砕氷艦 しらせ (南極観測船) 見学 2016 in 呉

砕氷艦 しらせ (南極観測船) 見学 2016 in 呉sirase_1

このページは2016年10月1日&2日に海上自衛隊呉基地で行われた砕氷艦”しらせ”の一般公開を見学しに行った記録です。”しらせ”の外観や内部の写真が見られます。

このページの写真はクリックすると拡大して左右の矢印クリックで連続的に見られます(スマホだとダメな場合あるかも)。写真に人が写っている場合は適宜隠しています、トリミングするの大変なので手抜きしてますがご勘弁を。並んだ写真の下の方に説明があります。

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南極観測船 宗谷 見学 2014 in 船の科学館

ひとまず一番気になる外観を並べておきます。
ざっと説明しますと、砕氷艦”しらせ”(2代)は先代の名前を引き継いで2009年に就役した南極観測隊の輸送や研究のための船舶です。海自隊員により運用され、艦番号はAGB-5003で海上自衛隊に所属していますが、建造費は文部科学省から出ており南極観測の際には文科省の職員や一般の研究者も多数乗り込みます。自衛艦旗を掲げている以上、国際的な扱いは軍艦ですがあくまで研究用の船舶で武装は無く、艦ではなく「砕氷船」や「南極観測船」と表記しても別に間違いではありません。大型特殊船舶やヘリを運用する都合から似たような扱いになっている海洋・南極観測船は他の国にもあり、特に日本だけが特別ってわけではなかったりします。
諸元は基準排水量約12,500トン、全長138m、全幅28m、吃水9.2mで船舶としてはかなり丸っこい太った感じの見た目の船です。南極に行けるだけの砕氷能力やコンテナなどの物資の自力積み降ろし能力、医療設備や船内での研究を行う設備の設置能力、3機のヘリの搭載能力などを持っています。

写真は1日土曜日に行って撮ったもので、この日は10時頃は小雨でしたが次第に晴れて、自分が見学した11時頃には雨は止んで曇りになっていました。若干暗い写真があるのは天気のせいなのでご勘弁を。
外観の細かい説明は省きますが、プラモ作る時の参考にでもして下さい。

“しらせ”は南極観測船というマニア以外にも人気のある船であり、観測任務(11月中旬~4月中旬)とその前後の整備と訓練以外の期間はなるべく各地を行脚して一般公開を行っています。呉での公開は6年振り6度目とのことでレア、瀬戸内海へは基本年1回しか入らなくて寄港も1箇所のみだそうです(聞いた)。海自基地が無い場所へも地方行脚をするため1つの場所で見られるのはどうしても数年おきになるみたい(横須賀とかは多い)。

ここから各部位ごとに行きます。まずはコンテナのとこ。
1枚目は右舷で後ろ向きに撮影したコンテナガイド(ラッシングブリッジ)、左右に分かれていて普通のコンテナ船のと違って一番上まであります、そんだけ揺れたり衝撃を受けたりするってのが分かる部分ですね。2枚目は同じく右舷を前向きに撮影したもの。トータルでコンテナは56個搭載可能です。

3枚目は右舷で一番下だけコンテナが積まれていました、名前が入ってるので標準で積んでるのかも。

4枚目はコンテナ区画より前の煙突で、艦橋へ上がる途中に撮ったもの、見えてる床面が艦橋と同じレベル(高さ)です。見えてるのは後部クレーンで、煙突の真後ろは減揺タンクになっています(見えないけど)。写真の真ん中の棒の下にちらっとだけ見えるのが搭載ヘリCH-101用の替えプロペラブレードが入った箱でした(書いてあった)。

次は上の方と救命機器を。
1枚目はマストと上部見張り所です。マストに専用の見張り所なんて今時の船には無いですが、これも観測船ならではでしょう。海面の氷の状況なんかはレーダーやソナーでは十分に把握できませんから目視に頼るわけですね。戦闘艦ではないのでマストのアンテナ類は普通の貨物船と変わらない程度です。

2枚目、左舷の艦橋上を前向きに撮ったもの。衛星通信アンテナなどが見えます。

3枚目、右舷の艦橋構造物のすぐ後ろを後ろ向きに撮ったもの。膨張式の救命筏は少なくて全部で8個のみ、他にライフボートが4艇と内火艇(?)が2艇積まれています。見た感じなので違うかも。

4枚目、ライフボートは普通の貨物船と同じっぽい。この手のは考えうるどんな気象条件でも耐えるように作ってありますから、専用品は必要ないのでしょう。マイナーチェンジ程度はあるかも。後ろに見えてる内火艇(と言うのが正しいか知らんけど)は他の海自艦艇のと基本同じに見えたけどどうなんでしょ?

次は前部のデッキクレーンを。
1枚目は艦橋構造物の前で、右舷のクレーンです。2枚目が同左舷のクレーン。クレーンは前後各2基で多分全部同じもの。基本的には普通の貨物船と同じっぽいけども極低温用のグリスに変えたりとかしてるかも。

3枚目は右舷の通路から前向きに撮った右クレーン。
4枚目は艦橋から窓ごしに撮った艦首甲板。倉口ハッチが半分ですが見えてます。錨鎖関連や艦首旗竿も注目ポイント。艦首前方に見えているのが呉の岸壁で、左に居るのは輸送艦”おおすみ”で、桟橋を挟んで右手には退役した元”しらゆき”が繋留されていました。

岸壁の開けたところでは日曜に本番があった「カレーフェスタ」の一部と地本の広報が行われていました。日曜の「カレーフェスタ」では呉で観光のために頑張っている「海自カレー」が30種ほど出店されてて、各艦ごとの味を楽しむことが出来てかなりの人出だったそうです、なので艦船だけが目的なら人が少ない土曜の方が良かったはず。地本の広報はこの日はあまり来てなくて、装備展示は高機動車とパジェロだけでした。日曜には海自の歌姫が来てステージでミニコンサートがあったそうです。

次は格納庫の中です。”しらせ”は重量物の輸送用に大型ヘリCH-101を2機、主として人員輸送と観測用に小型のAS355を1機搭載していて、AS355は自衛隊の装備ではなく民間の中日本航空という会社に運用委託されているそうな、だから見ることが無いのね。

1枚目、格納庫の中から外を撮ったもの。2枚目、庫内の左前方らへん。3枚目、外から庫内全体を撮ったもの。格納庫の中は人が多いので顔隠しの丸ばっかりですがご勘弁を。普通の護衛艦と比べてえらいダクトが太いように見えますが、これって低温対策で配管を遮熱材でぐるぐる巻きにしてから覆いをしてるんじゃないかと。聞いたわけじゃないので違うかも。

4枚目、庫内の左舷側にあったコカ・コーラの自販機です。自衛隊基地定番の福利価格で基本100円なのでけっこう買ってる人いました(笑)。艦の自販機は艦内の一つだけって言ってたので、どうも見学者用に地方行脚の期間だけ設置してるんじゃないかと思います。ラッシング(固定)はしてありましたが極地でこの位置だとマズイはずだしね。写真の右のほうに段ボールが見えていて、どうも乗員が自分で補充してるっぽい、さすが広報担当艦だなって思いました(笑)。

5枚目、定番の「南極の氷」です。格納庫の入り口にけっこうぞんざいに置いてありました。溶けちゃうから受け皿してたよ。

6枚目、格納庫に居たコウテイペンギンの親子です。ひっきりなしに記念撮影されてたので写ってるのは知らない方。ペンギンは実物大で羽毛の感じもちゃんとしてます。コウテイさんはマジでけぇのでこのサイズで合ってるんだよ、誇張じゃないよ。台座を見てもらったら「HITACHI」の文字が、ご丁寧にキャッチコピーまで書いてあります。これ日立から寄贈されたものだそうです。”しらせ”はユニバーサル造船舞鶴事業所で建造されており、ユニバーサル造船は日立造船と日本鋼管の船舶部門が統合してできた会社ですからその縁かと。ユニバーサル造船は現在はIHIとくっついてジャパン マリン ユナイテッド株式会社(JMU)になっていて、日立の株式保有率は8%くらいになっています。ちっちゃい子は船じゃなくてこのペンギンが一番喜んでた気がするよ。

次はヘリ甲板まわり。自衛隊艦船は普通は入港してる時はヘリを積んでいません、なのでこの日も居ませんでした。

1枚目、格納庫を後ろから見たもの。窓があるところが発着艦管制室です。左右の上に突き出てる船体色の部分がクレーン。
2枚目、展示されていたスノーモービルです。ヤマハ製で子供が乗っけてもらって写真撮ってました。
3枚目、ヘリ甲板の表面。ヘリなどを固定するための窪みと金具は樹脂のキャップで塞いでありました。護衛艦だと何もしてないのが普通だと思うので、やっぱし見学者が多いので安全対策をしてるんだろうなと。

4枚目、艦尾にある小型のクレーンをヘリ甲板から撮ったもの。5枚目、同じく艦尾で、右舷側を向いて撮ったもの、起倒式のアンテナと監視カメラがあります。

6枚目、ヘリ甲板には定番の「南極の石」が2個置いてありました。特に種類とか書いてなくてえらいざっくりとしています。

次は艦内です。この日は艦内も見学できて、順路は舷梯で上甲板の一つ下へ→艦内の階段で右舷上甲板へ→上甲板歩いてヘリ甲板へ→格納庫見たら左舷へ→上甲板歩いて艦首へ→右舷に回って外にある階段で艦橋レベルへ→煙突の前を通って左舷へ→艦橋を見学→艦内の階段で上甲板の一つ下のレベル(たしか)へ→艦内を少し見学→左舷の外へ出る→ヘリ甲板の下の艦尾を回って右舷へ→退艦、という流れでした。要するにざっくりぐるっと回った感じ。格納庫と艦橋以外はそれほど困るような混雑ではなかったです。

1枚目、艦橋の写真。見えてる輪っかが操舵輪です。新しい艦なので計器の類はほとんど液晶になってました。各パネルには画面を再現して説明を書いた紙が置いてありました。2枚目、中央あたりの後ろ側にあった海図台です。ちゃんと呉の海図があって航路も記入されてました。

3枚目、艦内の通路です。護衛艦に比べると通路は広くて機器や配管が無ければ病院みたいな雰囲気でした。人はぶつかりそうな場所にはなるべくクッションがしてあってこれも一般公開用の安全対策かと。艦内外の階段は護衛艦のように急ではなく、ラッタルと言うより普通より少し急な階段といった感じで普通の人でも怖くないくらいになってました。護衛艦のラッタルだと少し怖いくらい急角度です。

4枚目、艦内の床屋さん。広報の人が妙に一生懸命ここで床屋の説明をしてたのがちょっと可笑しかったです。

5枚目、観測隊の寝室で、ここだけ部屋の扉が開けてあった。6枚目、洗濯機と奥がお風呂です、合宿所みたいな感じ。

7枚目、ヘリ甲板の下の艦尾です。繋留用の道具がある程度で特に変なものは無し。ここを見たら右舷の舷梯から退艦でした。

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見学レポートは以上です。”しらせ”はけっこうあちこち行脚しますから、注意しておけば近場で見られることもあるかもしれません。海上自衛隊の公式ページなどでチェックして、機会があれば是非ともこの一風変わった船を見学してみると楽しいですよ。なんせタダだし(笑)

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