀によく誤字ります。
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1回目:2020/08/16
ネタの決定
今年は言わずもがなの新型コロナの関係で暗いご時世です。自身にはコロナの影響はあまり無いのですが、ワンフェスに一緒に行く同士諸氏にはけっこうな影響がありまして気をもんでいました。またコロナとは関係ないところで、この春11年連れ添ったうさぎさんが天国に旅立ちまして、なんとも言葉にできない感じです。
変わっていくものと変わらないものを見ながら、ガレキなんぞ作ってどうすんねんと思いつつ、何かしら作っていたいとも思う、そんな思春期なおじさんです。
それでは気をとりなおして、例のごとく何でこれにしたのかというところの話から。
決定した理由は大きい順に、
1.プラモ化されそうにない。
2.履帯が流用できる気がした(そして無理だった)。
3.単純な形状だからすぐ済むやろ。
4.諸説あるのをアレンジしていくのが楽しそう。
5.なんかこういう大きいやつはウチの担当かなーって。
1について、やるとしたらアミュージングホビーかタコムあたりですが、いかんせん人気が無い。大きいというだけで特に興味をひく特徴も無いので、まぁインジェクションにはならんでしょう。ただガルパン映画に出すという手もあるので全くのゼロではないけど。アミュはガルパン枢軸勢力と繋がりがあるようですから、情報もらって出すかもね。中華メーカー(アミュは実質中国企業)ならコイツの形状はすぐ作れるでしょうし。
2はARL44からいけるかなーと思ったらダメだった。前にARL44のガレキ化を検討したことがあって、たしか履板の幅でチャーチル+2mmがARL44で、ARLとFCM F1がだいたい一緒~、って結果だったなーと思ったんですが違った。今回見直したらARL+2mmでFCMの幅でした。前後長もけっこう違うので妥協しての流用も無理がある。レジンで部品起こすしかないです。
3単純だからすぐやろと思って毎回苦労してる件。車体と砲塔は確かにプラ板工作で済ませりゃすぐな気はしますが、結局戦車って脚周りが鬼門なので車体ってそんなに影響ないんですよね。まぁ大きさの割に楽なのは確かです。
4アレンジしませう。1枚だけあるモックアップの写真の形状を再現したのでは模型の模型になってしまって戦車には見えません。なので実車を想定してアレンジして、アレンジ加減は作る人が選べるような部品構成にしとこうかなと。
5なんかもう手のかかるゲテモノはうちの担当かなーって。実際、大きいやつって原型起こすことは出来てもレジンで複製して、変形に配慮して、購入者が組めるように、ってなると色々と大変なんですね。ワンオフでのスクラッチは誰でもできますが、キット化となるとある程度の経験や知見が必要ですから、じゃあやりましょうかと。
ついでなんでここで書いておくと、既存のガレキは存在します。1/72は5Mホビー(企業)から出てます、うちにもある。1/35も出てて、Zoo Modelってとこ(たぶん個人)から5万円でフルキットが出てます。あるならもういいじゃんって感じもしますが、5万はなんせ私がキツイので、じゃあ作るかと。
つづいて、実車のこととキットの仕様についてざっと説明。
とりあえず、上左の写真が言わずもがなのモックアップの写真ね。調べてみたけど現存する実物&モックアップの写真はこの1枚だけのようです。図面も1枚も無く、想像図程度のものも無いみたい。現在ネットとかにある線図は後から書かれたものです。ただ全体の寸法はけっこうはっきりした数字が残っているので、文字資料はあるのかもしれません。
モックアップ段階なので、細かい艤装については取り付けていない状態と思われます。装甲の分割とかハッチとかも決める前みたいで、一番最初の段階、全体の恰好と最低限の取り回しの確認のための実寸模型だったものと推測します。車内も最低限の配置は決めてあって、実際に中に入ってみて艤装を決めていこうとしてたんだろうなと。
ってことで、この見た目のまま戦車になることはありえない。けど全体のサイズと恰好はそう変化しないでしょうから、輪郭は維持して模型にすりゃよいだろうと。
この戦車、細かいこたぁウィキペでも見て頂くとして、武装の配置や数がすごく紆余曲折してるんですね。副砲塔が後ろのパターンとかもあったり、47mm砲でなく40mm機関砲で検討されてる時期もありました。ただ後方に副砲って配置は完全にボツになったようなので無視します。
で、問題がだ。主砲なんですが90mm砲と105mm(または100mm)で検討ってことなんですが、調べたところの私の結論としては、「本命は90mm、このモックアップは105mm砲の砲塔」です。ややこしいですが、諸々調べた限り「90mm砲の搭載でほぼ決定」したんですが、この90mm砲架の設計が遅れており、モックアップの完成に間に合わないので、目途がたっていた105mm砲搭載の砲塔で作った、ということのようです。90mm砲はよくある高射砲の転用なんですが、コレ搭載だとすると駐退復座機が防盾の前に出るはずなんですよね。無理やり中におさめると、たぶん後座量が足りない。この高射砲はそこそこ新しく、初速も早め、そのぶん反動や内圧も大きめなはずで、そのぶん車載用砲架の開発に手間どったんだろうなと。
じゃあ100mm砲のほうは何なんだってなわけですが、これは明確な記述が無く推定ですが、旧式の沿岸砲/潜水艦搭載砲を流用する予定だったんじゃないかと。はっきりした型式が無い(年度のmodel名のみ)んですが、1900年以前開発の砲で、潜水艦搭載用の単純な筒型砲架を使用した砲があるんですね。戦艦三笠などの世代が積んでる舷側砲と同様のものね。これがWW2のころでも沿岸砲台で現役でして、文字資料のみですが改良版のmodel 1936とかいうのが計画はあったっぽい。この改良版が長砲身化したものなんでないかなと。砲口径が大きいほうが搭載がしにくそうですが、こっちの旧式砲は初速が遅く反動も小さいですから、長砲身化したとしても90mmの高初速砲よりは砲架の設計がしやすいはずなんですね。FCM社は本来は造船屋ですから、そっちからひっぱて来たと考えるとけっこう自然な流れかなって。なにより、形とサイズがあてはまる既存の105mm砲がコレしかないんです。
そんなわけなんで、写真のやつはボツになる見込み大の105mm砲搭載砲塔なんですが、これのイメージなのでコレを再現します。その上で、計画上本命だった90mm砲搭載状態も再現できるように、防盾と砲身を二通り付属させようかなと。まだ予定だけど。
車体側面はツルツルじゃ何なので、キットは骨組みと表面と2重構造にしといて、ハッチやらなんやらアリの外板と無しの板と選べるようにしようかなと。ツルツルはプラ板でいいしね。
長々と書いた後でようやく2枚目の画像。寸法と分割検討用の3Dモデルです。今回は基本的にプラ板工作でいくつもりなので、細部は詰めずに輪郭と分割を決めるためにやります。線図を1/35にして適当に切っていっても同じに思われるかもしれませんが、板厚とか接着代とかちゃんと検討しないと失敗するので、こうして一回3Dにしたほうが確実です。変な形のキューポラとか各部の機銃とかスプロケとかはきっちり3Dで書いて3Dプリントする予定です、手だと難しいからね。
はい、そんなわけで実質作業してんの3Dモデルの絵一枚しか出してなくね?な初回でした。安心してください、次からプラ板工作メインになってもっと意味わかんなくなります。スケールキットの原型なんてそんなもんです。寸法の割り出しと分割検討してる時間のほうが長いんです。超絶技巧で手首作ったお☆~♪とか無いんです。こっちも書くのに悩むんだよわかれ(泣)
次の更新は2週間後の予定ですが、トブ可能性も高いので期待せずにどうぞ。
2回目:2020/08/30
履帯の話
4連休あけくらいまで立て込んでるもんで、あんまし時間が取れてないです。ってことで今回はあっさりで。履帯の話と、前回出すの忘れてた参考資料ページの紹介です。
画像1枚目と2枚目は連結した履帯の裏表です。仮の状態なので細部は詰めていません。毎度ながら戦車ガレキの鬼門が履帯と懸架装置でして、今回もココが一番の問題です。バラは数が多すぎるので、直線部分は連結した状態で部品化したいところ。形状はタミヤのB1やアミュホのARL44と同様なんですが、ああいう風にスナップで連結式ってのはレジン複製じゃ到底無理。R部分をバラにするにしても、連結はイモ付け接着になると思います。それかRにした状態で3~4枚を連結した部品にするか。1/72以下ならもっと誤魔化せるんですけど、1/35だとはっきり見えるちゃうので難しいです。
このへんの検討だけでも頭かかえるんですよね。B1とARLの部品を見ながらウンウンうなる日々です。連結がある出っぱり部分だけで別部品にとも検討してますが、何にせよいっぺん抜いてみないとわかんねぇなコレって感じです。この履板ってけっこう薄いので、ちゃんと抜けるかかなり怪しいんですよね。連結軸の部分は欠けるのが目に見えてるので無しにしてプラ棒つけるようにします。
寸法もはっきりとはわからないので、まだ調整中です。起動輪との噛み合いがあるので、そっちと行ったり来たりになるんですね。起動輪の径と歯数が確定できれば履帯のピッチはわかるのでいつもはそっちからアプローチするんですが、今回は起動輪の絵が全く無い。ネットに転がる3面図から一番妥当な物を選んでそれ準拠でやるしかない状態です。誘導輪とそれにかかる履帯ははっきり写真にあるんですが、2枚半しかかかってないのでは難しいと。
話変わって、前回出し忘れた資料ページの紹介。全部英語とか仏語の海外ページなので、パソコンでウイルスソフト確認してみてね。自己責任で踏んでね。これら以外にいつものタンク・エンサイクロペディアとウィキペも参考に。
Chars francais.net :計画のみの戦車まで含めてフランスが扱った戦車を広く網羅したサイト。聞いたこともないペーパープランもゴロゴロ。FCM F1についてはさほど情報がないけど、ARL44の写真が多くあるので参考になる。ムッシュなら一日遊べる情報量です。
FCM F1 and superheavy artillery,part 1 :たぶん誰かのブログ。文字情報だけどけっこう詳しい。載ってる3Dモデルは自作なのか拾ったのか知らないけど気合入ってる。
90mm砲のページ :FCM F1で搭載予定だったと思われるのがこの90mm高射砲です。この写真から検討しましたが、砲身下部の駐退復座機を車内に収めとなると、砲塔内いっぱい位まで食ってしまい、後座したらぶつかる感じなんですね。砲身の長さは伸ばせばいいのでさほど気にしなくていいかと。このことと、文字資料にあった記述からモックアップは100mm砲(又は105mm)と判定しました。
100mm砲のページ :ページというか英語版ウィキペ。このページだとmodel 1891ですけど、model 1917っていう改良版も多く使ってたっぽい。潜水艦搭載用としてはmodel 1925と1936ってのもあったっぽいけど詳細が全く無し。なんにせよ、100mm,105mmで当時のフランスが使ってた火砲を調べると実用化済のものはこのシリーズしかないみたいなんですね。計画のみなら他にもあるみたいですが、予定してた砲は実用化済みだったはずなのでそれらは却下。
砲身は元のものより伸ばしてると踏んでます、砲身形状違うのは無視していいと思う。この砲、装填と照準が左側で、右側は尾栓を閉める係だけ、って配置みたいなので、オフセット配置の理由も一応はつくかなと。ともかく、この砲ならあの砲塔に収まって操作もできるはず。
そんなこんなで誤魔化した第2回でした。履帯はけっこう何通りか検討してますが、まだ決めかねています。次回までには簡単に試作して構成を決めたいです。ではでは順調なら2週間後にまた。
3回目:2020/09/23
起動輪と誘導輪の話
4連休は1日仕事になって2日間おでかけしてたもんで、ほとんど作業できずでした。しかも仕事のほうで納期前倒しやらなんやらで10月がクソ忙しい1.5倍くらいの量とかになって戦慄してるところです。
今回は履帯とからむので一緒に考えておく必要のある起動輪と誘導輪の話。
画像1枚目が起動輪で2枚目が誘導輪ね、言うまでもないけども。後から外注3Dプリントするつもりなのでボルトやリベットは丸穴にしています。凸部分があると整形が難しいので凹の目印にしてるのね、整形後に植えるほうが簡単。形状やサイズはほぼこれで決定です。分割は後で考えるのでよし。起動輪の形状やサイズは写真からでは読みとれないので、サイズは全体の繋がりを考慮して、形状はB1のものを元にしています。
そういえば今まで起動輪を作る手順みたいなのを書いた事が無かったので少し触れてみます。大した話じゃないけど。
今回みたいな資料が皆無の場合、構造の把握→歯数と外径の決定→幅の決定→詳細の決定ってな感じです。履帯との絡みがあるので、履帯を決めてからもう一度調整をしますがひとまずはこれで決定。
起動輪の構造は歯と履帯の噛み方からおおまかに分けると、今回みたいな「丸い連結軸に歯をかける」のと、M4とかの「両端の丸軸でない連結部に歯をかける」、ドイツ戦車など多数派の「履板の穴に歯をかける」、マチルダ2などのレアもの「連結軸でない凸部分に歯をかける」ってな具合です。あとはシングルピンとかダブルピンとかの連結軸の構成で分けられます。それ以外は履板同士が噛みあう凸凹の数やら、ゴムパッドの有無やら、ガイドのトゲが単列か複列かやら、そのへんを把握してやるわけです。
今回はB1とARL44の構造と同じとみてよいでしょうから、わかりやすいケースですね。今までで一番わかりにくかったのはTOG2でした。単純に起動輪が映ってる写真がなかなか見つからなんだ。
続いて歯数と外径。写真があれば普通に数えて測ってで出します。寸法は不明でも他との比から正解に近い数字は出ます、センチネルなんかそのパターン。今回はどっちも不明なので、他とのバランスから外径を決めます。履板1枚の長さも仮に決めて、すると連結軸のピッチが出ます。連結軸のピッチと起動輪の外径が決まれば歯数は決まります、今回だと谷部1個とばしで引っ掛けるタイプなので、起動輪の谷部から2個先の谷部までの距離が履板の連結軸のピッチになるわけね。連結軸の太さも先に仮決めしておきます。今回はプラ棒の都合もあり無難に1mmです。ざっと計算してみて、歯数を決めて、連結軸のピッチで微調整して終わりです。
幅の決定について。ここまでは円周の部分だったので、今度は幅方向。内外の起動輪の歯と歯の間隔は履帯の構造から決まります。穴にかけるタイプなら穴の位置を調べればよくて、両端にかけるタイプなら全幅でいいし。今回だと、連結部分の出っぱりの内側に起動輪の歯が収まるタイプなので、この幅を調べます。写真には起動輪は写ってないですが、履帯の連結部分は影になって写ってるのでわかります、この幅を見ればOK。
詳細の決定はまぁなんとなくで仕上げます(オイ)。今回だとB1とARLでは造りが違うんですけど、ARLはドイツ戦車の影響を受けたようなのでB1のほうに合わせています。よく調べてないけどB1のは何か内蔵してんのかねこれ、減速機?このへん詳しくないです。歯はちょっと角ばった感じにして、古めかしさを出してみました。戦車になれてないメーカー製っぽさを出したいなと。昔の大型のギヤとか角ばった感じだし、造船屋ならこんな感じでくるかなって。
画像2枚目の誘導輪。こっちは写真にぼんやり写ってるし、もともと単純なのでサクっといきましょう。今回のだと誘導輪のフランジが履帯の連結部分の出っぱりをまたぎ、誘導輪のメインの筒が出っぱりに乗るようになっています。B1と一緒。ムクにするとヒケるので分割しますが、細かくは後でいいでしょう。
以上、一応は決定稿になった部品も出来てきたよ、ってことでご勘弁ください。脚周りさえ仕留めればあとは楽なはずだから…(フラグ)。今週と来週は土曜出勤で、来週から残業も入りそうなので次回更新は再来週になるかと。ではでは。
4回目:2020/10/18
脚周りの構成
前回の更新以降、仕事が忙しいゾーンに突入していて、何週間経ってんのかもよくわかってない状態でしたが4週間ほど空いてたのか、マジか。まだ夏の半袖のイメージでいたら急に寒くなっておもいっきし体調崩してるなうです。
今回ほとんど作業できてないので、何とか誤魔化すべくパパっと描いた絵でもって、脚周りの構成について説明します。
1枚目、ペイントで描いただけの足回りの模式図です。上が細かく再現verで、下が簡略化Verね。
FCM F1の脚周りは「独立懸架式」ということはわかるのですが、それ以上の情報はありません。まぁ普通に垂直コイルバネで、1箇所ずつで独立だろうと判断してやってます。一応、前後2組をペアってのもあるかもですが、まぁ単独とみていいでしょう。
画像の左は前後方向に見た断面図で、右は横から見た透視図、どっちも概略のみ。オレンジの部分が転輪で、緑が軸と軸受け、水色の縦棒がバネで上のブロックは土台になる部分です。黒は履帯で、ピンクが不明ながら支えらしき部分、茶色が側面装甲の基礎で灰色が表面、赤は底面。側面はキットではこのように二重構造にして表面の何やかんやの有無を選択できるようにします。
転輪はこのようにH型のもの2個が並列に並んでいる可能性が高いです。ARL44がそうなのでそれを真似ました。アミュージングホビーのプラモだと、プラモ化の都合による省略か、構造を理解していないのかわかりませんが、このH型のフランジ部分が片側だけになっていますね。プラモの分割的に仕方ない気もしますが。
アミュのARL44は他にも首をかしげる箇所が多々ある何気に問題キットだと思います。実物をろくに見ずにアニメの3Dモデルデータから作ったんだろなーって箇所が多々。まぁ…うん、詮索しないほうが身のためでしょうから、触れないでおきます。
よくわからないのがピンク色にした箇所です、モックアップの写真でも写ってるやつ。普通に考えれば外側の軸受けで、バネの上下に合わせて可動するようになってんでしょうけども、にしては形と大きさが変。ARL44の例では、海外の人が作った3Dモデルにて軸受けではない(転輪と接続していない)と判断してました。ARL44の実車写真だと見分けられるもんが出てこなかった。どっかでみたような気はするので、もうちょい探してみて判断します。こーいう所で構造をちゃんと再現したいところ。
画像の下半分は省略版。全部を上みたいな詳細版にすると部品数がエライことになりますので、ほぼ見えない大半の箇所はコレでいかせてください。前5個と後ろ3個を詳細版にすれば、あとの部分は組んだら全くと言っていいほど見えませんので。
簡略版ではTOGでやったように、転輪を円ではなく半円にして土台と一体にします。TOGと違って今回は軸部分が大きいので真ん中のブロックも一体にして、チラ見えしても支障がない程度の表現にします。
続いて右側の画像、詳細版用の転輪と軸の検討モデル。寸法は適当です、細部も無し、あくまで分割と抜き方の検討用です。基本的には模式図の色分けのように分ければいいと思うんですが、問題はオレンジの転輪の部分。H型でなおかつ側面に窪みを設けるとなると、普通に2分割したシリコン型ではダメなので、どうすっかなと。窪みやフランジ部分が小さければ無理やり抜く手もあるんですが、1台あたり16個使う想定だと、もっと確実な方法がいいなーと。かといってこれを2部品に分けるのも手間。どうしたもんかね。
外側の支え(模式図でピンクのとこ)は、とりあえずは軸受けのつもりで作ってあります。これほんと何なんだろ?ARL44とも違うって可能性もあるし、どう考えたもんかなと。モックアップの写真で3か所見えてるんですが、それぞれ四角い部分の長さが違って見えるんですよね…。軸受けなら転輪と支柱の位置関係は全部同じにしそうな気がするし、どう考えたもんかなと。ARLのこの箇所をまだ把握しきれてないので、もうちょい調べてみます。資料用のファイルどこやったかわかんなくなっちゃって探してるんですよね…。
以上、けっこう悩む箇所があるんだよ、って知ってもらいたいだけの回でした。こういう外に出てるけど普通だと見えない箇所ってとても困るんですよね。3号とかのトーションバー式や、T-34などのクリスティー式みたく完全に隠れるか、M4みたいにはっきり外に露出してればまだ調べやすいんですけどね。プラモ業界でドイツ戦車とT-34/KV-1以降のソ連戦車がキット化されがちなのって、人気はもちろんですが脚周りを作りやすい、ってのは絶対あると思う。アームと転輪の形状さえわかれば基本的には大間違いはしないですから。小転輪式は部品点数多いは詳細再現大変だわだし、M4とかは部品構成が複雑になりがちだし。
ってことなんで、みなさんAFVクラブのチャーチル・センチュリオン系やウチのセンチネルの脚周りを組むのが大変でも許してあげような!(まとめそこかよ)
5回目:2020/11/08
履帯の話~完結編~
いつの間にか3週間経ってましたね。ちょっと落ち着いてきたので、今週からは色々と作業できそうな感じです。暑いより寒いほうが耐えやすいので冬はけっこう作業しやすくて好き。
今回は履帯を仕上げたのでちょっと多めに画像のせます。ちょっとわかりにくいかもですが、履帯は板の部分と連結部の部分を分けて部品化することにします。画像4枚目がわかりやすいかな?透明ブルーのが板の部分で、グレーのが連結部分。連結部分はRになる部分はRにした状態で連結して成型して、直線部分も何個か繋いだ状態で部品化します。板はR部分はバラバラで、直線部分は多少妥協してつなげようかなと。なので、板+連結部分(内外で2本)+連結軸のプラ棒、とします。
画像1枚目は作業途中のもの。過程を紹介したいので、調整前のを載せてみました。連結部分を置いてみて、軸が噛み合うか?板がちゃんと乗るか?を見ていきます。1枚目だと、連結軸と歯がうまく合ってないのがわかるかと。起動輪のピッチを決めて、それに合わせて履板の軸ピッチも決めていますが、実際のとこ組んだらこんくらいの位置だろなー、っていう組付け誤差を予想してやるとこんくらいはズレてきます。こっから微調整します、基本的には履板の軸ピッチを大きくするのですが、そこの加減がコンマ1mmの加減なので少々悩みます。1枚を0.1mm大きくしても、5枚続けば0.5mm大きくなるわけで微妙なところ。最後は勘とノリで決めます。
2枚目は別の向きから。こっち向きの検討は幅が収まればいいだけなので簡単です。この起動輪、原型は3Dプリントするからいいとしても、複製が大変そう。歯のとこの空気を逃がすのを、予め考えておかないと詰みそうだなーって。こんなん一体誰が複製するんでしょうね?(白目)。
3枚目は調整後。連結軸を0.1mmのばして、それに合わせて繋ぐ角度を調整したもの。あと起動輪の歯も0.2mmくらいいじってます。たったそれだけですが、噛み合い具合がけっこう変わってるのがおわかりいただけるかと。0.1mmくらいなら組付けで何とでもなりそうに思えますが、円周部分の位置を合わせるのって案外どうにもならなかったりするんですよね。今回は連結部分をつないで成型する予定なのでなおさらです。この画像でも完全には合ってないんですが、この感じなら大丈夫なはず。
でもって、履板を透明にしてみてよくわかるのですが、歯が履板に当たってしまうんですね。なので履板の真ん中を少しエグることにしました。
4枚目は起動輪を省略して転輪を仮に置いてみたもの。連結部分の部品と履板の部品がよくわかるかと。転輪は前のやつを元にして、寸法を合わせました。寸法さえ決まれば、あとの細部はアレンジの範疇なので簡単なもんです。まぁ部品分割はまだ悩みどころなんですが…。
5枚目、履板の断面です。履板は前のやつとは違う、1から起こした3Dモデルです。前のは寸法検討用のざっくりモデルだからね。画像1枚でサラリと流しますが、これ作るのがけっこう大変でした。曲面ばっかしなんだもの。モックアップの写真から、ある程度は形がわかる部位なので、なるべく再現しています。構造はARLやB1と同じとみて良いので、そのように。連結軸の部分はアミュのARLとタミヤのB1では簡略化していますが、実際は履板から浮いた丸軸です。ARLの場合、ここが履板の軸部分に「パイプが溶接してあって丸軸を通す」のか、「丸軸を渡すだけ(パイプなど無い)」のかわかんなかった。普通に考えれば後者なんですが、写真だとパイプが履板に付けてあるように見えるものがあるんですね。まぁ見た目は大差ないのでいいかーっと。
断面でわかるように、中央部分をエグって歯をかわすようにしました。実際はどうだかわかりませんが、ヒケ対策にもなるので実物でもこうかもしれないなーと。実物では連結部分と板は一体鋳造でしょうが、キットでは別部品なので位置決めが必要です。当てを設けたのでたぶん楽に決まるかと。
そんなわけで、また履帯で脚踏みしてるようですが、実はけっこう進んだ回でした。ほんと脚が難所なんで、ここさえ乗り切ればって感じなんですね。あとは転輪周りの分割を決めなきゃだけども、それは胴体やりつつ決めます。一番みみっちくて手間のかかるところが済んだので、気分的にかなり楽になりました。胴体や砲塔はやってて楽しいのでヨシ。
これでだいぶ展望が見えてきました。次の更新は大きい部品が進んで派手なんじゃないかな?(フラグ)
6回目:2020/11/29
少しだけ側面の話
3連休は当日になって親戚が急遽来襲して何も出来なかったよチックしょーぅ( ゚Д゚)ノ
この土日と次は土曜が仕事なのでロクに作業できんので、また停滞しそうです。
ほとんどやってないので、サクっといきます。左画像は最初に作った検討用のモデルに、今回作った側面と、起動輪などをのっけてみたもの。本車の側面はどうなっていたかわからず、モックアップではつんつるてんです。実際何もない可能性も高いですが、模型的には何かあったほうが面白いので、色々とつけた版と何も無し版どっちか選んで作れる感じでいきます。
右画像は斜め後方から見たもの。上側は転輪なのかスキッドなのか不明。こいつの履板重そうだしさすがに転輪なんじゃないかと思うので、転輪でいく予定です。起動輪はモックアップに合わせてむき出しの状態で。前側半分の歯まで完全にむき出しなのかは疑問ですが、まぁ見栄えはするのでいいかなと。
側面のディテールはまだ検討段階です。特にボルト/リベットは適当で、TOG2みたいな感じにするか、リベットずらーっと並べるか考え中。古い感じにしたいので、リベットの方がいいかな。ハッチとかは一応は構造を考えてあって、前のが小砲塔用の出入り口、真ん中のがエンジン冷却用の吸排気口のルーバー、後方のが側面機銃手・主砲塔の出入り口、その上に側面機銃、としています。パネルは下側はメンテ用に別になってると考えて、区画は3つに分かれているとみて3分割+前後端としました。本車の構造のイメージはまた時間有る時に画像で説明したいですが、単純に言えば前方の砲塔&操縦区画、中央がエンジン、後部の上半分が主砲塔とバスケット、その下に配線通して、一番後ろにモータと減速機、という構成だろうなと。側面にルーバーをつけましたが、これはあったかどうか疑問で、無かっただろうなって気はします、あってもB1みたく片側だけ。模型映えの為に、選択式で部品は入れとくよってなわけ。上面の箱みたいなのがエンジンの吸気口でしょうから冷却空気も上面かなーと。2Cみたいに小さいのを並べるのもアリかな。
そんなわけで、どう見てもほとんど作業したない回でした。すでに年末進行に入っていて、けっこう忙しいのですよ。次は側面ブロック固められたらいいなーと。
7回目:2021/01/04
状況整理の話
あけましても何もめでたくは無いですよ?年末進行の忙しさでずっと止まっていて面目ないです。正月もいつの間にか終わろうとしています、あと3日は欲しいぞ。
今回、目に見えてわかるような変化が無いので画像は軽く流します。砲塔2つの輪郭と砲身の加減を調整したり車体前面の角度や広さを調整したり、フェンダーの先端を確定したり。地味な書き直しをしてあります。一応変化してるんだけど、自分でもわからんくらいの差なので…。
でだ、冬ワンフェスは開催が怪しいですがどのみち出ないので置いておくとして、夏ワンフェスの出品を考えるとそろそろ原型を作り始めないといけないわけですよ。3Dモデルは所詮はデータでしかないので、形のある原型を作らなきゃなわけね。なので、もうプラ板から切り出していく部品と3Dプリントに出す部品を書き出しつつ、状況を整理します。3Dプリントもディテールは後で手作業で追加したりするので、そのへんも整理するよ。
プラ板切り出し組
・車体側面/前/中1/中2/後ろ***確定、ディテール無し版も
・車体前面/上半分/下半分***確定
・車体天面***確定、フェンダー一体にする
・車体後面***途中、細部まだ
・上部転輪の周囲***確定
・転輪土台/前/中***途中、組み立てかた確認要
・主砲塔***確定、展開図にして折り曲げ、C面は頑張る
・副砲塔***確定、展開図にして折り曲げ、C面は頑張る
・車体天面のグリル***確定
3Dプリント組
・主砲塔のキューポラ***確定、細部は手作業、窓部分は別で出力
・機銃***確定
・主砲基部***確定
・副砲基部***途中、輪郭未確定
・マフラー***未着手、左右兼用にしとく
・転輪、詳細版***確定、流路も合わせてプリントできるようにしとく
・転輪、連続版***途中、取り付けと分割未確定
・起動輪、誘導輪***確定、内外兼ねるようにしとく
・履帯***確定、バラ、連結とプリントする
・小物***牽引具とか、未検討
・副砲身***忘れてた。主砲身は市販テーパー棒
こうして見ると案外済んでんのかな?って気がしなくもない。
もう3Dモデルにも飽きたので、プラ板を切った貼ったして形にしてモチベーション上げてから、3Dプリントが必要な物の仕上げをする予定です。年明けは当面仕事が立て込んでて疲れて帰ると思うので、どんだけ作業できるか怪しいですが、ともかく3月中には複製開始できるぐらいでないと間に合わないので、チマチマでもやっていきます。
8回目:2021/01/31
めっちゃ忙しいぞの話
どうにもならんくい仕事が忙しいですよ?なこの頃です。かろうじてわずかに作業してる感じ。
年明け早々に職場で一人急に退職しちゃいまして、更に元から忙しかったのに丸一ヶ月分くらいの仕事が追加になりまして、もう諦めとく?という会話が飛び交う状況なんですね。普段なら残業とか無いんですが、年明け2週目から残業と土曜出勤がデフォになってきてます。知人を捕まえてきてバイトや内職をしてもらってるほど。このコロナ騒乱の中でありがたいことではあるんですが、こんなに仕事いらねぇですよ?
で、平日は机に着く気力も筋力も残っていないので、日曜に細々と作業しました。つってもプラ板切り出しなので写真撮ってません。まだ箱に組んでいないのだ。とりあえず主砲塔の輪郭になる板をあらかた切ってあって、車体側面は長方形のとこだけ切ってある状態。大きいけど直線ばかりなので切るのは楽ですね。
画像は切り出すために3Dモデルを2Dに落とした図です。寸法を入れる必要がないので、適当に配置して1:1で印刷するだけでOK。
こいつの場合、砲塔の各エッジは面取りがされているのが写真で確認できます。これはフランス戦車のクセというか定石らしく、ARL44の車体側面なんかもいい例です。ちなみにアミュホのARLはこれをほぼ無視していて、修正するとなるとけっこう手間です。
上の画像でわかるように、プラ板切り出し作業ではまずは面取りを無視して輪郭を出してから、面取りをする手順でいきます。そっちの方が楽なはず、3Dプリントするなら最初からいけるんだけども。上の図だと、面取りをしてある3Dモデルで面取りの項目を一旦OFFにしたモデルを2Dにしています、ON/OFFの切り替えは簡単にできるので、そこの手間は無いです。まぁ手作業で拾いC面を出すのはけっこう面倒で精度を出すのが大変なんですけどね…。
作業が進んでいないので、蛇足でプラ板切り出し箱組み工作のコツというか自分版の注意事項とかを書いてみておきます。人によってかなり違いがあると思うので、ご参考までに。
・工具はデザインナイフ1本で。基本的にナイフが一番だと思う。Pカッターは断面の整形が手間だし寸法狂うからダメ。
・基本はt=0.5で。最終的な厚みによりけりですが、基本的には0.5のプラ板で積層するのが安定します。厚みがある場合、寸法が狂ってもいい内側で1mmを使うのもアリ。1mmだとナイフの刃先が折れやすいので注意。
・箱組みなら、板の厚みと組み方に注意。当たり前ですがやりガチなミス。一方の断面をもう一方の背面に突き合わせて箱形に接着する場合、輪郭の大きさで全ての面を切ってしまうと欲しい大きさになりません。隣り合う面の片方は厚みぶん短く切らないとダメ。言葉で説明しにくいですが、何のことかはわかってもらえるかと。初歩的ですがやりがちなので、注意しましょう。
・屈折部は内側の板を繋いだ状態で切り出して折る、上にバラの板を重ねる(又はこの逆)。これが強度を確保しつつ、形状を維持しやすいです。どっちか片方だと強度か寸法が劣る。折り曲げる板の切り出しが確実なら外側にして、自信が無かったりC面を後で落とす場合は内側にして、形状が確実な単体の面を貼り重ねると良い。
・接着は流し込みで。積層する時は当然これ、各面を繋ぐのも流し込みのほうが楽だと思う。
・補強はL字棒と流動性の高いパテか瞬着で。箱組みの内側にL字棒を貼った後、内角のとこに流れやすくしたポリパテか瞬着を垂らして、角が自然とRになるようにすると手間がかからず楽です。
・必要に応じて抜きテーパーを。箱組みした後で0.3mmのプラ板を内側に貼り足して斜面にして、抜きテーパーとすることもあります。ウチのオイ車で多用してるやり方で、この抜きテーパーが無いと大きい砲塔とかは複製が困難になります。内側になるシリコンが抜けづらくなって、すぐ千切れちゃうのね。
以上、とりあえずの生存報告程度の回でした。お仕事は2月3月もどうも首が回らないみたいなので、作業の見通しが全然つかなくなってしまいました。一応3週に1回は生存報告ぐらいはするようにしますので、たまに見てやって下さい。ではでは。
9回目:2020/02/28
なんぼか形にしたよの話
だいぶご無沙汰しておりまして申し訳ないです。2月はホンマ忙しかった上に寒暖差が激しくて体調崩しまして、何年かぶりのハードさでした。ロクに進んでないですが、生存報告をば。
画像はどうにかこうにかで輪郭だけだした主砲塔です。まだ面を整えてすらいない、箱にしただけのもの。これからひとまず合わせ目を整えて、C面を削ってディテール入れてとなります。けっこうやること残ってる。
こうして組んでみると、この砲塔そこまで大きくないような気がします。車体がデカいだけで、砲塔はそこまででもないのね。ティーガー2よりひとまわり大きいかなーぐらいの印象です。
周りに散乱してるのが図面とプラ板の切りカス。工作するといつもこんなになります。言うまでもなく、本当はこういうの掃除しながら作業するのが上手いやり方なので真似しないように。実際、切った部品なのか切りカスなのかわかんなくなってくるしね。
接着な速乾タイプの流しこみ接着剤、隙間や裏うちはなるべくプラ板の細い切りカスで行い、それでも残る隙間は瞬間接着剤パテで埋めます。曲面を作るのでなければ、ポリパテは使わないほうが無難。
今回はこんなもんでご勘弁下さい。今回も、か。3月は忙しいけども予定が立つタイプの忙しさなので、急な残業でヘロヘロに~ということは減りそうです。いい加減シリに火が着いてきたので、頑張らないとです。