1/35  クルセイダーMk.Ⅰ&Mk.Ⅱ 改造ガレージキット 組み立て説明

1/35 イギリス巡航戦車 クルセイダーMk.Ⅰ&Mk.Ⅱ 改造ガレージキット 組み立て説明

このページではガレージキット「1/35 イギリス巡航戦車 クルセイダーMk.Ⅰ、MkⅡ(銃塔あり・なし)改造キット」の組み立て説明をしています。
キットを購入された方はこちらを読んでから作業してくださいね。量が多いので一度に覚えようとせず、作業前に1回通しでざっと読んだら、あとは作業の進捗に合わせて読みなおすようにしてください。

部品が足りていなかった場合やHPでの解説ではわからん!ってとこがあった場合は、「お問い合わせ」からメールフォームを使って、仮名で構いませんのでご連絡下さい。個人生産なのでいつまでにとかいう期限は無いです(早いに越したこたぁないですが)。

ガレージキットの組み立て全般で、ちょっと細かい工作について1/35 TOG の時に作ったページがあるので、経験が浅い人はこっちも見ておいて下さい。リンク (同じ窓で開きます)
一応、完成見本へのリンクも貼っておきます。リンク(同じ窓で開きます)

この改造キットは3種類あり、対象プラモはタミヤ箱版のMk.Ⅲ、イタレリ箱版のMk.Ⅰ/Ⅱ/Ⅲです。ここではタミヤ箱の前提で説明します。使用するプラモによって多少の違いはありますが、まぁ見ればわかるよぐらいの差なので他のプラモでも特に困らないかと。イタレリ箱の場合は一応注意してください。

ここの見本では改造キットのレジン部品は、複製したもののうち状態が悪いB品を使っています。プラモはイタレリ箱のMk.Ⅰとタミヤ箱のMk.Ⅲの混成で、灰色がMk.Ⅰです。これは単純に前回のカヴェナンターでMk.Ⅲのほうを使って作り、前から積んでたMk.Ⅰを消費したかったからです。改造で使うのは共通部品ばっかしなので気にしないでOK。

*目次*(ジャンプ機能は無いです)
・部品の確認~洗浄
・基本的な注意事項
・組み立て順序の説明
・車体の下ごしらえ(共通)と銃塔の説明
・車体の下ごしらえ(Mk.Ⅰのみ)
・エアクリーナーの組み立て(Mk.Ⅰのみ)
・フェンダー前端の組み立て(共通)
・車体のその他のディテールアップ(共通)
・砲塔の組み立て1
・砲塔の組み立て2の1
・砲塔の組み立て2の2
・組み立ての確認と塗装

*目次ここまで*

・部品の確認~洗浄
とりあえず、上の写真を見て部品を確認してください(クリックで拡大)。ゲートの状態によっては見た目が少し違うこともあります。一応どの部分か書いておきましたが、どこよ?って思ったらひとまず無視してこの後の説明を一通り見て下さい。

これらレジン部品に加えてプラ棒がいくつか入っていますが、それらを説明します。
・3mmL字プラ棒1本・・・・・・・・砲身可動部の作成用
・2mm三角棒1本・・・・・・・・・・観測装置の作成用
・3mmプラ丸棒1本・・・・・・・・・発煙弾発射器の内側作成
・φ0.28mm金属線1本・・・・・・・砲塔上の輪っか作成用
・アクリル製の主砲身1本・・・・・・主砲用

それぞれの使い方はこれからの組み立て説明中でそのつど行います。

部品の確認が済んだら、組み立てを始める前に必ず部品を洗浄して下さい。今回、出荷前の部品の洗浄はほとんど行っていません。パっと身で綺麗に見える場合でも、実際は油分が付いています。油分が少しでも残っていると塗料やパテが弾かれますので、必ず専用クリーナーや台所用中性洗剤(濃くすること)でしっかり洗って、なるべくナイロンブラシでごしごしして下さい。ただし、主車体のフェンダーと側面はブラシで強くこすると破損する可能性が高いので、漬け置きしつつ優しく洗ってください。洗剤を使った後は水でのすすぎ洗いもしっかり行って下さい。組み立て前と塗装直前の2回で洗ってしっかり油分を落としてやるのがキレイに仕上げるコツの一つです。

・基本的な注意事項
ここでガレージキットを組むにあたっての基本的な注意事項と、本キット特有の注意事項を書いておきます。ベテランの方は言われるまでもないかと思いますが、ざっと目を通しておいてください。

~用語について~
・ただのクセなんですが、ここでは以下のように呼びます。
金やすり(かなやすり)・・・金属製の棒状のやすり、半丸とか平とか丸棒とか。
平ノミ・・・デザインナイフの平刃のこと、厳密にはノミじゃないけどクセで。
削る・・・・削る=やすりで削るじゃなくって、ナイフや平ノミやニッパーも使って切削してね、の意です。
ニッパー・・・基本的にボロいニッパーを使って下さい。かじる感じで不要部分を削ぎ取るのに便利。

~本キット特有の注意事項~
・実車の個体差が激しいので、キットもそれになるべく対応するようにしています。作りたい仕様がある場合は実車写真でよく確認して、特に無い場合は本ページの標準指示に従ってください。
・プラモのクルセイダーがMk.1~3で若干違いがあるので、このキットではなるべく全部に対応するようにしています。タミヤ/イタレリ版のMk.Ⅲ以外を使う場合はいちおう注意して下さい。
・コメつぶより小さい部品がちらほらあります。袋から出す時は箱の中で行うなどして、保持する際も十分注意してください。飛んでもいいように周囲を片付けてから作業すること。

~基本的な注意事項~(初歩的なことも書いてます)
・とにかく洗う!瞬間接着剤を使う!サフはなるべく吹く!換気をする!削る時はマスクする!
・わかんない時は早めに聞いて!やらかした後だと修正が余計に手間!
・使う工具の判断が一番大事!特に、デザインナイフと平ノミ(彫刻刀)が大事です。平ノミなしで六角ディテールの修正をやるのは超大変。
・接着剤の使い分けも大事!瞬着をどう使うかの使い分けが大事です。基本的にゼリー状でない普通のを使います。小さい部品では、ノズルから直接ではなく予め何かに出しておいてツマヨウジですくって部品に付けます。大きい部品の場合はノズルから直接つけますが、キットの内側など手が入りにくい場合もあるので先細ノズルもあると便利です。このキットの場合、百均で1gずつ小分けで5個入りのを1個買っておくとよいです。
・パテの使い分けも大事!好みによりますが、基本的にはプラパテ(ラッカーパテ)・ポリパテ・瞬間接着剤、の三択です。特に量が少ない場合は瞬着を表面張力を使って盛っておくだけでOKな場合が多いので活用しましょう、リベットの修復でよく使う手です。大きな欠けはプラパテより強度のあるポリパテを使ったほうが無難です。プラパテはヤスリのキズ消しと鋳造表現に使う程度かなと。
・ピンセットよりもナイフで刺す!小さい部品はピンセットでつまむものだと思い込んでいるあなた、それは紛失の元です。もちろん部品によりますが、基本テクなのでやっていない人は必ずマスターしましょう。
・部品の接触面の突起に注意!部品が接触する面、接着面ではバリなど不要な突起が無いように注意しましょう。逆に窪むのは別に構いません。ゲート処理をする場合は無理に平らにするのではなく、えぐるつもりで作業すると早いです。また、部品の角と角が合わさる場所(凸と凹があわさるみたいなとこ)では角の部分が干渉して隙間ができる場合が多いですから、接触する角を少し削り落とす(C面をとる、とか言います)と手っ取り早く綺麗に仕上がります。

・組み立て順序の説明
おおまかな流れを先に説明します。エアブラシで塗装をする前提で、転輪は別に塗装して、最後に履帯を巻く順番でやる前提です。サンドシールドを付ける場合は先に全部組んだほうが楽かも。けっこう何とでもなるので、適宜変更してください、砲塔なんかはいつでもOKです。プラモ流用の部分はプラモの取説も確認してください。

*部品の確認と洗浄→*主車体と底部とアームを普通に組む→*車体の改造箇所を加工→*車体に載る部品を加工→*車体に部品を接着していく→*砲塔の組み立て→*車体・砲塔・足回りをそれぞれ塗装する→*車体に足回りを合体→*適宜リタッチや汚しをする→*フラットを全体に吹いて完成!

・車体の下ごしらえ(共通)と銃塔の説明
車体の改造箇所を説明します。Mk.Ⅰでは追加でやることがあるのでこの下も読んでから作業してください。

1枚目:ターレットリングのとこ。イタレリのキットは先にMk.Ⅲとして作られて後からMk.ⅠとⅡに対応させたものです。なので、Mk.Ⅲ以外だとあちこちチグハグになってるわけね。一つがこの箇所で、Mk.ⅢとⅠ&Ⅱではここの高さが違います。Ⅲだけ高い。プラモでは同じ高さになってるので、やる気に合わせて自作するか妥協してプラモ部品を使うか選んでください。レジンでこの薄さでリング状は難しいので付属は諦めました。プラモ部品は高さ2.5mm程で、Mk.Ⅰ&Ⅱでは1mmにしたいので、無視するか微妙なところです。

自作する場合、サークルカッターでプラ板を切り出します。t=1mmで、外径46mm、内径40.3mmを目安に切り出してください。内径は40.3mmより大きくなるように狙うと無難です(サフとかあるので)。使うのはプラ板用のサークルカッターです、紙用のカッター(ロータリーカッターとも言う)だとダメ。100均でも売ってるので探してみて。コツはとにかく地道に何度もなぞること、ある程度まで掘ったら途中からケガキ針でなぞって掘るといくらか楽です。

2&3枚目:接着位置。自作した場合、車体の段差を平ノミで削ってから貼ります。位置は前後は前端より僅かに後ろ、左右は真ん中です。

砲塔の調整。これは砲塔を組んでからやって下さい。リングの厚みを1mmにした場合、砲塔側のベロが車体天井に当たって微妙に浮いたようになります。組み具合で多少変わるので、組んでみてから、砲塔の下側をヤスって微調整してください(0.2~0.5mmくらい)。別に少々削りすぎても構いません。砲塔裏の四角い棒は切ったほうが早いです。
このレジン砲塔はテールヘビー気味なので、よく押し当てながら確認してください。ひととおり組んだ後で、砲塔内側の前よりに適当な重りを貼っておくとよいです。

4枚目:車体の前面部分。この位置に余計なディテールがあるので削っておきます。Mk.Ⅰで、プラモの説明書だと取っ手をつけるようになっていますが、付かないのが普通です。Mk.Ⅱの場合、左右のライトとガードはMk.Ⅲと同じなのでMk.Ⅲと同様に工作してください。Mk.Ⅰの場合ライトの支柱は裏の目印に合わせて開けます、前フチの欠けは埋めて、六角を植えておきます(見本は植え忘れてる)。

5&6枚目:車体後部天井の箱。このナナメになる箱ですが、プラモだと背が高い&角度ついてるので改造すると砲塔に接触します。プラモ側の間違い。写真のように上が水平になるように、思い切って底を削ります。中心線側の接着部分がほとんど上側と同じになるくらいまで削ります。

7枚目:車体後部のディテール。Mk.Ⅲだと牽引具が付きますが、ⅠとⅡにはありません。見本のようにディテールを平ノミで削って整えて、六角のディテールを植えなおします。位置は目分量です。六角はMk.Ⅲ砲塔から奪えばよいですが、他のプラモを使ってて無ければWAVEの1mm六角棒をみじん切りにして貼ります。なお、この工作はMk.Ⅰ&Ⅱのプラモでも必要です。

8&9枚目:銃塔の部分。銃塔無しはやらなくていい工作です。銃塔本体はゲート処理のみ、突きだす部分の部品は不要部分と使う部分との境目をよく見てカットしてください(少々切りすぎても使えるけど)。裏から見たほうがわかりやすいです。接着は好みの角度で。

プラモがMk.Ⅲの場合は車体の円モールドの中心をおおまかに拾い、穴をあけます。さし(定規)で2方向から測る程度でOK。穴は軸にするプラ棒やポリ部品に合わせてください。周囲の凸ディテールも引っ掛かる部分は平ノミで削いでおきます。銃塔のベロは削いで真ん中の目印に開口して棒を刺します。プラ棒+余ってるポリキャップにすると可動が快適かも。

プラモがMK.ⅠとⅡの場合、そのままで銃塔をはめればOKです。ゆるいようなら銃塔のベロ部分にテープなどを巻いて太らせてください。

銃身は適当なジャンクから探すか、タミヤ版Mk.Ⅲならブレンの銃身を砲塔に回して砲塔のをこっちに回せばたぶん大丈夫。まぁ何とでもなるかと。銃身は支え(?)の先端から6.5mm出るように接着します。もっとも、ここの機銃は排気ができずに危険だったために銃塔は残ってても銃は外してる車両が多いです、銃が付いてるほうが稀。なので銃身をつけずにレジン部品のみで「銃は外して穴を塞いだ車両」にしてもOKです。

・車体の下ごしらえ(Mk.Ⅰのみ)
Mk.Ⅰではエアクリーナー部分の違いや車体のライトの違いから、けっこう変更が必要です。これは元のプラモでもそうなので、改造っていうか元キットのせいなんだが…。Mk.Ⅰのプラモでもけっこう強引に改造するようになっています。

1&2枚目:車体前のライト。レジン部品の三角のライトとプラモから改造して小さいライト2個を付けます。三角のは単純に真ん中に。向きには注意してください。
小さいライトはMk.Ⅲのものを改造してひさしを除去して使うか、ジャンクや市販品から取ってください。ジャンク使ったほうが楽です。支柱は適当な0.5~0.8mmくらいの棒です。接着は見本のようにライト真横でなく少し後ろにつくのが正解のようですが、よい写真がなくて確証なし。

どちらもガラスは透明プラ板をテンプレート+ケガキ針で切り出すか、市販透明部品を使うか、透明な充填材料を使うか、ほっとくかです。見本はほっといてますが、案外平気かと。透明にした場合でも、実車のガラスは砂埃で白く曇ってるのが普通です、あえてツヤ消しで曇らせるほうが自然になります。

3~6枚目:エアクリーナーの部分。ここはMk.Ⅰだと段差でなくまっすぐ繋がります。まず、t=0.5mmプラ板をフェンダーの幅(9.5mm)で長さ20mm程度に切って当ててみます。長さを微調整して、上手いことハマるようにして接着します。内側が抜けてしまいますが、ほぼ見えないので気にしなくて良いかと、気になる場合は埋めて。板を貼ったら隙間に適当なプラ棒を挿して接着して補強します。後方は段差を残してスジ掘り代わりにしても埋めて繋いでも構いません。外側は後でフェンダーかサンドシールドで隠します。

側面はMk.Ⅰの場合、「シールド無しで短い側面のみ(見本これ)」「半分までのシールド(MK.Ⅰプラモこれ)」「Mk.Ⅱ&Ⅲ似た大きいやつ」のパターンが考えられます。好みで選びますが、アフリカ行く前や行ってすぐが前2つ、時期が遅くて生き残ってた車両が3つ目に改修って感じ。半分シールドは自作は難しいです。どうしても作りたい場合、クルセMk.Ⅰとブロンコの巡行戦車Mk.ⅢとⅣで付属してるのが使えそうなので検討してみて。

見本では短い側面のみで説明します。大型シールドでも似たようなもん。先に起動輪を付けておくこと。
プラ板で自作してしまうか、プラモ部品から作るかですが、全部自作したほうが早いかもしれません。プラモ部品の余計な凸部分を削り、プラ板をつぎ足します。上は先にきっちり切らずに、はみ出しておいて後で切るほうが楽です。これは全部自作する売も同様です。整えたらディテールを植えなおして完成。

・エアクリーナーの組み立て(Mk.Ⅰのみ)
Mk.Ⅰ用のエアクリーナーを組み立てます。

1枚目:パイプの部分。Mk.Ⅲ用のパイプの写真の位置をカットしてください。なお、Mk.Ⅰのプラモでもこの部品は入っています。カットしたら整えて、レジンのパイプとつなぎますが、レジン同士を接着、パイプのプラモ部品と車体を接着しておくほうが綺麗に組みやすいです。

エアクリーナーの不要部分は表裏からよく確認してカットしてください。カットしたらフチを少し丸めておきます。クリーナーの足元のベロ部分が欠けている時は、車体に接着後にプラ板で修復すると楽です。側面の穴にゴミがある場合は、幅の狭い平ノミでコリコリして取り除きます。

2&3枚目:接着します。2枚目のように分けてから合体させます。レジンのパイプとエアクリーナーとの接着は、横が外から1mm、縦が上から1mmで、エアクリーナーの天井を水平に接着します。プラ部品のパイプは車体の中心線と直交するように注意します。上下の傾きはクリーナー側と綺麗につながる様に微調整します。

4枚目:完成状態。仕上がるとこんな状態です。フェンダーの側面を付けてからエアクリーナーをつけること。エアクリーナーの土台部分の加工→起動輪の取り付け→側面を取り付け→エアクリーナーの取り付けの順。

フェンダー前端の組み立て(共通)
プラモの問題個所の一つがここの部分。普通に組むと1枚目のように側面に貼るんですが、取り付けが斜めになるわ実際と違うわ履帯に当たるわで厳しいです。型式改造でなはないですが説明しておきます。

1枚目:これがプラモの状態。この側面に乗っかる部分をカットして修正します。

2枚目:まず目印をつけます。あてがって、ナイフで軽くなぞって線を引きます。

3枚目:線に合わせてカットします。

4枚目:取り付け。側面に当てるのでなく、前に乗せるようにして接着します。全体を見ながら微調整して。側面は少し段になって残るので、こだわる場合は削りこんで車体側面に合わせます。

5枚目:前から見た写真。茶色の部品の厚みの半分くらいが車体に乗った状態になっています。車体との垂直・平行を確認しながら取り付けます。

6枚目:ついでにフェンダー側面。前側の側面はそのまま使います。大型サンドシールドの場合もそのまま使います。先に誘導輪を付けたほうが無難ですが、軸を短く切れば後でもいけるはず。

*ついでにMk.Ⅱのサンドシールドの話*
Mk.Ⅱの場合、大型のサンドシールドを付けているのが普通です。これは形状が何通りもあり、Mk.Ⅲのプラモのものはチェニジア戦の頃の後期のもの。ただし、他のものも形状は大差なく、組み具合や補強のスジが異なる程度です。なので、プラモのMk.Ⅲのものをそのまま使うことを推奨します。これを付けてる個体も居るので間違いではないです。特に、MK.Ⅲの部隊に配備されていたMk.ⅡCSだとMK.ⅢのでOK。

・車体のその他のディテールアップ(共通)
これは型式の改造ではないですが、プラモで特に目立つ箇所のディテールアップの説明をします。好みでやるかどうか決めてください。

1&2枚目:予備履帯の枠。プラモではこの箱と履帯の出来がよくなく目立ってしまいます。まず、枠がちゃんと板っぽく見えるように加工します。抜きテーパーがかかってるので、外側面を削ってなるべく垂直にします。テープで養生するとよいです。前後の角にある斜めの部分は実際は無いので削り落とします。全体のエッジもなるべく立てておきます。

履帯は最大で6枚置けるようになっています。しかし、もともとが窮屈な上にプラモでは肉厚ぶん狭いので、6枚積んでしまうとはみ出します。実車でも6枚積みは稀なので4枚か2枚積みを推奨します。
付属させてる履帯はブロンコの巡行戦車Mk.Ⅲ&Ⅳ用のものです。これの2ピースだったのを一体化させれば、クルセイダーの履帯とだいたい同じになります。2部品を接着して合わせ目をパテ埋めして消してください。

実車では、履帯の軸を挿す穴に金属棒を通して枠に固定されています。模型で同様にやれなくもないですが、部品が小さくて難しいと思います。見本では、先に車体に履帯を接着してしまって、一番左の使わなかった棒と、右の比較的見える棒のみを再現しています。右のやつは短く切った棒を隙間に挟むように接着しています。最後に、枠の前後に適当な丸凸のディテールを4個づつ貼って完成です。

3枚目:操縦手席のとこ。右側面の窓は抜けてないのでピンバイスとナイフで開けたほうが良いでしょう。前面の左にある山は操縦手の窓と装甲カバーが一体になったものです。改造キットにはこの装甲カバーのみの部品が付属しています。プラモでは形状がイマイチなのと開状態では組めないので、この部品を使って改修してください。一体になっているカバーを削り落とし、窓の四角を整えます、プラ板を貼って整えると良いです。開く状態にする場合は楕円の窓を掘っておきます。付属のカバーを付けますが、腕の長さは微調整してください。開く場合は45°くらいで、車体には接触しません。

4枚目:車体前面の装甲。この部分のボルトはMk.ⅠとⅡでは円錐ボルトです。余裕があればですが、砲塔のボルト修復用に入ってるレジン部品から取ったり、砲塔後部の箱の部分から取ったボルトを使って置き換えてください。Mk.Ⅱで増加装甲付きのものはここが違うので、増加ぶんを自作します。

5枚目:背中のとこ。このぶぶんは木製のジャッキ台が入る部分です。ただし、よほど使わなかったのかMk.Ⅲのプラモでは無視されています。ジャッキ台を載せるなら自作しますが、載せてなかったり、他の雑多な荷物を上に積んでるのが普通です。何も載せない場合は見本のように一旦ディテールを削いで、プラ板で作ってから真ん中に何か挟んで0.5~1mmくらい浮かせて付けます。真ん中の上に適当な蝶ネジでもつけておけばそれっぽい感じになります。

6枚目:お尻の部分。ここの六角ボルトが無いので再現します。ただ、ここの形状自体が完全ではないようなので、実車の通りの数・間隔にするのはたぶん無理です。雰囲気で妥協しましょう。本当は外側も同様にありますが、あまり見えないので見本では無視しています。ここに付くキノコみたいなプラモの部品は形状がイマイチなので出来れば直したいところ。

7枚目:角のとこ。ここも六角が再現されてないので大体で再現します。この他のも修正しはじめたらキリがないですが、面倒なのでここに挙げた目立つ箇所だけやっておけば十分でしょう。

*その他の雑多なとこ*
写真は無いけど気になる部分をざっと説明します。
・OVMは個体差があるので適当でOK。
・フェンダーの箱の上に付けるフックみたいなのは無くてもOK。これは牽引ワイヤを固定するものですが、砲塔と接触するなら外したほうがいいです。牽引ワイヤも積んでない車両が多いし。おおむね、Mk.ⅠとⅡは左に付けて、Ⅲは右に付けたようですが、逆ものも居ます。ワイヤを付ける場合はS字の金具部品と合わせて付けますが、プラモのワイヤ部品は曲がらないので使いものになりません。付けたい場合は実車写真も見ながら工夫しましょう。
・操縦手席を開けるのもオツ。実車では、操縦手の前面左半分を開けてることが多いです。また上面を開けて顔を出してることもよくあります。ディオラマにするならここは改造して人形を乗せると良いでしょう。砲塔天井ハッチはあまり開けてないようです。

・砲塔の組み立て1
改造キットのメインの部分、砲塔を組み立てます。まず、基本的な組み立ての話をします、細部の作り分けについてはこの次で説明しますので、合わせて読んでから作業してください。基本的にはカヴェナンターと同じです。

1枚目:砲身と可動部を組んでおきます。ここでは、砲塔本体と可動部+砲身は別に組んでおいて、塗装後に合体させる段取りで説明します。少し加工すれば後入れできました。まず、可動部はゲートをざっと処理して、穴を開けます。貫通しなくていいのでなるべく真っ直ぐ開けます。機銃の銃身はプラモのB87を切って使い、塗装後に接着します。塗膜を考慮して、仮組みして様子を見ておいて下さい。左の照準孔は穴を開けるだけです、塗装したら墨で黒くしておきます。主砲身の上にはディテールがあるので間違って削らないように注意してください。

砲身の材質についてはこの項目の最後で説明します(写真が遠くなるので)。

2枚目:可動部の仮組み。砲塔前面の部品のバリを整えたら、可動部が入ることを確認してください。前面部品は鋳造表現をしてあるので、気泡などをパテで直した場合は最後に溶きパテで軽く荒らしておくと周りとなじみます。前面部品の下のほうの円弧状の部分は間違って削らないように。

3枚目:可動部の組み付けについて。この作業は塗装後にやりますが、ここで説明しておきます。写真左上みたいに、砲塔本体・可動部+砲身・銃身で分けて塗装します。可動部+砲身をすべりこませる感じで砲塔に挿し込みます、必ずこの後で説明する箇所を削っておいてください。銃身は正位置で防盾の前面から6mm出すように接着します、先に下記作業をしたほうが良いです。
可動部の押さえは適当なプラ棒(3mmL字がベター)を適当な長さに切って左右に貼ります。右側は当たるまで押し込んでOKですが、左側は押し込むと可動部がナナメになるので、少し引いた位置で接着しておきます。そのままだとガバガバなので、接着剤が乾いてからマスキングゾルネオ改を可動部の隙間に流しこみます。乾くのを待つ間、砲身が水平位置で左右に振れないように適当に支えておきます。乾いたら、ゴムとレジンはあまりくっつかないので適度に動くようになります。あまり繰り返し動かすとヘタるので、そしたらもっかい流して。失敗してもL字を平刃ではがして付け直せばよいので、失敗を恐れずとりあえずやってみてください、案外いけます。

4枚目:砲塔下面の加工について。黒丸した角のとこ(両側とも)は主部品と底で面が合っていません、原型の間違いですので、主部品のほうに合わせて底部品のほうをナイフで削って下さい。先に、底部品の裏からパテで裏打ちしておいてください、厚みがギリギリです(なので原型を後で裏打ちして直そうと思って忘れてた)。底部品との接着面は隙間が少しできるので、組んだら見えませんが気にする場合は埋めてください。接着の際は5枚目の注意事項に気を付けてください。
なお、後下面の傾斜部分は沈頭鋲による接合で凸のリベットやボルトは使っていないと判断してうっすら凹ディテールを入れています。この面と上面は構造材の板のみで装甲板の重ね貼りをしていないようです(側面や後面上半分は装甲をボルトで重ね貼りしてる)。
砲塔のリング部分はクルセイダーと同様なのでプラモのA84を使い、段差に乗っけて接着します。

5枚目:底部品の接着についての注意。高さ(深さ)方向に注意してください。底部品は主部品に押し当てればOKにしたつもりだったのですが、右側部分は押し込むと深く入りすぎてしまいました。先に後ろ側と左側を主部品に軽く押し当てて接着しておいて、右側は主部品のフチと底部品の面が合うように押し込まずに接着してください。

6枚目:リング部分を接着した状態。A84はプラモでもなぜか妙に長いのですが、このキットでは両端を適度に切って砲塔の縁に合わせて接着して下さい。現物あわせで様子を見ながら少しずつ切ります。先に4枚目で説明した角の間違いを修正してから貼ること。真ん中の太い横棒は塗装の持ち手になるので残したままで構いません。その前にある細い棒は底部品・主部品・前面を接着してから切り取ります。主部品と底&前面はどっちを先に接着しても構いません。

真ん中の棒は残しても大丈夫なんですが、車体と接触するようなら切ってしまってください。切っても問題ないです。

7枚目:前面の取り付けについて。前面ははまるようにはめて、しっかり押し当ててもらえば大丈夫です。主部品との接着面のフチに余計な凸ができてることが多いのでケガキ針で段差に沿ってコリコリなぞってやると楽に取れます、ざっととれたら小さい平刃や紙やすりで整えておきます(凹キズは放置してOK)。赤丸した位置の接着代は真ん中らへんを少し削っておいてください。ここを削っておかないと可動部の後入れができなくなります。主部品と前面と底を仮組みして、砲身を挿した可動部を後から入れられるか確認してください。主部品と前面との境界(コブの周り)は実物では滑らかに繋がってる(セメントか何かで目張りしてるっぽい)ので、拘る場合は溶きパテを流して境界の隙間を埋めてアールにしておくとなお良いです(この見本はしてある)。主部品・前面・底を接着したら全体を確認しますが、裏面の前方にできる隙間は見えないので放置で良いかと。リング部分が欠けてる場合も特に困らないので放置で良いです、組んだ状態なら強度は十分あるので大丈夫。

車体との合体後、この前面部品と車体のリングとの間で隙間ができるようなら、このコブの下面に適当なプラ板を貼って外側だけ整えてやります。見えなくなる内側は適当でOK。

砲身の材質について説明します。この砲身はレジンではなくアクリル製で、外注3Dプリントしたものです。レジン同様に瞬間接着剤やラッカー塗料が使えますが、プラモ用(スチロール用)接着剤は使えません。加工順序は、まず600番前後の紙やすりを巻くようにして表面を均して白っぽいカスを落とします、段差ごとに作業します。次に800~1000番くらいで更に整え、有ればスポンジやすりでなでておきます。砲口に加工液が残ってたりするので掃除しておきます。削ったら、洗剤で軽く洗います、あまり脱脂しないほうが良いようです。乾かしたら可動部に接着します、まっすぐになるように注意しながらやります。塗装は、プライマー→灰サフかプライマー入りサフを吹きます。透けを確実に防ぐなら、更にシルバー→黒っぽいグレーを吹いておきます。レジンよりははるかに経年変形しにくいので曲がる心配は少ないですが、直射日光は避けてください(レジンも日光は苦手です)。

・砲塔の組み立て2の1
続いてディテールの説明をします。クルセイダー/カヴェナンターの砲塔は細部の仕様が何パターンもあり、生産時期や現場の改造で変化しています。完成見本はMk.Ⅰで一般的な状態で作りました。Mk.Ⅱの場合は文中の説明を確認してください。併せてパターンごとの説明もしますので、特定の仕様にしたい場合はそちらも参考にしてください。文中の前半後半はおおまかな目安なので、きっちり半分ではありません。レトロフィットで前後の特徴が混ざった個体も居ます。なんにせよ、次の項目と併せてどう作るかを決めてから作業して下さい。

1枚目:前面の窓のとこ。キットのこの部分はクルセイダーMk.Ⅱと共用にするための形状にしています。

Mk.Ⅰではキットの窓部品を貼り重ねます。まず、窓の周りの凸部分を平刃で削り、紙やすりで整えます。窓の部品はバリを軽く整えて、砲塔の窓の凹みに合わせて接着します。ここはMk.Ⅰは全て見本と同様です。

Mk.Ⅱでは、2パターンから選んでください。1つはキットのままの状態で、窓のフチどりが狭いタイプです。こっちが少数派っぽい。2つ目はフチどりが広いタイプで、ボルトの所まで段差があります(実車写真確認のこと)、こっちが多数派。このタイプにする場合、窓の周囲をテープで養生して、プラパテを薄く盛って再現してください。少々荒くなっても、実物も荒いので問題なし。
ついでに、Mk.Ⅱでは砲塔前面下部の左右の角っこがほんのわずかに削られて面とりされています。1/35だと無視でいいレベルですが、削る場合は本当にちょびっとだけ削って面とりしてください。

広いタイプを狭いタイプに直すのは難しいので狭いほうに合わせています、ご了承下さい。

2枚目:発煙弾発射器を作ります。写真の左はレジン部品、バリを取ってください。この部品は上下があり、大きく開いている側が上です。右側に写っている内側の部品は3mmプラ棒で作ります。プラ棒を3mmほどの長さに切り、それを半分に輪切りします、大体で構いません。発射口はφ1.5mmで穴を掘ります、貫通させるかは好みで。接着した時に穴が斜め斜め上を向くように、真ん中からずらして穴開けします。

3枚目:発射器の接着。まず、プラ棒で作った部品をレジンの枠にはめて接着します。裏側が飛び出す場合は削っておきます。砲塔への接着は、下端から5.5mm、コブとの隙間が0.5mmです。5.5mm測って目印のテープを貼っておき、コブの間にプラ板を挟んで位置決めすると良いかと。前から見て確認して、斜めっちゃった時は平刃で剥がしてやり直します。

4枚目:砲塔上の穴のところ。プラモのA67を写真のように小さく切って使います。段差に合わせて切って、角を落とせばOK。裏側はそのままで穴に貼ると写真のように程よくなります。ここは潜望鏡なので伸びた状態で作る場合は2mm三角棒やジャンク部品(よく余るやつ)で適当に作ってください。

5枚目:てっぺんの観測装置を作ります。ここは「ひさし無し」と「ひさし有り」を選択します。割とどっちも多く居るのでどっちでもOKすが、アフリカに行ったら基本つけてたっぽい、ただし外れちゃうこともある。「無し」では付属のレジン部品を写真のように根元を切って接着します。だいたい低い部分が1mmほど残るくらいで切ってください。「有り」の場合はプラモのA72と付属の2mm三角プラ棒を適当に切って組み合わせてください。プラモのひさしはやや長いようなので、少し短くしたほうが良いかも。

6枚目:Mk.Ⅰのみ。左側面の部品について。左のコブは本来のアンテナの基部です、ただこの配置は問題があったらしく結局使われていません。基部だけが残ったまましばらく生産されて、後で基部も廃止されました。クルセイダーの場合、この基部がある個体は僅かと思われます。有りと無しで円錐ボルトの配置が異なるため、キットでは両方を植えておいて不要なのを削る方式にしています。有りの場合は6枚目の写真の箇所を平刃で削り、青丸のところは上をちょっと削っておきます。アンテナ基部の部品はバリを取っておき、ボルトに囲まれるように貼ります、なるべく上端が砲塔と合うようにします。

7枚目:Mk.Ⅱの場合と、Mk.Ⅰで上記部品無しの場合。赤丸部分を削ります。青丸は残します、この写真は削っちゃってるので注意。完成見本も参照してください。

*ついでにMk.Ⅱでワンポイント*
ちょっとマイナーなこだわりポイントの説明。Mk.ⅡCSの場合です。
Mk.Ⅲの6ポンド砲は当初は榴弾の数が少なく、支援用にMk.ⅡCSをMK.Ⅲ部隊に配備していました。残存していた2ポンド砲の通常型Mk.Ⅱを、なるべくCS型(3インチ砲)に改造したようです。そのせいなのか、Mk.ⅡCSでは「砲塔の前面と側面の一番前の1列」だけ円錐ボルト→六角ボルトに交換した個体が多く居ます。整備か改造のために前面を外す必要があり、再組み立てする時に新しい六角ボルトに交換したんだと思います。
これを再現してもいいかも。特にMK.Ⅲとのディオラマを作るならこだわっておくと良いでしょう。

・砲塔の組み立て2の2
写真が多いので分けたよ。更に細かい部品を付けていきます。これらの部品はどれも小さいので、ボルトの欠けの修復などを行った後にしてください。部品を小袋から出す際には適当な箱の中で行うなどして、紛失に十分注意してください。砲塔のボルトを修復する際は、付属する砲塔の破片みたいな部品から平刃でボルトを削いで使ってください。円錐ボルトは1種類なんですが、手作業なので微妙に大きさが違うのは勘弁して。

1枚目:吊り金具の取り付け。四隅に砲塔吊り上げ用の金具をつけます。プラモのB76を使いますが、縁がちょっとめくれてるので整えて使いましょう。位置は写真から目分量で付けます。後ろはだいたい水平で、前は少し斜め後ろに傾くようにします。

2枚目:ライトと輪っか。砲塔前面コブの付け根にアイボルト(吊り金具)らしき輪があるので金属線で作ります。付属の金属線(φ0.28)を使い、φ1mmくらいの棒に巻いて輪にして、”?”みたいに脚を残して切ります。位置は中心線上で、コブ根元の1mm程前にφ0.3~4mmで穴開けして挿し込みます。向きは穴が横向きと前後向き(見本の向き)の2通りあり、特に時期とかの違いでは無いみたい。
また、見本では付けてないですがこの後ろの砲塔上面に簡易照準器(ツノみたいなの)を付けてる個体も多く居ます。付けたい場合はプラ板で自作してください。アフリカで戦闘を経験してからは基本つけてたっぽい。後のほうでは3本棒のタイプをつけた個体も居ます。特に、Mk.Ⅲ部隊に配備されてたMk.ⅡCSはこっちが多いみたい。

サーチライトについて。無い車両もけっこう居るので付けるかは好みで。ライト本体は付属のレジン部品かプラモの部品かどっちでもOKです。レジン部品は上部の取っ手を再現していないので、気になる場合はプラ板や金属板で自作してください。透明部品はプラモ付属のものが使えます。塗装後に、ラッカーのクリアー(つや有り)を適当な濃度にして接着剤代わりに流して付けると良いです。台座は画像のような台形に切ったプラ板を写真の位置のボルトのすぐ上に接着します。水平か少し斜め上を向いて付けます。現場で適当にやりくりしてたらしく、台座の形状が違う個体も居るのであまり拘らずに適当に切って貼ってしちゃって大丈夫だと思います。ライトの向きは本来は不使用時には後ろか内側(左側)を向けるルールっぽい(ガラスの破損防止のため)のでその向きでもOKです。ディオラマにするならそのへん拘っても面白いかも。

3枚目:後部のアンテナについて。これも有り無しを選びます。クルセイダーMk.Ⅰ&Ⅱでは大半が有りなようで、無しはMk.Ⅱの後ろのほうの生産車だけだと思う。無しの場合は右側面にクルセイダーMk.Ⅲと同様のアンテナを付けます。ただ、カヴェ&クルセのアンテナはいまいち判然とせず、指揮戦車型なのかアンテナ3本立ちのも居ます。マニアックな仕様は各自で調べてください。
写真のアンテナは上側の砲弾形部分を別部品としていて、これまた有無を選びます。クルセイダーではMk.Ⅰの一部のみが有りのようです。基本なしで良いと思う。砲弾形部分を付ける場合は基部の先の円盤みたいなとこを切って、その上に付けてください。砲弾無しでは基部をそのまま使います。基部は写真の辺りの前後に余分なヒレ(空気逃がすため)があるので、注意して整形してください。見本では付けていませんが、アンテナロッドを付ける場合は伸ばしランナーなどで作ってください。

4枚目:接着位置。位置は写真を参考にしつつ、全体がまっすぐ上を向くように微調整しながら付けてください。様子を見ながら、必要なら接着面を少し削ります、仮接着推奨です。写真のような小さいツノを適当に作って左につけます、完全に目分量でやるしかない形状なので適当で。細かく言えば先端に小さい横棒が付きますが見本は省略してます。先に後部の箱を付けてからやること。

5・6枚目:後ろ側。小さな棒っぽいのはハッチの受けです、ハッチ開状態だとこの先にハッチが乗ります。写真のように細くなった棒の部分は枝なので切り取り、丸した部分だけ使います。たまに最初から枝が取れてることもありますが問題ないのでそのまま使ってください。溝がある側が後ろで、溝が埋まってる端が上です。接着面は斜めになるので、部品の形をよく見て枝をカットしてください(ルーペ推奨)。上端は実物だと革製なので茶系やグレーで塗ります。クルセイダーの完成見本は、これの位置イマイチです、ここの写真(カヴェナンターの時の)を参考にしてください。
Mk.Ⅰのみ。ドラ焼きみたいなのは真水補給口のフタです。これも有無を選びます。評判が悪くて途中で廃止されており、後部の箱(迷彩ネット入れ)を付ける場合には無しにします。実戦参加したクルセイダーはほぼ全て箱を付けてるので、基本無しでOk。位置は写真を参考にして、平らなほうが表で丸まってる側が裏です。ちなみに、Mk.Ⅱでもこれがあるやつが極少数は居たっぽいけど無視してキットには付属させてません。

共通
砲塔後部の箱は干渉するボルトを平刃で削り取ってから、目測で位置決めして接着してください。だいたい上から2個目のボルトよりちょい上、下は1.5~2mmはみ出すぐらいの位置です。左右は真ん中で。ボルトは車体のディテールアップに回すとよいです。
ついでに砲塔右側面には対空機銃の銃架やその収納箱、左側面には機銃の弾薬箱が付く個体も居ます。対空銃架は流石に部品化しませんでした、AFVクラブのヴァレンタインに良いのが入ってる(しかもヴァレンタインだと無しが多数派)ので、それを発掘or譲渡してもらうのが早いです。

・組み立ての確認と塗装
これで組み立ては終わりです。写真を見て改修し忘れてないか確認してください。MK.Ⅱだと砲塔と銃塔のみですけど。

塗装はしっかり下地を作ってやりましょう。カラーはMr.の313の単色か17を加えた2色の雲形迷彩が普通です。デカールはタミヤ箱のMk.Ⅲだと付属が少なくてやりくりしにくいです、ブロンコの巡行戦車シリーズから余りを持ってくると良いでしょう。見本はイタレリ箱Mk.Ⅰに付属のもの。1941年の北アフリカに居た所属不明の車両とのことですが、イタレリのキットはよく間違ってるので正しいか不明です。Tナンバーは黒文字と白文字が居ます、こだわる場合は個体ごとに確認してください。

以上で完成です。Mk.Ⅲとは異なるクルセイダー本来のフォルムをたっぷり味わいましょう。イタレリのMk.ⅠとⅡのプラモを普通に組んだやつと見比べて、改造の成果を確認して悦に浸るのもアリです。

完成見本へのリンク(同じ窓で開きます)


Top