1/72  回天一型  ファインモールド

1/72  回天一型  キット/ファインモールド製  kaiten_1<実艦解説>
回天一型はいわゆる人間魚雷で、日本海軍が大戦末期に使用した特攻専用の兵器です。主に潜水艦の甲板に搭載され、敵艦に近づいてから発進して体当たり攻撃を行います、本土決戦の際は沿岸基地からの発進も想定されていました。構造は駆逐艦などが使用した九三式魚雷(酸素魚雷)の機関をほぼそのまま流用し太く長くして操縦席などを設けています、尾部の細くなった部分が元の魚雷の太さです。頭部炸薬は1500kgあり九三式三型魚雷の780kgから倍近く、小型艦なら一発で沈没し空母などでも致命傷になりかねない威力がありました。回天は小型で操縦が難しく訓練中の事故による殉職者が多数出ています、そして制海権を完全に喪失した状態では郡上層部が期待したような戦果を上げられるはずもなく、多数の犠牲にもかかわらず戦果は撃沈3小大破5といわれます(諸説あり)。回天搭乗員の戦没者数は出撃・事故・空襲などを含めて106名と言われます(キット開設書より)。

<キット解説>
ファインモールドのキットは1990年代後半(確か)に開発されたキットです、もともと「オイツー」とうファインモールドの別ブランド名で出ていましたが、今はファインモールド名義で2隻セット2,400円で出ています。今回作ったのは2006年に映画「出口のない海」の公開時に発売された映画パッケージ版で1隻入り1600円です。キットはもともとの形状が単純なこともあって部品が少なくランナーは1枚のみで、ボリュームを考えるとかなり高価なキットです。説明書はファインモールドらしく丁寧な解説がつきます、デカールは数字と菊水マークが付属。

<作例について>
キットのまま組み立てています。キットの本体は上下を張り合わせて細かい部品を付けるだけなので、合わせ目消しが難しい以外はあっという間に形になります、そのことが回天の異常さを感じさせて辛くなるキットです。塗装も単調ですが、汚しやグラデをかける気持ちにはなれないのでひたすら丁寧に作って塗るようにしました。キットの色指定ではスクリューが金色ですが、実物の材質から金色ということは無いので銀色にしています。完成した回天を同じスケールの零戦と比較してみると、その異常さがよくわかるかと思います、潜水するにもかかわらず零戦並みに細い胴体と長い弾頭部分が特攻専用兵器の非人道性を感じさせます。回天は”艦船”と呼べる代物ではありませんが、”その他”にするのもしのびない為ここでは”艦船模型”のページに載せました。一般的に名前はよく知られている回天ですが誤解も多いみたいなので、模型を通じてでも調べてみる機会を作ってもらえれば幸いです。

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回天神社 in 大分


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