1/35 AC1 センチネル巡行戦車 ガレージキット 組み立て説明

1/35 オーストラリア AC1 センチネル巡行戦車 ガレージキット 組み立て説明

このページではガレージキット「1/35 オーストラリア AC1 センチネル巡航戦車 」の組み立て説明をしています。
キットを購入された方はこちらを読んでから作業してくださいね。量が多いので一度に覚えようとせず、作業前に1回通しでざっと読んだら、あとは作業の進捗に合わせて読みなおすようにしてください。

部品が足りていなかった場合やHPでの解説ではわからん!ってとこがあった場合は、「お問い合わせ」からメールフォームを使って、仮名で構いませんのでご連絡下さい。個人生産なのでいつまでにとかいう期限は無いです(早いに越したこたぁないですが)。

ガレージキットの組み立て全般で、ちょっと細かい工作について1/35 TOG の時に作ったページがあるので、経験が浅い人はこっちも見ておいて下さい。リンク (同じ窓で開きます)
一応、完成見本へのリンクも貼っておきます。リンク(同じ窓で開きます)

*目次*(ジャンプ機能は無いです)
・部品の確認~洗浄
・基本的な注意事項
・組み立て順序の説明
・脚周りの組み立て1
・脚周りの組み立て2
・車体の組み立て
・車体の細部の加工
・砲塔の組み立て1
・砲塔の組み立て2
・車体上の組み立て1
・車体上の組み立て2
・塗装と最終組み立て

*目次ここまで*

・部品の確認~洗浄
とりあえず、上の写真を見て部品を確認してください(クリックで拡大)。ゲートの状態によっては見た目が少し違うこともあります。一応どの部分か書いておきましたが、どこよ?って思ったらひとまず無視してこの後の説明を一通り見て下さい。左右と書いている部品は左右対称で見た目が似ている=入れ間違いの可能性大なので特に注意して下さい。板に付いている1~10の部品は予備があります。修復用部品はボルトなどの修復用です。

これらレジン部品に加えてプラ板や棒が色々と入っていますが、それらを説明します。箱のフタの裏に付けてる場合もあるのでよく見てみて。
長さが書いてないやつは適当で大丈夫なやつです。その他も長さは多少のバラつきがあります。
・t=0.3mmプラ板1枚・・・・・・・・・・各部ディテールの作成用
・t=0.14mmプラ板小切れ1枚・・・・・・ジャッキ台と水缶の押さえ用
・真鍮帯、極細W=0.4、L=約8、1枚・・・水缶の取っ手用
・真鍮帯、中細W=1.0、L=約21、1枚・・・牽引ワイヤの押さえ用
・真鍮帯、やや太W=1.4、L=約64、1枚・・・予備履帯の押さえ用
・真鍮帯、太W=約3.3、L=約40、1枚・・・前ライトのカバー用
・1mmプラ丸棒、1本・・・・・・・・・・・主砲可動部の軸の作成用
・0.64mmプラ丸棒、約L=90、1本・・・・ジャッキ台&水缶の止め具の作成用、フェンダー上のディテール復元用
・1mm六角棒1本・・・・・・・・・・・・・六角ディテールの修復用
・φ0.2mm金属線1本、L=約30・・・・・・・砲塔ハッチ横の金具用
・φ0.55mm金属線・・・・・・・・・車体ハッチの取っ手の作成用
・外径1.6mm金属パイプL=約9・・・・マフラーの作成用(小袋に入れてる場合もあります)
・金属メッシュの帯、W=約5mm、L=約100・・・・車体箱周囲のメッシュ上面
・金属メッシュの帯、W=約6mm、L=約100・・・・車体箱周囲のメッシュ側面

小袋に入った3Dプリント部品(半透明なやつ)
・主砲身1個
・小転輪の軸13個(内1個が予備)
・蝶ネジ12個(全部は使わない)
・砲塔ハッチ横の金具2個
・消化器2個
・砲塔後部のアンテナ基部1個

以下も小袋に一緒に入っています。
・極細金属チェーン、L=約20mm、1本・・・・・砲塔ハッチの横
・2mm三角棒1本・・・・・・・・・・・・・観測装置の作成用
・3mmH型と2mm丸をくっつけたもの・・・・ライトガードを作る時用の冶具(作り終わったら捨ててOK)

それぞれの使い方はこれからの組み立て説明中でそのつど行います。

部品の確認が済んだら、組み立てを始める前に必ず部品を洗浄して下さい。出荷前の部品の洗浄はほとんど行っていません。パっと身で綺麗に見える場合でも、実際は油分が付いています。油分が少しでも残っていると塗料やパテが弾かれますので、必ず専用クリーナーや台所用中性洗剤(濃くすること)でしっかり洗って、なるべくナイロンブラシでごしごしして下さい。洗剤を使った後は水でのすすぎ洗いもしっかり行って下さい。組み立て前と塗装直前の2回で洗ってしっかり油分を落としてやるのがキレイに仕上げるコツの一つです。

・基本的な注意事項
ここでガレージキットを組むにあたっての基本的な注意事項と、本キット特有の注意事項を書いておきます。ベテランの方は言われるまでもないかと思いますが、ざっと目を通しておいてください。

~用語について~
・ただのクセなんですが、ここでは以下のように呼びます。
金やすり(かなやすり)・・・金属製の棒状のやすり、半丸とか平とか丸棒とか。
平ノミ・・・デザインナイフの平刃のこと、厳密にはノミじゃないけどクセで。
削る・・・・削る=やすりで削るじゃなくって、ナイフや平ノミやニッパーも使って切削してね、の意です。
ニッパー・・・基本的にボロいニッパーを使って下さい。かじる感じで不要部分を削ぎ取るのに便利。

~本キット特有の注意事項~
・コメつぶより小さい部品が大量にあります。袋から出す時は箱の中で行うなどして、保持する際も十分注意してください。飛んでもいいように周囲を片付けてから作業すること。
・車体と砲塔は簡単なんですが脚周りは数の暴力が襲います。先に片づけたほうが精神的に楽かも。
・金属部品が多くてメッシュもあるので、プライマーやサフを吹くタイミングはよく考えて。下地を作ってから本塗装しましょう。
・ちょいちょいパっと見で見えんくらいの凸凹表現があるので、間違って消さないように。

~基本的な注意事項~(初歩的なことも書いてます)
・とにかく洗う!瞬間接着剤を使う!サフはなるべく吹く!換気をする!削る時はマスクする!
・わかんない時は早めに聞いて!やらかした後だと修正が余計に手間!
・使う工具の判断が一番大事!特に、デザインナイフと平ノミ(彫刻刀)が大事です。平ノミなしで六角ディテールの修正をやるのは超大変。
・接着剤の使い分けも大事!瞬着をどう使うかの使い分けが大事です。基本的にゼリー状でない普通のを使います。小さい部品では、ノズルから直接ではなく予め何かに出しておいてツマヨウジですくって部品に付けます。大きい部品の場合はノズルから直接つけますが、キットの内側など手が入りにくい場合もあるので先細ノズルもあると便利です。このキットの場合、百均で1gずつ小分けで5個入りのを1個買っておくとよいです。
・パテの使い分けも大事!好みによりますが、基本的にはプラパテ(ラッカーパテ)・ポリパテ・瞬間接着剤、の三択です。特に量が少ない場合は瞬着を表面張力を使って盛っておくだけでOKな場合が多いので活用しましょう、リベットの修復でよく使う手です。大きな欠けはプラパテより強度のあるポリパテを使ったほうが無難です。プラパテはヤスリのキズ消しと鋳造表現に使う程度かなと。
・ピンセットよりもナイフで刺す!小さい部品はピンセットでつまむものだと思い込んでいるあなた、それは紛失の元です。もちろん部品によりますが、基本テクなのでやっていない人は必ずマスターしましょう。
・部品の接触面の突起に注意!部品が接触する面、接着面ではバリなど不要な突起が無いように注意しましょう。逆に窪むのは別に構いません。ゲート処理をする場合は無理に平らにするのではなく、えぐるつもりで作業すると早いです。また、部品の角と角が合わさる場所(凸と凹があわさるみたいなとこ)では角の部分が干渉して隙間ができる場合が多いですから、接触する角を少し削り落とす(C面をとる、とか言います)と手っ取り早く綺麗に仕上がります。

・組み立て順序の説明
おおまかな流れを先に説明します。エアブラシで塗装をする前提で、全体塗装後に履帯を付ける前提です。けっこう何とでもなるので、適宜変更してください、車体/砲塔/脚の各ブロックはどの順番でもOKです。

*部品の確認と洗浄→*脚周りの組み立て→*車体の組み立て→*車体の細部の組み立て→*砲塔の組み立て→*車体上/フェンダー上に載るものを組み立て→*車体・砲塔・足回りをそれぞれ塗装する、汚しもする→*車体に足回り(履帯除く)を合体→*履帯を合体→*適宜リタッチや汚しをする→*フラットを全体に吹いて完成!

・脚周りの組み立て1
ここから実際の組み立てに入ります。写真はクリックするとギャラリーモードになって連続して見られます。
まず、メンドクセぇ脚からやりましょう。特に転輪から。レジン部品の写真より3Dモデルのほうが見やすいと思うので3Dモデルで説明します。

センチネルの懸架方式はパっと見はM3/M4っぽいですが違ってて、コイルスプリングが垂直配置ではなく水平配置の仏のH35と同様の形式です。H35の方式とアーム部分のデザインを取り入れて、中央の支柱と小転輪はM3のものを使って合体させた格好です。この方式はプラモ的には非常に厄介な方式であり、過去にエレールやブロンコのH35みたく見た目を妥協したり、ホビーボスのR35など妥協しなくて超組み立てづらかったりしています。なので本キットでもちょい組みづらいのは勘弁してね。

1枚目:転輪ブロックの構成です。小さい部品は図中に書いた部品を使います。
この転輪は真ん中と外周に構造体があって外に見えてるすり鉢状の部分はただのホイールキャップです。キットの転輪は2面でホイールキャップの穴の数を変えています。この穴は2/4/6/8個があったらしいですが、2と8のものはほぼ居なくて4と6の混成になってる車両が殆どと思われます。組み合わせに規則性は見られないので、外側の見た目が好みになるように付けて下さい。穴を深くしてもいいですが、内側に本体が居るのであまり深くすると間違いです。1個だけある凸になってる穴は軽め穴じゃなくってグリス注入口か何かです。

2枚目:向きに注意してね。全部で6セット作りますが、バネ部分の向き違いで3個ずつ分けて作って下さい。完成写真を見てもらうと早いですが、前2組のセットはバネが後に出てて、一番後ろのセットのみ前に出てます。これは泥のかぶりを考慮したものと思われ、全車両で同じです。個々の部品は共通で互換性が保たれています。キットを組む際にはどこに付けるペアか決めておいて、気泡による欠けなどがあるものが内を向く(完成時に隠れる)ように割り振って組んで下さい。

3枚目:車体への取り付けについて。まだ車体には付けませんせんが説明だけしておきます。この四角を車体の窪んだとこにはめれば位置決めできます。上側に遊びがあるので下に押し当てるようにして下さい。接着面になる凸凹の周りに余計な突起とか出来てないか確認すること。

4枚目:上から見た図。あんまし必要ないかもだけど一応載せておきます。転輪とアームとの隙間は実車でも僅かしかないのでキットでも接するスレスレです。接着剤が不意に流れてしまわないように注意。

5枚目:アームの部品を整形した状態。湯を流すための棒がやや処理しづらいですが、頑張って下さい。見えづらくなる箇所なので妥協も大事。青い矢印のとこにも小さいゲートがあるので整形します。オレンジのとこに凸があるので注意、削ってから植えなおすのもアリです。

アームの部品は初回ぶんのみ古い湯口位置のB品部品を1個入れてますので、ふーん程度に見てみてください。改良の跡がわかるかも?

6枚目:アームの説明2。赤とオレンジのとこに小さなディテールがあるので消しちゃわないように。実車では青丸した四隅には極小のボルトorナットがあります。流石に省略しましたが、再現する場合はよほど小さくしないとオーバーになるので注意です。
真ん中のお椀みたいなとこの中央を狙って、バネの部品と2番の部品を付けます。バネの上にも2番の部品をつけます。転輪の軸のとこは1番のやつで、内外共通です。各部品は台座の板から平ノミで削ぎ取ってそのまま使って下さい、一番下のワッシャ(薄い丸)をなるべく残すように注意して作業してください。

7枚目:真ん中の支柱の部品。赤い箇所の溝は埋まっちゃう場合もあるはずなので埋まってたらコリコリしてください。内面に4か所ある窪みのとこに固定用のボルトがあるみたいなんですが、上2個しか写真で確認できません。キットでは位置だけ示して省略していませすので、再現する場合は市販のボルトか六角プラ棒を切るかして下さい。特に下は再現してもほとんど見えません、やるなら上だけでいいと思うよ。

8枚目:小転輪と軸の楽な付け方の順序
1、外側の小転輪の軸と中央支柱を、軸の外端が中央支柱の表面とツラになるように接着しておく。
2、内側の軸を小転輪に接着しておく。なるべく綺麗に垂直に。
3、小転輪と内の軸を中央支柱に接着する。塗装後にやってもさほど汚くならずに済むので先に塗装できるよ。

軸の3Dプリント部品は枝についたままの状態でナイロンブラシで軽くこすって洗っておきます。枝からの切り出しは段差になってるとこをナイフで切ればOKです。ひと思いにサクっといったほうが良いみたい。1個が予備。

~懸架装置全体の組み立て~
全体の組み立てがやや迷うところです。順番を説明しますが、塗装の都合とかで変えてもOkです。各部の接着時は挟んだ部品を押さえるようにすると良いです。一応設計上の値を書いておくと、履帯抜きで車体の底面から転輪の下まで11.2mmです。底に板や紙を挟んで組む場合の参考にしてください。
1、アームと転輪を単純に凸凹がはまる位置に接着。各組を組んでおく。
2、アームの筒のところに中央バネ部品(タケノコみたいなの)の太い側を接着、真ん中を狙うこと。
3、接着剤をつけずに、タケノコつきのアームと、タケノコ無しのアームを中央支柱の凹にはめてみる。支柱との間隔が左右均等になり、かつタケノコの先端がもう一方のアームの筒の底に当たるようにする。
4、3をざっとやって良さげなら接着剤付けて3と同様にして位置決めして接着。瞬着が固まる前に素早くやる。遅延タイプだと楽。
5、各ペアの取り付け箇所とバネの向きに注意しつつ、残りの小さい部品を付けていく。基本的に真ん中に付ければOkです。小転輪を付けたら終わり。

・脚周りの組み立て2
今度は起動輪と誘導輪です。こっちは単純。

1枚目:起動輪を一気に説明します。
歯の部分は4枚とも一緒で共通です。手でざっとバリを取ったら、ナイフと針やすりで整えてください。内外の端に小さい気泡がある場合もあるので、確認して瞬着で簡単に埋めておきます。
筒の部分は内側用はリブがなく、外側用はリブがあります。これも外周のデコボコの周囲を確認して整形しておきます。5番のナットを貼りますが、外側ぶんしか部品が無いので注意してください。内側は全く見えなくなるので省略しました、面倒だしね。

組む順番は、まず歯の部品を筒の部品にそれぞれ付けます。履帯かプラ棒を当ててみながら内と外が一致するよう位置決めしつつ、筒の継ぎ目がズレないよう接着します。外から瞬着を塗りこむのが楽だと思う。最後に筒の合わせ目を消しておきます。

起動輪の基部は左右共通です。補修用部品があるので、六角ディテールはそれから削ぎ取って修復します。裏面を軽くヤスって整えたら、車体の段に合わせて接着します。前端のカーブはなるべくツライチにしますが、合わせ目は消さずに残します。実車でも微妙なズレが見られます。
基部と起動輪は後で接着しますが説明だけしておきます。真ん中に付ければいいだけですが、補強と位置決めを兼ねて軸を打ってもOKです。真ん中の窪みを掘ってください。

~マイナー仕様の説明~
起動輪は外側もリブ無しの個体も居ます。左右で違ってるのも居る。それにしたい場合はリブ無しを外に使い、リブ有りのリブを小ノミでざっと取って内側に使って下さい。内側はほとんど見えないので適当でOK。
起動輪基部はキットのが標準・多数派と思われます。これとは別にボルトの周囲が肉厚になったものがあり、それが後期のものと思われます。さすがにそっちは再現してません。

2枚目:誘導輪の説明。コの字形の基部に誘導輪をはめますが、普通に位置決めできるはず。塗装次第では後で接着します。赤丸したとこ6か所が4番の固定ボルトです。調整箇所ですから実車でも位置は様々です、長穴の真ん中に付けとけばOK.オレンジの穴には3番の六角+ワッシャを入れます。

3枚目:位置決め。この子はM3/M4などと同じく、誘導輪の基部を動かして履帯の張力調整をします。なのでこの部分は実車でも位置が少し差が出ます。キットでは、履帯との兼ね合いを見ながら最終的な位置を決めて下さい。後ろにずれるとフェンダーに当たるので、なるべく真ん中より前で調整します。
接着面は車体と一体で鋳造ですが、取り付け面は平らに均してあるので鋳造表現はしないこと。また、誘導輪の基部のはじっこが車体の後端よりはみ出す場合もありますが、実車も同様なのでこれで合ってます。

・車体の組み立て
そろそろ形が見たいぞい、ってことで車体を作りましょう。位置は勝手に決まるようになっていますが、前から順に組んだほうがより楽です。この後の項目も全部読んでから接着すること。
全体の注意として、フェンダーは非常に脆いです。車体側面に三角の補強を設けていますが、これは組み立てが進むにつれて除去してください。最初に全部取ってしまうと弱くなります。車体側面の除去した跡は鋳造表現でごまかして。

1枚目:まず車体の前端デファレンシャルカバーを付けます。この部分、M4と似た形状なんですが、幅が狭くなってるのとヒレの部分で前から縫うようになっているのが目立つ違いです。鋼板箱組みと鋳造との違いからくるものか、駆動部がちょっと違うからなのか、興味深い点です。

底部分が間違えやすいので注意です。主車体の端とは段になるのが正解です、主車体の端は一段高いので、本来の底面とツラにします。段差は高さ0.3mmです。左右は普通に合わせればOK。

フェンダーは図の形状です。欠けている場合は当て板をしてポリパテを盛り、一旦はがして接着しなおしてから整形すると良いかと。それかプラ板でつぎ足すか。緑丸の部分はフェンダーを少し切ったほうがよさげです、ボルトとのクリアランスがとれないはす。

2枚目:このへんのディテールについて。赤丸の位置の片側4か所に6番の六角を貼ります。目印の上に貼ればOK。一番上がフェンダーと当たると思うのでフェンダー側を少し切ります、長すぎた。
オレンジ丸の3か所にある丸凸は間違って削らないように。内部に溜まった水やオイルを抜くための排水口とフタです。
牽引金具は補修部品に入ってるやつを切って使います。形状は画像を参考に、根本でつぎ足して溶きパテで均せばいいと思う。先に穴を開けておくのを忘れずに。U字の金具は付けてないのが普通のようなので付属させてません。

3枚目:次いで車体前と背中を付けます。どれもバリ取りをして付くように付ければ大丈夫なように出来ています。
デファレンシャルカバーと車体前斜面との境界は微妙に段になるかもですが、次の項で説明するように処理してください。
赤丸した砲塔前にできる境目は実車にはないので消します。ここの分割だけはどうにもならんかったよ。ざっと消してから溶きパテで鋳造表現をして消します。
青線した所に微妙に線が見えると思います。実車はこの位置でわずかに段になってる(たぶん砂型の継ぎ目)のでそれを再現したものです。こだわったので間違って消さないでね。
砲塔横の張り出し部分内側は気になる場合は先に塗っておきます、どうせ見えないけど。この張り出しは車内への貫通はしておらず、塞がっているようです(写真が不鮮明なので不確実)。

4枚目:フェンダーの前端を加工してね。この子のフェンダーは特に薄くって、たぶん実物は厚さ1~1.5mm程度しかないです、他の戦車より薄い。外側を折って変形しにくくしているのですが、さすがに1/35では難しいのでキットはただの平板にしています。なので前端だけ削って画像のようにコの字になるようにして下さい、それで十分感じは出るはず。

フェンダー支柱はデフカバーにある台の上に乗っかるように接着します。左右があるので注意。これが無いとフェンダーの前半分が弱いので、なるべく早い段階で付けて下さい(じゃぁ先に書いとけよと)。なおフェンダー側面と支柱は接触しません。

・車体の細部の加工
今度はちょっと細かいとこ。窓とかの小物部品は後でやります。ここで接着の説明までしちゃってますけど、まず仮組みしつつ全体を把握してから接着するようにしてください。

1枚目:前の方の細かいとこ。
青い矢印をしたとこに車体とフェンダーを繋ぐ板を付けます。t0.3プラ板を1×5mmで切って、車体の凸部分に合わせて貼ります。フェンダーを支える補助のための部品を思われます。

赤丸したのがフェンダーと車体を結ぶ金具です。どうしても欠けるる場合があるので、プラ板を切って復元してください。締結方法はネジかリベットか不明ですがリベット止めと判断して丸いディテールにしてます。付属のプラ細棒か伸ばしランナーを切って貼ってで復元します。一旦リベットを落としてリブ部分を復元したほうが楽な場合があります。

車体の斜面とデフカバーとの境目は、実車ではアメ車みたくプラスチックペースト(溶きパテみたいなもん)か石膏で目止めしているようです。なので「境目はわかるがくっきりと溝や段にはなってない」状態です。キットはそのままだと微妙な段差や僅かな隙間の継ぎ目に見えちゃうので、溶きパテで加工します。濃いめの溶きパテを後ろから前(逆も可)へ一定方向に、境目にぶつけるような感じで塗って下さい。はみ出たぶんを取り除いたら、さっきより薄い溶きパテで表面を荒らして出来上がりです。

2枚目:真ん中らへん。背中の大きい部品はゲート処理をして載るように載せれば正しい位置に来ます。これを付けないと前の合わせ目処理ができませんが、付けると内側から触るのが無理になるので接着タイミングに注意して。ピンク丸の部分の補強とのクリアランスがギリギリなので、まっすぐ上から嵌めること。
黒矢印した背中の洞窟のとこは薄くなっちゃってることがあるので裏から瞬着で補強してください。この洞窟、何なのかよくわかんねぇです。開口はしてなくって、窪んでるだけ。

3枚目:背中の細部。赤丸したとこは目印の窪みに1mmで穴を開けて、裏から7番ディテール部品を差し込んで接着します。回転方向の角度は適当で、表面より少しだけ低くなるよう接着します。これはハッチのカギ兼取っ手のはず、専用の工具を刺さないと回らないってやつ、現在でもよく使われる手法です。
青い丸をした尾部の5個の窪みには1mm六角プラ棒を切って貼ります。確認できる写真が無かったので推定です。なので高さも任意に決めて下さい。また、外周の六角が欠けてる場合も六角を切って修復します。

4枚目:背中部品の裏側について。この部分は画像のようにリブがあり、実物は車体側面と一体の鋳造です。このリブがどうしても欠けてしまうんですが、どうせほとんど見えない箇所なので妥協しました。キットを組む際も妥協しても見た目に問題は無いんですが、メッシュごしや隙間からチラ見えさせたいとかいうフェチが有る紳士の方はプラ板で復元してください。

まず、欠けた箇所のうち、背中の側面端の摺り切りいっぱいまでをパテで復元しておきます。作った土台の上に図の寸法に切ったプラ板を貼ってやります。主車体に背中を載せてみて、干渉しないように左右方向を微調整してください。継ぎ目は消さなくても流石に見えません。

この箇所、実車ではエンジン用の吸気口となっていて、側壁上部と背中との間は隙間があります。それら全部が鋳造の一体成型だからなかなか思い切った構造です。この子の背中やお尻にグリルやルーバーが全くないのはこの構造のため。排気はお尻から出た小さな管で行います。確かに部品は減るし被弾にも強いしで、けっこう理に適っています。整備の際はどうせ背中の板を丸ごとはずすからいーやって発想なんだろなと。

・砲塔の組み立て
砲塔いきます。独立した部位なので作業の順番はいつでも構いません。
本車の砲塔は何とも言いがたい微妙な形状をしています。基本は宝石をカットしたような平面の組み合わせみたいなんですが、側面の各面がわずかに膨らんだ曲面だったり、下半分は円錐形だったり、左はキューポラの筒があったり、屈折部が微妙だったり…。ともかく形状を把握するのが難しく、写真では見る角度によって違って見えてきます。自然と錯視を起こすような形状になってるっぽい。
キットは複数の写真から判断した形状ですが、完全に正確とは言いきれません。とはいえ頑張って出した形状なので、とりあえず信じてそのまま作って貰えれば良いかなと。3Dプリント部品を手作業で更に加工してるから出せる微妙な形状にできたつもり。
形状を変更する場合は「1枚の写真で判断すると間違えるよ」ってことに注意して作業してください。特に左側面は錯視を起こしやすいように感じました。
(例:写真によってはキューポラの筒の外側が砲塔側面端とほぼ一直線に見える=筒は外端にあるように見えるものがある。実際は少し内に筒がある。キットでも角度によってはそう見える。ってことは再現できてる!←自慢)

1枚目:まずメイン部品の下処理をします。前面に湯口があるのでそれぞれ処理してください。上のはナイフでさくっと落として、左右の太いのはニッパーとナイフでえぐってしまえば早いです。下の丸いとこは少し慎重に作業します。
オレンジ丸の4か所はボルト用らしき窪みが確認できるのですが、実車写真ではボルト(の頭)の有無が確認できませんでした。どっちかというと無いように見えた。なのでボルトは植えていないので、好みで六角ボルトを植えたり植えなかったりしてください。
砲塔上の楕円は発煙弾/信号弾発射機と思われますが、マニュアルとかには記載が無く不明です。他戦車の例に倣って、斜めに穴を開けてそれっぽくしておけばOKかなと。現存する展示車両で、ここにメッシュを貼ったものが居ますが、展示の為に後から付けたものと思われます。

2&3枚目:側面と背面。赤い線のとこはパーティングラインですが、実車にもある線なので消さないように。鋳造の型の分割線のはずです。ざっと整える程度にしておきます。背面は途中で折れて上にいき、背中の箱に隠れます。キットでは青線のとこに線ができるので、そこだけ消してください。実車のラインをきっちり再現した注目ポイントなので、丁寧に作業してやると完成時に映えます。
側面の黒線のとこは菱形状に4本の凸線があります。これが何なのか不明ですが実車の再現なので消さないように。
下面のリング周りは余計な凸とか気泡の球とかできてないか確認しておきます。

下面の後端にあるマスみたいな凸部分、これは何なのかは不明です。とりあえずこんな形状。現存する展示車両ではここにメッシュを貼ったものがありますが、展示の為に貼ったのか元からなのか判断がつきません。貼る場合は目の細かいやつで、窪みの一番底に貼ってください。上の段じゃないです。実際は車内と貫通した穴ですが、流石に妥協しています。
この部分、想像では空薬莢の廃棄口じゃないかなーと。米英の戦車ってたいてい薬莢捨て口がありますが本車にはそれらしき箇所がありません、左側面の窓は視界用のはず。2ポンド砲なら薬莢放置でもたかがしれてますが、英国的感覚だと律儀に捨て口を設けてそうな気がする。なので、この穴じゃないかなと。排莢時には砲塔を少し斜めに向けてポイする。フェンダーの箱の周りにある金網は、薬莢が隙間に入るのを嫌って設けたんじゃないかと。そう考えると、箱周囲の金網の存在や箱の上面が斜めなのも説明がつくし。この説、どうでしょうか?こんなこと考えながら作ってると余計に楽しいぞい。

4枚目:砲塔の前面。湯口の処理だけして、接着はそのまま乗るように乗せればOK。実車でも別の部品で外周はぴったし合っていません、不均一に少しの段差ができます。上面にある数字は少し埋まってしまってるので、気になる場合はナイフ等で軽く彫って下さい。番号は防盾と同じにします。

5枚目:少しややこしいのがキューポラのとこ。まずは湯口を処理しますが、裏の円形の段のとこはきっちり円に整形しなくてOKです、余分にえぐったほうが簡単。この部品は接着しないでおけば回転できますが、逆さにすると脱落するので注意。

細部ですが、観測装置の中身は2mm三角棒をカットして入れて下さい。端を落とさないと入らないので様子見てカットすること。ここのフタは図のように付けます、丸まってる側が内にきます。これはフタを閉じた状態でも組めます、その場合は2mmプラの中身は省略してください。
長方形の段差のとこは3Dプリント部品を付けます。3Dプリント部品の下側・段差になってるとこは不要なのでカットします。向きは窪んでる側が内側になる向きです。

青丸のとこには金属線とチェーンを付けます。何なのかは知らん、ハッチ開状態での固定の補助か?
手順:青丸した凸丸の2か所と、その外にある小さい丸い窪み2か所にφ0.3~0.4で開口します。→付属の極細チェーンを半分でカットします(切りクズは捨てる)→その端の輪にφ0.2の金属線を通して輪にしてねじり、ヒートンみたいなものを作る、飛行機モデルだと張り線でやるアレ。→ねじった脚を適当な長さで切る→開けた穴に挿して接着する。→チェーンは適当に投げとく、輪っかの向きも適当。
なお、青丸した丸凸は2か所で対称じゃなくってキットみたいに非対称です。実車に合わせたものなので間違ったわけじゃないぞ。

6枚目:ハッチのとこ。とりあえず閉で作ってますが、開く場合は真ん中で切って下さい。裏側は不明なので各自ででっちあげて。取り付けは単純にキューポラに嵌めて、内から接着します。ヒンジ4個はハッチを付けてから、ハッチのヒンジに合わせて接着します。ヒンジ部品をつないでる棒(細い棒の部分全部、段差を目安にして)は除去します。
取っ手は目印をするのを忘れていますゴメン。中央線から1.5mm(取り付け穴の中心までで)のとこに図のようにφ0,55の金属線で作って下さい。先にケガキ針で目印をして確認すること。コの字の内側が3mmなので、目印の中心の間隔は約3.5mmです。測ってから針で目印→金属線でコの字作る→よさげならφ0.6で開口→コの字を挿す(脚は長くてOK)の順で。開状態なら裏も処理します。

7枚目:その他の小物。4つある吊り金具は砲塔にある土台に合わせて貼ります、少し下にはみ出すかな~ぐらいが良い位置です。六角が欠けてる場合は付属の修復用部品から取って直します。
窓のとこは砲塔にある3か所は全て大のほうを使います。大と小はよく似ていますが、見比べたらわかるはず。ざっとバリを取ってそのまま貼ればOK。
左の丸のとこはサーチライトを付けます。台座の丸の真ん中に、台座に対して垂直につけます、地面に対しては斜めになります。向きは前でも後ろでも構いません、一応は昼は後ろ向けておくきまりですが適当になってました。ガラス部分は無いので透明板をポンチで切り出すか市販部品を使って下さい。なお、サーチライトを付けていない個体も多いので無しでも構いません。
コードが丸の前のひし形から伸びているんですが、詳しい付き方は写真でどうにも確認できませんでした。英国戦車と同様なはずなので、他の車両を参考にしてください。

8枚目:後ろの箱。英国戦車に倣ったなら偽装網が入ってるんじゃないかと。箱は湯口を処理して、付くように付ければOKです。砲塔との間に隙間が出来るのが正解、取り付け方も実車を再現しました。この箱のフタは、後ろ側がヒンジで前が開きます、キットだと前のフタの線が消えかけてるので気にする場合はスジを強調しておいてください。
止め金具は9番を使いますが、向きに注意してください。画像を参考に。9番は土台をカットして、左右の張り出た部分がいい感じの厚み(0.3~0.5mm)になるようにします。ちょっと難しいので慎重に。取り付け部に位置決め用の長方形の窪みを設けたんですが、うまくいかなかったです、無視して上から貼ってしまってください(埋めなくても大丈夫)。”端がひょこっと上向きになる箇所の折れ曲がる谷部分”が長方形の端にくる位置を狙って接着します。まぁ、少々ずれてもわかりゃせんけども。

9枚目:アンテナベースの取り付け。3Dプリント部品を付けます。部品は左右に枝が出てるのでそれは切ること。接着位置は画像を参考にして下さい。上面には微細な彫刻があるので、あまり多く削らないように。ここにアンテナを立ててる個体も居ますが、数が少ないっぽいので無しでいいと思います。付ける場合は英国戦車を参考にして下さい。

10枚目:防盾のとこ。砲身は3Dプリント部品です。根本の余計なとこを切って、そのまま挿せば正しい位置に入ります。外周を紙やすりで整えておくこと。ちなみに、たぶん極少数なんですが英国本家の砲身を付けた個体も居ます。
防盾はどうしても湯口が嫌な位置にあるので慎重に除去してください。
砲身左にある段丘状の穴は照準器です。浅くなってたら適当なピンバイスで深くしておきます。機銃口も深くしておきます。砲耳の周囲は片方が欠けている場合が多いです。綺麗な側を参考にしつつ、ポリパテか瞬着パテで復元してください。ポリパテの場合は一旦盛ってから剥がして、瞬着で付けなおすこと。

肝心な防盾と砲塔の取り付けについて。防盾側面の薄さから、ちょっとしんどい取り付けになってしまっています。
手順:防盾側面の耳のとこにφ1mmで開口しておく(丸い段差の中心を狙う)→砲身を接着しておく(見やすくするため)→防盾を砲塔に押し付けて、上下がだいたい真ん中に、左右が傾かないように保持する→防盾に開けた穴から、砲塔部品に穴をφ1mmで開ける(深さはほどほどで)→反対側も開ける、先に開けたほうに1mmプラ棒を挿しておくとズレにくい→両側それぞれ、1mmプラ棒を切って挿す、接着はしない、穴に埋まるようにする→可動と見た目を確認する→耳の穴に5番のナットを埋める、穴に半分埋まるぐらいが理想だが、妥協して外に出てもOK、より小さいナットでも良い。
ややこしいですが、案外スムーズに動くようになるのでやってみて。

固定する場合は、左右の隙間に適当なプラ板を挿して隙間を埋めて接着します。

・車体上の組み立て1
ここから一気にチマチマとややこしい細部になります。頑張ってついて来て下さい。プラ板や金属の加工も多いので、説明がしづらいぞ地味に大変だぞ。順番は前後しても構わないですが、ひっかけたりして事故る可能性も高まるので注意して。

1枚目:車体の前面その1。まず皆さんお待ちかねのチ〇コ 車体機銃ですが、基本的には湯口処理して貼るだけです。可動させる場合、真ん中に穴を開けてφ0.5~1くらいの金属線を挿して押し込めばうまくいくんでねぇかと(試してない)。それかスティックのりで簡易的に着けておくか。ともかく回転方向が斜めにならないように注意して。先端の下側にカエシみたいな膨らみ部分があるので目印にして。
このカエシみたいな部分、果たして必要なのかすごく疑問。全体の形状は中身の水冷機関銃の形状的にこうなるわけですが、この膨らみ必要だったか?絶対途中で意識しちゃって似せにいっただろ設計者(笑)

窓の装甲カバーは左右があるので注意です。スジを下にした状態で確認するとわかりやすい。
開ける場合は内側は適当に処理してください(よくわからなんだ)。窓は段差になってる底を開口したら再現できますが、肉厚はどうにもならないのでフチを削って誤魔化して、車内も誤魔化して。

上面ハッチの取っ手をφ0.55の金属線で作ります。略図のようにして左右同様に計4つ作ります。左右方向は、真ん中の段差の左右の端からそれぞれ測って下さい。前後方向は真ん中で、中心の間隔は5mm。高さは取っ手とハッチの隙間を1mmにします。
段差は右半身側を削って段じゃなくして下さい、境界のはっきりしない微妙な坂になるように、ここ間違えてましたゴメンなさい。左半身側は段差をはっきり残しておいてOK。
青い線の部分に小さな板切れが付いている個体がいます。これは右のハッチの組(操縦手席)のみで左の組には無いようです、これは常にそう(ぽい)。位置に個体差があり、右半身側にある個体や、前端でなく少し後ろにある個体や、左右で2枚あるっぽい個体や、無いっぽい個体も居ます。一定でないしよくわからんので無視でも良いです。作る時は厚さ0.3mmで1×1mmにします。

2枚目:その2。観測装置のとこ。円板の下側の角ばったとこは不要部分なので切り落とします。左右は共通。内側にプラ材でガラス部分を作ります、拘る場合はクリア材を使って。内側にある出っぱりはゴミじゃなくって実車にある部分なので削っちゃわないように、カバーの可動機構です。
この部分は回転するので向きは任意。この子のはカバーがあって、上の丸いとこが前に下りてきます、部品はカバー開いた状態です。あまり見ないですが、閉じた状態にするなら前後を逆にして付けて穴に観測装置の背を入れておけばそれっぽく見えます。ただ滅多に閉じていないです。

窓のとこの回転軸は上の飛び出た箇所が欠ける場合が多いので修復部品を入れています。小さいので見づらいですが、ナイフで切って貼って使って下さい。

3枚目:今度はライト。付属する金属板の内、幅3.3mmくらいのやつを使います。これは自分で切ったものなので、最低限のバリ取りしかしていません。怪我しないよう注意して、最初にざっとペーパーがけしてから使って下さい。
Uの字になってるメイン部分は付属の冶具を使って曲げます。長さは余裕があるので長めにとって曲げてから、冶具からはみ出た両端を冶具の端に合わせてカットします。これで必要な長さになります。取り付けは車体の溝のところに嵌めますが、複製で埋まりかけてたりするのでナイフかPカッターでサラってから接着します。上下とも溝に嵌めてやれば曲がる力にも耐えて上手く着きます。
真ん中の板はさっきの金属板の残りで作ります。長さを大体で切ってから、少しずつ微調整してください。車体との隙間は1mmです、目測かプラ棒を挟んで1mmを測ります。
ライト本体は短い脚があるので、脚を板に接着します、位置はざっくり真ん中です。支柱は車体まで伸びておらず、板までです。ガラス面はマイクロクリスタルクリア(クリア補修材)を使うか、透明プラ板をポンチ抜きして貼るか、塗装で済ますか。
配線は板の内側・支柱の位置から出て、板と車体の隙間でぐるっと向きを変えて後ろに出して菱形の下部に入ります。

4枚目:箱。この長い雑具箱は先に接着したほうがフェンダーの強度的にはいいんですが、塗料が回りにくくなるので手順は要考慮。もっとも、箱と金網に囲われた内側はどうせあんまし見えないから大丈夫だと思う。
箱の後ろ側の溝に3Dプリント部品の消化器をつけます。内側にはみ出ますが、これで正解です。
ロック金具は砲塔の箱と一緒ですが、向きに注意して下さい。略図みたいに、ぴょこっと上がった側が \_ _/ \_ _/ ってなる向きです。
箱の接着位置は、フチよりわずかに内側にします。前後はフェンダーの支えを跨ぐ位置です。

・車体上の組み立て2
更にチマチマした箇所になります。部品を飛ばしちゃわないように注意。金網や金属帯を何種類も使うので、幅をよく確認して下さい。

1枚目:まず、箱の周りの金網を切ります。帯状の金網が二つ付属してますが、幅が違うので注意して下さい。幅が約5mmのほうは半分に切って長い箇所に使います。幅が約6mmのやつは小さく切って使います。6mmのほうは余るけど、5mmのほうは丁度しかないので注意して。

図のように切っていきます。長いやつは単純に半分。前用のは高さを確認して斜めに切れば終了。
側面用は切り欠きの部分だけ上手いこと切って下さい。消化器を避けられればOKなので、形状はある程度妥協しましょう。
問題は後ろ用の複雑なやつですが、これは隠れてしまってほとんど見えません。上半分だけを大雑把に三角で作って貼るだけでも十分だと思いますので、適宜妥協してください。

この金網は実物だと細い金属棒のフレームの上に金網をかぶせて端を巻き付けてあります。フレームが内側になる向きで取り付けてあるので、1/35だとこのフレームは無視してしまっていいかと思います。再現する場合はフチ全体と緑線をした位置にφ0.2程度の金属線でフレームを貼って下さい。ただ、内側なのでほとんど見えないはずです。

止め金具は付属の10番のやつです。余分にあるので、選って使って下さい。図で赤丸だけの箇所は膨らんだ箇所を切り落として、ネジがある箇所だけを使います。赤丸+棒の箇所は膨らんだ部分を使います。赤丸側がネジのある側です、向きに注意。
前用は箱と車体にネジが載る向きです。側面用の下側はフェンダーにネジが刺さる向きにします。内側の長いやつは、車体に取り付けてあって、箱には両端2か所を内側から止めてあるだけのようです。この内側2か所(中が白い赤丸のとこ)は無視で良いと思います。後ろ用は網の内側から取り付けているらしく、外からはネジ等は見えませんので、10番のネジは無しで良いです。

基本的に左右対称ですが、右側の長い金網のみ、星印の箇所は牽引ワイヤ固定用の金具がついているので注意して下さい。この金具は付属の幅約0.8mm,長さ約20mmの金属帯板から作ります。全部で5か所ですが、長さギリギリです。形状は図みたいな感じで、現物合わせで曲げます。3枚目の説明も合わせて見て。

2枚目:金網の位置の補足。フェンダーの長い箱を基準にして取り付けていけばOKです。順番を考えないと付けるのが難しいので注意して。
なお、これらの金網の形状や取り付けは微妙に個体差があるようです。また、現存する展示車両は後から手が入ってるかもしれないので参考にする場合はご注意を。

3枚目:車体右側の牽引ワイヤ固定金具について。図の5か所に金具があります。金属板を切って曲げて貼り、それぞれ真ん中に3Dプリント部品の蝶ネジを貼ります。前の2か所は車体とフェンダーを結ぶ小板のすぐ前です。車体側面の1か所は目分量で。この5か所の金具は全部付いてる個体は少ないっぽくって、どっか欠けてるほうが多いんじゃないかと。特に、側面のやつと、フェンダー上のやつが無いことが多い印象です。そもそも牽引ワイヤを載せてない個体も居ます。
付属の金属板約20mmを5個に切るとギリギリなので、長いやつと短いやつと区別して切って下さい。まず1個試しに作ってみて、いきなり5等分だとまずいはず。

また、後方の車体側面、ジャッキ台の前あたりに牽引ワイヤを張って止める金具が付いてる個体も居るんですが、あまりないっぽいので無視しました。付ける場合は画像検索してみて。

4枚目:側面後方にある板。ここはフェンダーに載るジャッキ台とかを付ける前に作業しておきます。図の様に、片方の端っこを現物合わせで切り欠きます。支柱をかわすためなので、ナイフの先でちょこっとずつ切ればOK。目分量で8番の小さな六角を貼ります。前側のやつは微妙に均等じゃないので注意して、上下を少しずらします。左右とも同様です。
板の取り付けは、車体の下、やや内側になるように貼ります、サイズを微調整すること。
この板ですが、別のパターンでもっと背の高いやつを車体の外に被せて置いてるやつも居ます。図で示したタイプのほうが多いっぽい。

5枚目:ジャッキ台と水缶。フェンダーに凸で彫刻された枠の内側に沿って、1mm幅のt=0.3プラ板を貼って壁を作ります。長く切っておいて、現物合わせで長さを合わせていくと早いです。囲ったらさの内側に水缶をジャッキ台をそれぞれ入れます。ジャッキ台は彫刻が無い面が下です。水缶の向きは2個同じでも逆でもOK。
枠の壁に当てるようにして、小さい四角い部品を貼ります。レジンで板に何個か載ってるやつを削いで使います。画像のように谷がある面が上です。これは段差の上に貼ります、なのでフェンダー自身とは隙間が出来ますが、これで正解なので隙間を埋めないように。四角の左右には8番の六角を貼っておきます。四角の位置はフェンダーの支柱の側から接着して、もう一方の位置を合わせるようにしてください。ジャッキ台のほうは中心を通らなくて、内側寄りになります。

続いて、ジャッキ台の木材と水缶の上にt=0.14のプラ板で押さえを作ります。幅1mmで、長さは現物合わせで。その板を下の四角との間に付属の細いプラ棒を切って取り付けます。なるべく四角の谷に収まるようにします。最後に、その支柱と板の上に3Dプリント部品の蝶ネジを付けて完成です。
ジャッキ台は左右にありますが、片方しか載せてない個体も居ます。無しの場合、支柱をハの字に傾けて付けて、先っぽに蝶ネジを付けます。押さえの板はしまってあるらしく見当たらないので付けません。

水缶は英国軍のものと同じです。取っ手は付属の一番細くて短い金属帯板を半分に切って端を曲げて接着してください。

色はジャッキ台は何かしらの木材で、車体色ではない素の木の色みたいです。水缶は車体色かオリーブドラブで良いかと。

6枚目:車体後面のあれこれ。予備履帯の取り付け金具は付属の幅1mm長さ63mmくらいの金属帯板を切って使います。半分に切って、両端を図のように曲げて下さい。車体の凸彫刻の上に貼ります。ぴったしになる必要はなくって、長い場合は少し膨らませておきます、実車でも膨らんでる子が居ます。現存では付いてない個体も居ますが、当時は基本付けてたっぽいです。
予備履帯は5枚を繋いだ状態で、トゲを外に向けて、両方のトゲが押さえの外になるように付けます。ベルトだと端っこはどうしても変になるので、他から奪うか金属線で軸を作るかして下さい。

マフラーは図の位置から出して、横のボルトより下に出ないようにします。マフラーの位置が異なってる個体や先っぽを曲げてる個体も居ます。

左右には小さなライトを付けます。付属するレジンの極小さいお椀形のやつです。何のライト/ランプなのかは不明です。付けてない個体も居ます、面倒なら省略して可。ライトは図のような台座を介して付いていますので適当に作って下さい、たぶん左右対称です。ライトとこの台座が見られない個体もいて、っけっこう適当に切った材料で現場で作ってたのかも。配線はひし形の下から出して台座の後ろに入ります。

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・塗装と最終組み立て
たぶん砲塔以外は随時取り付ける感じになると思うので、最終組み立てもなにもないかなーって気もしますが履帯の組み立て説明をば。
履帯はつぎ足して使います。まず2本を普通に接着して、両端の接着用の部分を切り捨てます。真ん中のゴム部分と端の金属部分とで切り分けるようにして下さい。追加の1本から7コマぶんを切ってつぎ足します。これも金属部分のとこで切って、凸と凹が噛み合うようにします。つぎ足しはなるなべく目立ちづらい位置で、転輪に対して接着したほうが無難です、履帯同士の接着だと弱すぎる。
接着の際は、起動輪に履帯を巻いておいて、起動輪の軸に接着します、そうしないと入れるのが難しいです。誘導輪は後からでも大丈夫。なので、転輪を車体に接着しておいて、輪にする前のベルトを上部転輪とフェンダーの間にスルスルと通して、起動輪を接着して、仮接着で輪を閉じて、様子みながら誘導輪を接着、ってのでいいかなと。ともかく起動輪を接着後に履帯を通すのは無理なので注意して。
長さは微妙なので必ず様子をみながら作業してください。追加の1本は余裕がありますが、最初は8コマ切ってみて様子みたほうがいいかもです。一応、誘導輪の接着位置で微調整はできますが十分でないかも。
なーんかアスカのこの履帯って1コマが微妙~~に短いような気がしますがどうなんじゃろ?ゴムだしロットによって縮んでるのがあるのかな?

ここまで説明しといて何ですが、どうせだから連結式履帯を奢ってくれてもええんよ?(笑) せっかくの貴重品だからって連結買って来る人のほうが多そうな気がする…。まぁ余った履帯は他でいくらでも使えるんでいいよね。

全部組み立てたら、置く際はなるべく車体の下に適当なブロックを敷いてその上に置くようにして下さい。というのも、構造上、脚があまり丈夫ではないので、作業中に破損する可能性があります。履帯を付けた後だと再度接着するのが地味に難しいのでより注意して下さい。輸送の時も注意して。

塗装に関してはいつものように好きなタイミングでやってね、って感じですが、回りこみにくい箇所が多いので気にする場合は何度か吹いたほうが良いでしょう。車体の色は英国と基本同じです。最初の頃は淡い砂色単色か淡い砂色と淡い緑の2色での雲形迷彩が多いようです。パターンはかなり大きめで、細かく分かれずに繋がった部分が多いです。現存車両でも近い感じのものが居るので画像検索で探してみて。
後に英国標準が緑になってからは緑に直したっぽい。淡い緑でMr.122ライトグリーンに白を少量って感じでよいかと。現存車両でオリジナルと思われるやつがいるんですが、英国の緑より淡い/白っぽい感じに見えます。退色してるだけかもしれんけど。

全体を車体色で良くって、塗分けはジャッキ台だけで良いでしょう。大半が鋳造の車両ですが、金網を止めてるネジとか、観測装置の可動部とか取っ手とかは材質の違いからかよくハゲたりサビたりしてるので、そこで変化を付けると良いと思います。

車体のマーキングなどは全くしていないようです。写真を見ても、国籍標識のストライプすら描いていなかったらしく、何も確認できません。一切なしで良いと思います。実戦に参加してない可能性が高いので国籍標識や部隊表示は入れないままで、個体の識別は車体の鋳造された数字と記号で行ってたんじゃないかなと。

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これで完成なわけですが、いかがでしょうか?手間でしょ?仕方ない部分が多いので勘弁して頂きたいなと。今までで一番解像度が高いので、必然的に手間が増えちゃっています。そのぶん最近のプラモと並べても遜色ないくらいにはなってると思いますので、気合いれて可愛がってやって下さい。保管の際は車多の下にブロック置いて浮かすのと、直射日光を避けるのを忘れずに。

最後に、組み立て説明がかなり長びいてしまい申し訳ありませんでした。 201年6月23日 終了


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