1/72  J-35Ö ドラケン戦闘機  ハセガワ

1/72  J-35Ö  ドラケン戦闘機  キット/ハセガワ製  オーストリア空軍 特別塗装機draken_1<実機解説>
サーブJ-35ドラケンはスウェーデンが1950年代に開発した戦闘機で、1955年に初飛行し翌年から量産されました。生産機数は偵察型などひっくるめて615機で、J-35Öはオーストリア向けの輸出型です。ダブルデルタ形式という翼形を採用した初の実用機で、ブレンデッドウイングボディの先駆けでもあります。それら先進的な設計による独特の外観は、非常に古い機体ながら現行の戦闘機とも思える美しいものです(主観)。フライバイワイヤや風洞実験のコンピュータシミュレーションが無い時代では失敗しやすい文字通り尖がった設計ですが、STOL性能や小型化など色々と欲張ったにも関わらず成功した機体でした。北欧諸国に輸出され2005年にオーストリアで退役するまで長く使われています。本機を開発したサーブ社はスウェーデンの工業メーカーで自動車でも有名です、現在もグリペン戦闘機などを開発生産しており、ミリオタ以外にはあまり知られませんがスウェーデンは小さい国ながら一級軍用機を開発し続けている数少ない国の一つです。

<キット解説>
ハセガワのJ-35Öドラケン”オーストリア空軍フェアウェルスペシャル”を使っています。ハセガワ製のドラケンは多分1994年が初版でBP帯で出ていました。使用キットは特別塗装機2機セットで、2006年発売で何回か再販されています。赤白のと黒いのと各1機作ることができ、この記念塗装機は有名で人気もあるようで、ハセガワ1/48や他社製でもキットが出ています。どちらも2005年の機体を再現したもので、黒いのがオーストリア空軍 第1戦闘飛行隊 退役記念で、赤いのが同隊の特別塗装機です。ハセガワが凹モールドで1/72軍用機を次々と開発していた時期のキットで、非常にいい出来です、ちなみに複座型もありました。

<作例について>
2機セットのうち、黒い方は下面に模様があって飛行姿勢で綺麗になるデザインなので、飛行姿勢で作りました。赤いほうは定番の地上姿勢です。どっちも工作はキット通りで、閉じた脚扉は糊シロ部分を切れば大丈夫でした。とにかく赤いほうの塗装が厄介で、上から見て塗りわけが直線に見えるように注意します。色合いは赤が微妙なので写真を見ながら調色しました、ツヤ消しなのでまず全部ツヤ有りで塗ってデカールを貼ってからツヤを消しますが、一部ミスってシルバリングを起こしています。作例写真だと写りがイマイチで赤の色味が実物と違っているのであまり参考にしないでください。デカールは気持ち良く貼れますが、様子を見て切りこみを入れる必要がありました。黒いほうはケースに入れずに飾っていたせいでホコリをかぶってしまい、かなり白っぽくなってしまってツヤも無くなっています。腹側の色具合が正解です。現用機と言われてもおかしく無いようなデザインの本機は魅力的な塗装のデカール違いも発売されていますので、まだ作ってない人はぜひ一作どうぞ。ちなみに今回、クリスマスにちなんで色がそれっぽいコイツを選んで記事にしました。


Top